やさしいアロマの会第2回 〜秋の夜長はアロマと一緒に

                                                    講師 岸原千雅子先生

精油(エッセンシャルオイル)は3500あまりの香りのする植物のうち200から300種類の植物から抽出した揮発性の芳香成分です。
鼻から吸った香りの成分は脳にダイレクトに届き 脳下垂体に伝わり 自律神経系、内分泌系、免疫系に働きかけます。
また マッサージなどによって皮膚から吸収したものは血管やリンパ管から 全身に回り 最終的には汗や尿として体外に排出されます。


アロマセラピーの楽しみ方としては     
@ 芳香浴
A 入浴、部分浴
B マッサージ
C 蒸気芳香浴
D 湿布
E スキンケア、ホームケア  というような方法があります。


@の芳香浴とは アロマランプやデフューザーでお部屋を香らせることです。

ろうそくで温めるタイプのアロマランプはお湯をはって使います。水を入れると説明書に書いてある場合も お湯からやったほうが香るまで時間が短縮されて合理的です。

1回につき 精油は5から10滴使うのが基本です。ランプの受け皿にお湯をはり まずは3〜4滴精油をたらします。20分ぐらいして香りが薄れてきたら お湯と精油を2,3滴たします。この作業を繰り返して 全部で10滴ぐらい精油を使うのを1回とし 1日に2・3回を限度とします。
一日中 香らせていても 鼻がバカになってしまって香りの情報がうまく伝わりません。

電気で香らせるアロマランプの場合 お湯や水をはってそこに精油をたらして使うようにと説明書に書いてある場合が多いですが 精油のみをたらして使っても大丈夫です。
受け皿は 台所用の中性洗剤で洗うと綺麗になります。


Cの蒸気芳香浴とは マグカップに熱湯をいれ そこに精油をたらして香らせる、または 洗面器にお湯をはり精油を入れて バスタオルをかぶりフェイシャルサウナをすることを意味しています。フェイシャルサウナは毛穴を開き 美容効果があります。




前回のおさらいとして
エストロゲン様の作用をもつ精油:クラリセージ・セージ・ニアウリ・サイプレス・フェンネル・ジャーマンカモミール

これらの精油は香りを楽しむぐらいであれば問題はありません。皮膚へのマッサージなどにおいて注意が必要です。

抗がん剤使用中の注意:アロママッサージは治療後、薬物が排除されてからにしましょう。
吐き気に対しては ペパーミント、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘系の香りが有効です。



マッサージオイルの作り方
ベースオイル(植物油)を5ml(小さじ1)をビーカー(なければ 陶器やガラスの小皿)に入れ、精油を1滴加え よく混ぜます。
これが1%濃度のマッサージオイルを作る基本です。抗がん剤治療中は さらに半分にして0.5%濃度にしたほうが良い場合もあります。また慣れてきたら2〜3%濃度にすることも可能です。

保存する場合は遮光ビンにいれ 冷暗所で保管し 2〜3週間を目安に使いきります。

主なベースオイルの種類


ホホバ:浸透力・保湿力にすぐれ べたつかず酸化しにくい。液体ワックス(植物性の蝋)
スィートアーモンド:核から採取。オレイン酸を多く含み 肌に柔らかくなじむ。もっとも一般的なオイル。
グレープシード:リノール酸を多く含み サラリとしたソフトな使用感が特徴。値段がリーズナブルなので初心者にお勧め。劣化が早いので早めに使い切る。
マカデミアナッツ:人間の皮脂と同様、パルミトオレイン酸が豊富。肌なじみが抜群。

その他 小麦胚芽油:ビタミンEが豊富。決系循環の改善、酸化防止に
     ローズヒップ油:リノール酸とαリノレン酸を多く含み 老化を抑制  これらのオイルはベースオイルに10〜20%混ぜて使います。




フットマッサージの手順

今回は岸原先生がマッサージオイルを作ってきてくださいました。ホホバオイルをベースに ローズウッド、ベルガモット、パチュリー、ネロリ、ローズで1%濃度です。
実際には 足裏の反射区のプリントを頂き それを見ながら自分の足をマッサージしました。

