’01.7.8
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■ 主催 21世紀の授業をつくる会
■ 開催日 平成13年7月8日(日)10:00〜17:30
■ 会場 早稲田大学14号館201教室
■ 内容
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それぞれの内容に添って、三浦メモより研修報告を記してみたい。
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T @有田が語る野口・向山両氏の授業
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「資料活用能力」というものは、普段の授業の発言の中で見えるものだ。 |
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※ そう言える有田学級の子供たちも「すごい!」と思う。(三浦)
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A野口が語る有田・向山両氏の授業
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※ 「伯楽」・・・・筋のいい馬を見分ける力のこと。転じて、人物を見抜く眼力のある人のことを言う。
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@向山が語る野口・有田山両氏の授業
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U 模擬授業
模擬授業の順番は、万座の中、三方のじゃんけんで決められた。
@向山氏A有田氏B野口氏である。
以降、一人ずつメモをもとに、コメントを加えながら簡単に授業の流れを記していくことにする。
<向山氏の授業〜算数4年わり算>
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・□1。問題があります。
・いっしょに読みます。さん、はい。
・算数ができるようになるためには、きれいにそろって読めていなくてはなりません。
・もう一度。さん、はい。
・とっても上手です。
・しかし、最初一人ずれています。終わりに二人ずれています。もう一度。さん、はい。
・やればできるじゃない。
・式を教科書に書きなさい。
・全員で一緒に読んでごらん。
・21の次に=と書いた人、手をあげてごらん。
・=と書いたならば、その答えまで書いていなければ×です。=で終わっているならば、式は不完全です。
・次に、計算の仕方を考えましょうと書いてあります。
・今の式を筆算でやります。
・ABどちらに立ちますか。
・「たてる」そのあとは、かけます。
・その次は・・・「うつす」
・「たてる」「かける」「うつす」はい、いっしょに言ってごらんなさい。
・21を34の下にうつします。
・その次に何をしますか。そう、「ひく」ですね。
・はい、その次に何をしますか。
・「おろす」
・はい、2をおろしてごらん。
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・次はどうしますか。
・「かくす」1と2をかくす。指で!13の中に2はいくつありますか。
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・はい。6をたてます。
・そして「かける」「うつす」「ひく」
・これを読んでもらいます。
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<有田氏の授業〜鉄道から歴史が見える>
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・この図は、何か分かりますか。(鉄道地図)
・何の線路でしょう。(新橋〜横浜間の鉄道)
・いつの頃の物でしょう。(明治5年9月12日)
・このころの出発の合図は、何でしたでしょう。(太鼓。翌年から鈴になった。)
・ところで、長さはどれくらいでしょう。(29km)
・29kmに4つの駅があって、53分で走りました。当時歩いたら10時間。人力車だと7時間かかったと言われています。
さて、当時53分で走った電車を見た人々は、どんな感想を持ったでしょう。
・夢の超特急列車。今で言ったら、新幹線よりすごいのです。
・もっともスリルがあったのは何でしょう。
・木の橋だった。617mの木の橋。鉄橋なんて無かったのです。これは、日本の大工さんが作ったのです。
・当時は、イギリスなどから資材を運ばなければならなかったのですが、それには1年かかる。待てなかったのです。
・ところで、トンネルや踏切はあったんでしょうか。
・ 踏切はあった。しかし、トンネルはなかった。この鉄道地図の赤いところ。ここは何か。
・ 実は、海の中。盛り土して作ったのです。どうしてこんなことしたのか。
・土地の買収がうまくいかなかったのです。つまり、日本中が反対したのです。
・ 当時の人たちは、鉄道を造るのに何故反対したのだろう。その反対の理由を3つあげよ。
・ 決定的な理由は、次の「3つのない」であった。(@金A技術B必要性)
・それでも、がんばったのは何故だと思うか。
・世間の反対に屈するくらいなら、維新政府の改革などできるはずはないと考えての行動である。
・このことについて、アメリカは、いっさいアメリカ持ちで作ってやろうと言ってきました。しかし、日本政府は、これを断ったのです。どうしてか。
・ それなのに、調べていくとイギリスからは借りた。これはいったいどういうことなのか。
・ イギリスは植民地主義のさいたるものであったが、当時植民地主義を捨てた。
近代的な貿易国としてお相手したいと、当時の情勢をかぎ分けて、日本政府はアメリカではなくイギリスを選んだ。鉄道を他国が作ると言うことは、これ即ち植民地の礎になると言うことである。イギリスの国家の変化をかぎ取って技術と金を借りたのである。お金の援助は現在で言えば886億円と言われる。これは、日本の国家予算の3分の1にもあたる。それほどの大きな援助であった。参考文献を調べると、かなりハードな業務であった。過労死したイギリスの技術者もいる。エドワード・モーレルという人の墓が横浜の外人墓地にある。
・それにしても、何故にこんな苦しい状況をはねのけてでも、急いだのか。
・当時、世直し一揆が113もあった。
このままでは、明治政府は滅んでしまう。明治政府ってなかなかやるじゃないかという権威を国民に示し、驚きと衝撃を与えたかったのである。
これは、廃藩置県と同じくらい価値があった。一世を風靡し、文明開化とは何かをしらしめるためのものだった。
・ところで、このことを命がけで取り組んだ人はだれだと思いますか。
・私はここの会場入りするときに、その人に会ってきましたよ。
・その人にあって確認してきました。
・そう。ここ早稲田大学を作った人です。大隈重信です。当時彼は大蔵省にいて、伊藤博文といっしょに作り上げたのです。
・余談になりますが、彼(大隈)が、こんなこと言っている。「我が輩の一世一代の失策であった。」それは何かというと・・・鉄道のレールの幅を狭くしてしまったこと。
・また当時おもしろいことに、乗車の際、これをすると罰金というきまりもあった。
それは、おしっこ10円。おなら5円であった。
当時の乗り賃が、1円12銭5厘だから、相当高額な罰金と言えるだろう。
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<野口氏の授業〜詩の鑑賞指導>
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(教材文)
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・読んでもらおう。ただ読めばいいんじゃないよ。精一杯最高の読みで読んでごらん。
・この詩を読んだイメージをズバッと一言で言ってください。
・読解鑑賞は自由でいいんだ、だから、教師が解を押しつける、これは授業とは言えない。 冗談じゃない。
・話者と子との関係をズバリひと言で書いてごらん。
・まだの人?早いねぇ。
・「父(母)と子」「祖父母と孫」「それ以外」だね。
・よーくみてみなさい。自分を疑ってみるという勇気が大事。
・「目を細くして」とは、どういうことだ?
