はなしのタネ
C: 人体についての雑学

01.五臓六腑とは

五臓とは、心臓、肝臓、脾臓、肺臓、腎臓
六腑とは、大腸、小腸、胃、胆、三焦、膀胱

膵臓が含まれていないが、昔はその働きがよく分からなかったためと思われる。

02. 男は女を改造してつくられたもの

妊娠2ヶ月までの胎児のときは、男も女も性器は同じ形で、全て女性型。
それは小さなクリトリスと二つに開いたワレメ(陰裂)とで出来ている。

ところが男児の場合、母胎の妊娠2ヶ月頃になると、男性ホルモンが分泌されるようになり、クリトリスは次第に頭をもたげて大きく伸びてくる。同時にワレメも閉じてきて中にトンネル状の尿道が出来る。更に左右の大陰唇が袋のように膨らんで睾丸を包み込む。
つまりペニスとはクリトリスが特別に大きく伸びたもの。
男性ホルモンの分泌がないと、そのまま女児として誕生する。

ちなみに性器が形作られるのは3ヶ月目頃で、6ヶ月目頃に卵巣、精巣の構造はほぼ完成し8ヶ月目ぐらいで人体は形成される。9ヶ月で胎児は出産の時期に備えて頭を下にし、うずくまるような姿勢になり、9ヶ月半で臨月を迎える。

03. 生理前の女性が怒りっぽくなる訳

排卵の時にできた卵胞のくぼみは変化して黄体になるが、この黄体が分泌する黄体ホルモンが、生理前の女性をイライラさせる犯人。

生理の約1週間前に盛んに分泌される黄体ホルモンには、体温を上昇させ、体をむくませる作用がある。また、この時期は受精の準備として子宮内膜に厚みがつく頃でもあり、お腹が張ったような感じがする。

こうした身体の不快感が精神状態に影響しているのではないかと思われる。

04. 男女の脳の違い

脳の構造からいうと、男性の脳の重量は1,300-1,400グラム、女性は1,200-1,250グラム。これだけでみると、男性の方が女性より偉そうにみえるが、体重に占める脳の重量の割合は女性の方が大きい。また左右脳を繋ぐ脳梁の太さは女性の方がずっと太く、左右脳の連絡が良い。

これらの性差は、胎児のとき脳に浴びせられるホルモンによって変わるが、このホルモンによって女性の脳の方が早くニューロンのネットワークを作るため、言葉を覚えるのも早いし、身体の成長も早い。

また、右脳と左脳も比較的均等に発達、機能するようで、一方男性の場合は左右の脳がそれぞれ特化した機能を持つ。例えば、多くの男性は空間認識を右脳の一部で行うが、女性の場合は右脳と左脳で行うと言われている。

05.我慢したおならはどこへ行く

おならを我慢しているとそのうちにおさまってしまうが、そのおならは一体どこに行ってしまうのだろうか。

これは大腸から小腸へと逆流し、腸の粘膜を通っている血管に吸収され、血液とともに体内を巡る。そして肺を通過し、最後は息と一緒に口から排出される。つまり人は口からもおならを出していることになる。

さて、みなさん、それでもおならを我慢しますか?

ところで、おならとは何だろうか。

おならには、腸内で食物が分解してできたガスと、口から飲み込んだ空気の2種類がある。
後者のおならは成分も空気とほとんど同じで臭くない。一方前者のおならは臭い。これはインドール、スカトール、硫化水素、アンモニアなどのにおいの素が混じっているためで、特にタンパク質が分解してできるインドールが猛烈に臭く、おならのにおいの元凶となっている。
ところがこのインドールは香料、つまり動物のジャコウや植物のジャスミンの芳香の素でもある。つまり、インドールは濃いと糞臭となり、薄いと芳香となる。

なお、腸内にはウェルシ菌といって、臭いおならを作る細菌もいる。この細菌は年を取ると増えるから、老人のおならは臭い。

06. まつ毛、まゆ毛は何のためにある

まつ毛は、異物が目の中に入るのを防ぐ役目をしている。

一方、まゆ毛は、ひとつには日よけ。まぶしいと思って顔をしかめると、まゆ毛は少し前にとび出して、日光をさえぎってくれる。
もうひとつの役目は汗よけ。額には汗腺が多く、人間は直立しているので、この汗から目を保護するために出来たもの。額から流れ落ちた汗は、まゆ毛を伝って顔の両側に流れ、目に入らないようになっている。

07. 体温計の目盛りは何故42度までか

通常、人間の体温は36℃前後に保たれている。
これは脳の視床下部にある体温調節中枢の作用によるものだが、病気をしてこの働きが狂うと体温は上昇する。しかしこの上昇も無制限に続くものではなく、その限度は42℃となっている。

体温が39℃以上になると、脳の活動に影響がでてくるし、41℃を超すと、普段から高温の肝臓が真っ先にやられる。そして42℃以上ではどんなことをしても生きられない。
人体を構成している3大栄養素は脂肪、炭水化物、タンパク質だが、タンパク質はある温度に達するとゆで卵のように固まってしまう。この温度が42℃という訳。

ちなみに、人間が生きられる最低温度は、これまでの生存例でみてみると18℃。
体温が31℃まで下がると意識の混濁や血液障害、29〜30℃では意識喪失が起こり、26〜27℃になると瞳孔の反射がなくなる。そして20℃以下にまで体温が下がると心臓が停止してしまう。


(参考文献)
「そこが知りたい!人体の不思議」米山公啓 監修(かんき出版)
「からだ雑学辞典」佐伯誠一 著(日本実業出版社)

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