@ 手のひらに500円玉程度の量のマッサージオイルをとり、両手を合わせて手のひらによくなじませる。
A 片足の膝下まで 全体にオイルをのばしたら 足先から膝下方向に向かって 両手でしっかりと3回なであげる。
B 足裏を 両手の親指で回転させるように動かしながら 緊張している部分、痛みを感じる部分を探して そこを重点的にほぐす。
C 足裏の指の下のふくらみと土踏まずの境の部分を横方向にしっかりと押す。
D 足甲の指骨の間を両手の親指でもみあげる。
E 足首のくるぶしの回りを 円を描くようにもみほぐす。
F ふくらはぎを 足首からひざに向けて 両手でもみあげる。
G すねの部分を内外を 1回ずつもみげる。(内側には三陰交、漏谷、地機、陰稜泉のツボがならんでいる)
H Aと同様になであげ 足村に静かに手をあてて 5つ数えてエネルギーの調整をして終了。


こんなシーンでのアロマ活用法

@ 読書の時・・・・お気に入りの本を見つけて 香りのフットバス(足浴)
  洗面器やバケツに熱めの湯(42度程度)を用意し 好みの精油を2〜3滴たらしてよくかきまぜ、くるぶしまでつかる。
☆ くるぶしまですっぽりかくれるくらいの容器と湯量にすること。
☆ 脇にポットを置き、冷めたらお湯をたしながら じっくりと温まる。
☆ 目安は15分。ひたいがじんわりと汗ばむくらい温まると 冷えの改善、免疫系や自律神経系の働きを整えるのに役立つ。
☆ ラベンダー&ティートリー ローズウッド&ゼラニウムなどがおすすめ。

A 気持ちが不安、落ち込む時・・・・アロマバスで香りに包まれてゆったり深呼吸
  バスタブのお湯に精油を2〜3滴たらしてよくかき混ぜつかる。
☆ 精油をたらすのは体を洗ったあと、つかる直前に。香りがとんでしまうため。
☆ 残り湯は洗濯に使ってもOK.
☆ フランキンセンス、ネロリ、ローズウッド、イランイランなどがおすすめ。

B 眠れない夜・・・・枕元の香りが安らかな眠りを誘います
☆ ティッシュに精油をたらして 枕元に。
☆ ふだん着パジャマの襟元に1滴たらす方法も。
☆ ベルガモット、ラベンダー、ラバンサラ、ネロリ、カモミールローマンなどがおすすめ(緊張して眠れない時は ラベンダー、カモミール、頭を考えがめぐって眠れないときはベルガモット、ラバンサラ)
☆ 眠れない夜のおすすめハーブティー

ジャーマンカモミール:体を温め 気持ちを落ち着かせる。
セントジョンズワート:体リズムを整え、抑うつ気分を明るくする(特定の薬の作用を弱くするおそれがあるので 飲み合わせに注意)
リンデン:心身ともに疲れ果てた夜 翌朝に活力を取り戻してくれる
パッションフラワー:植物性の精神安定剤といわれ 不安や恐れをしずめる。
レモンバーム(メリッサ):悲嘆の感情を鎮め コントロール感を取り戻す。
オレンジフラワー:デリケートな気持ちに落ち着きと希望をもたらす。


☆ハーブティーと精油の違いは?
 同じ植物から ハーブティーでは水溶性成分が 精油では油溶性成分が得られる。効用が違うのはそおため。他にアルコール抽出のチンキ剤では 水溶性、油溶性の両方の成分が得られる。

☆ ハーブティーの上手な楽しみ方
 ドライハーブをひとつまみ(2〜3g)をポットに入れ 熱湯を注ぐ。ふたをして3分以上おき、抽出。最後の1滴まで残らずカップにとる。



  vol-net やさしいアロマの会 第2回の資料を参考に 岸原先生のご許可を得てアップさせて頂きました。