美しい言葉の世界




美しさへの憧れ、それはそのまま女性の願望指数と重なるものがあります。その場合の美しさとはどこまでも視覚に映る姿かたちの美しさのことです。そして立ち居振る舞い、雰囲気、ことば使い、話し方、更には服装装飾品に至るまで、美しさの基準は多様にあります。、そして、美しさに心惹かれることに、男女の別はないのかもしれません。

それでも美しいことに対する憧憬も、私のような年齢になると次第に変化します。最近では美しいと感じる対象を、自然界の中に探してしまいます。出来れば日本中のあるいは世界中の様々な美しい所や美しいものを見てみたいなどと、夢想しています。そんな私が 目で見る美しさの他にも、心で感じる美しさというものもあるのだ、と想ったことがあります。美しい波動に心が共鳴したということでしょうか。そして俳句や短歌から連想する美しさとも少し似ている気がします。

その美しい波動を私に伝えてくれたのは 《 仲よき事は美くしき哉 》 という武者小路実篤氏の言葉です。その言葉には優しい絵が添えられていたように記憶しています。私はそのとき、とても心温まるものを感じました。そして短い表現ながら、人の心の表面から奥までをしっかりみつめている言葉のような気がしたのでした。私がその時感じた温かさとは、人と人の心がやさしい感情を持って交流するときに広がるやわらかな温かさです。そういう温かさがうまれる、そんな素地は平凡な日常生活の中にもたくさんありそうです。でも案外見失われている事のほうが多いような気もします。

私自身を含めて、人は結構わがままで、自己中心的なところがあります。それは理屈ではなく誰もがそうした感情の働きを多少はもっているからといえます。 そのため、時に自分と違う考えの人に内心で反発したり、人にはわからないように自己防衛してみたり、となかなか厄介な性分を発揮します。一般論ですが、対人関係全般でいえることは、いつのときも無条件に赦しあうことはなかなか難しいということです。
でも個々の中にあるそうした部分を認めつつ、どんな時も人と人がお互いの考え方などの違いを認め、寛容に受け止めたり、受け入れたりという柔軟さを発揮して、本当の仲良さがうまれるとしたら、それこそが本当の 《 仲よき事は美くしき哉 》 を実行し証明することになります。

そのとき、こころが奏でる愛とは美しいハーモニーであり光の波動なのだということを感じることでしょう。人それぞれ心に思い描く美しい情景は違うとしても、素朴な事の中に生まれる美しさもあります。そしてどのような愛の形であっても、それが誰の胸にも暖かさとなり伝わるものは美しいといえます。
《 仲よき事は美くしき哉 》 という武者小路実篤氏の言葉からわかることは、愛の深い人は外見に関係なく美しい人であり、人が無意識であっても愛をもって人と接するということはハーモニー的に美しいということではないでしょうか。


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