ゴーマークリレーはこうして生まれた    わしら同志会の体育実践    


全力で走ってもバトンはもらえる
 1980年秋のことである。泉州南河内ブロック例会(当時は一つ)に向けて、難波高島屋近くの喫茶店で、淡さんと舩さんと私が相談をしていた。舩さんは同志会に入って間もなくのことだったが、次回の報告者の予定になっていた。その彼が、熱っぽく話した。
「子ども(当時4年生)に聞いたら、バトンをもらう方が思いっきり走ったら、前走者はバトンを渡されへんと思てる。これを(この考えを)変えなあかん。」
 私はこれを聞いて、リレーで教えるべき中核となるのは、まさにこのことだと思った。「受け手は、全力で走り出しても、必ず渡し手からバトンをもらえる」ことをわからせることが、この教材の中核部分なのだ。同志会は、リレーの特質を「加速によるトップスピードでのバトンパス」ととらえているこれを子ども側の言葉で言い表せばまさに前述のようになる。このことをわからせることができれば、授業は成功する。

スピード曲線と鬼ごっこ
 当時、大阪支部では年に一回、実践講座を開いていた。1981年の第3回目に私がリレーと短距離走を担当した。このときに、「鬼ごっこ」を提案する。実線の積み重ねのないほんの数行の提案だった。
 スピード曲線を作らせて、スピードに全力で走っても、加速部分とトップスピードの部分があることを分からせようとする実践がなされたきた。学生にはこれがなかなかむずかしく、目に見えないのでわかりにくいところがある。

 リレーで重要なのは、スタートダッシュからトップスピードにのるまで(小学生の場合10mほどで一定のスピードに達してしまうので、これを一応小学生のトップスピードとよぶ)他の区間より、約1秒余分にかかるということである。このために、スタートから全力で走っても(全力疾走)、トップスピードで走ってくる渡し手からバトンを受け取ることができる。

<私の提案は次のとおり>
・バトンなしで「鬼ごっこ」をする。タッチされないようににげる。1mに来たら逃げる。2mに来たら逃げる・・・というふうに距離をのばす。
・1〜3mでは、全力でも必ず追いつくことがわかる。ぎりぎりのところが最適の距離だ。コンビは習熟まで固定しておく方がよい。

実践指導の科学化と蓄積
 以上のことを経過する一方で、浪さんが1982年広島大会走分科会を契機に実践を深め、その実践を冬大会に提案する。ここで、ゴーマークリレーが科学的にも実践的にも裏打ちされる形で提案され、誕生したと言えるだろう。浪さんよると。「ゴーマーク」という言葉は、トム・エッカー著「種目別最新技術」BM社にあり、アメリカでは使われていたそうである。岡さんが4〜7月に浪実践をトレースする形で実践し、第33次日教組教研へレポートする。浪氏の実践は84年「たのスポ」10月号にたのスポ最長の50ページで掲載されている。最新は「たのしい・体育シリーズ・陸上運動走る」のリレー実践に集約されている。

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