「リレーをたのしもう」 −わしら同志会の体育実践−    


 陸上競技のリレーは、さまざまな楽しみ方ができます。力を合わせて、目標を達成できたときの喜びは、チームゲームの喜びにひけをとらないほど、仲間と喜びを分け合うことができます。さあ、レッツ エンジョイ リレー!

1.どんなリレーがあるの?
 競技としてのリレーは、100b×4や400b×4、そして日本独特の長距離競技「駅伝大会」がよく行われます。でも、私たちが学校で教えるとき、あるいは楽しみたいときは、そんなことにこだわりませんし、かえって負担がきつすぎてしんどいことになります。そこで、リレーのエッセンスを楽しむために子どもたちの力に合わせ、距離を縮めて行います。また、駅伝のような長距離では、グランドで一人ひとりの距離をかえて発着点を同じにするスウェーデンリレーのようなスタイルもおもしろいものです。もちろん、人数も2人〜6人ぐらいまで、工夫次第でできます。条件があれば障害物リレーやグランド外でクロスカントリーリレーができれば楽しいでしょうね。

2.「リレーのエッセンス」ってなに?
 短距離だったら、スピードが減速しない流れるようなバトンパスができることでしょう。長距離であれば、ペースコントロールされた走で、力を合わせて、チームの目標値に近づくことにあると思います。長距離ではバトンパスの技術はあまり問われません。ここでは、短距離リレーにしぼって考えてみたいと思います。

3.わからせたいことは一つ!
 さて、短距離リレーでわからせたいことは、ひとつです。それがわかれば、目がさめたように走り出すことができます。バトンパスの形を教えても、ずるずるとリードして、スピードにのらないまま渡し手に追いつかれてバトンをもらうという場面がよく見られます。「ずるずるとリードしてしまう」、というわけは?それは「バトンの受け手が全力で走ると渡し手はバトンを渡せない」と考えていることが最大の原因と考えます。逆に言えば、短距離リレーで学ぶことは、
「受け手は全力で走ってもバトンをもらうことができる」ことを知ることにあります。この中には、扱う学年に応じてたくさんの意味合いを含ませることができますが、リレー学習の核心はここにあると思います。

4.その方法は?
 全力で走る(全力疾走)、ということとトップスピードで走るということは同じではありません。ところがこれはなかなか分かりにくいことです。かつて、小学校4年生の授業で、子どもたちに「受け手が全力で走ったら…」の質問をしたら、ほぼ全員が「もらえない」と答えました。そこで、実験をしてみました。

 2〜3bから逃げてもほぼ確実に鬼に捕まってしまいます。そこで50cmずつ逃げるポイントを伸ばしていきます。すると、ついに逃げられるか追いつくかぎりぎりのところがでてきます。そして、とうとう逃げることのできるポイントがでてきます。これは止まっている位置からスタートして全力疾走すると、トップスピードにのるまでに加速区間があるということです。これをこの鬼ごっこで体験的に教えることができます。また、データとして、次のような方法で教えることもできます。

加速30b走とスタート付き30b走の記録を比較する
 タイムはほぼ1秒違います。加速区間はトップスピードより時間がかかり、遅いことがわかります。

5.GOマーク鬼ごっこをしよう!
 ペアをしばらく固定し、先ほどの鬼ごっこの中で、ぎりぎりでつかまるポイントを見つけます。そこが
GOマークです。そこに渡し手がきたら、受け手は全力で逃げます。そしてリレーゾーンを10b以上20b以内にバトンをもらうことができれば成功です。どれだけ受け手が渡し手をひっぱるかは、相手とのスピードの比較で変わり、それも作戦になります。しかし、受け手けは10bは走らないとトップスピードにはのれません。(GOマーク鬼ごっこの名称は大阪支部会員の榊原氏が命名されました。)

6.リレーゲームをしよう
 2人のペアで目標タイムを設定し、それにどれだけ近づけるかで他チーームと競争します。

方法@
 2人の30b走の合計タイムを出し、これをリレーによってどれだけ短縮することができるかを競います。

方法A

 渡し手のスタート付き30b走の記録と受け手の加速30b走の記録を合計し、これを理想の目標タイムとして、実際のリレーのタイムがどれだけそれに近づくかという競争をする。

7.上手になるには?
 いかに安定してGOマークからダッシュできるか。また、正確なバトンの受け渡しができるか。それぞれ、ダッシュの仕方や声かけ、手渡しの方法など子どもたちのアイデアを発揮させる場面です。バトンパスという意識焦点ができるおかげで、理想の目標タイムさえ突破するグループが出てきます。子どもの成長はすごいですね。


                             

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