・「ほのぼのと」とは?
・どうして「幾夜か経たる」なのか。「幾日か経たる」でもいいじゃないか。
・読者は文脈に添って考えるべし。「ほのぼのと目を細くして抱かれし子」って何才ぐらいですか。
・「去りて」は意識的、「幾夜か経たる」の「か」は係助詞、「経たる」は「経たり」の連体詞である。
・この詩は、斎藤茂吉作「赤光」という中にある。三連作の中の一つ。
・実は20才代である。
・「幾夜か経たる」という切実な哀別の情である。
・大変色っぽい詩なのである。
・露骨にして大胆。しかし、極めて細心な技法である。感覚的でありながら、肉感的でない官能表現である。
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V 授業検討会
(司会)樋口雅子氏
○ 明石氏(千葉大教授)の採点
大学では60点可・70点良・80点優であるとしたところで、私見の評価を述べた。・向山氏・・・90点
・有田氏・・・80点
・野口氏・・・85点
○向山氏の授業について
・内容・方法の基礎基本をしっかり押さえつけた授業である。
・きちんと書いて説明させること。ここが優れている。これが子供に力をつけていく。黒板に書かせて個別評価し、些細なところに目を向けさせている。(以上 有田)
・「Aにたちますか。Bにたちますか。」この程度で充分。突っ込んでやらなくていい。
・「手でかくしなさい。」「指でかくしなさい。」は絶対に分かる方法である。
・補助計算は必ず横に書かせる。わり算は、「たてるかけるうつすひく」である。
・一つ一つのシステムと意味づけがしっかりなされていなければならない。
・読み方もきっちり教える。教師自身ができないのに、子供ができるはずがない。
・「待つ」ことはダメ。
・教科書を教える教師は、一万人に一人もいないと思っている。
・人間の脳の中には、専門的なことがパターンとして2万5千〜10万入っている。その中から1つ選び出されて授業として表れるのである。
・熱心に努力した10年間があって初めてできる。(以上 向山)
・「向山型算数」は、とっても新鮮だった。
かつて、大事にされてきた文化を新たな装いと整理を加えて、授業として構築化されたものである。
・単純かつ明確な言葉を教え込むことで、無駄な混乱のない物としている。
・新しい授業と言うより、今までないがしろにされてきた、かつて大事にされてきた文化をきちっと整理し、装いを新たにして提示した授業と言える。(以上 野口)
○有田氏の授業について
・一枚の資料から、他の地域の鉄道のでき方をきちんと想像させることができる。理解させることができる。そして、歴史的な見方・考え方といったものを育てていける。
たとえば、今昔の相違や因果関係の見方など。(有田)
・具体的な事実をどこまでも追究分解していくのが有田先生の最大の特徴。
・相当にしつこくやらねば、「追究の鬼」どころか「追究の虫」と言われるまで大変なことだ。
・向山は与えられてくる条件を切り刻んでいって、そのあと分析・分解していって、分類し整理を加える。
・レベル1「〜がある」という事実、レベル2「〜が多い」という分布、レベル3「時間は?いつ?どこ?」という指定といった具合である。(以上 向山)
○野口氏の授業について
・国語の教材解釈はとても難しい。どうでも解釈できる資料は、社会では×。きちんとしたデータこそ命である。(有田)
・アダルト向けの授業であった。「子」という言葉が問題である。私自身ぶったまげてしまった。「子」は少女であった。自分でも読んでいて3才程度であると思った。
しかし、解説書を読んでショックを受けた。
国語は、いつでも文脈に規定される。(以上 野口)
・連作の中の位置づけの妙である。あの通り読むと、我々の解釈が正しい。(市毛)
・やはり生活環境から解釈していくと思う。自分の生活経験から来る物でないか。
・国語の力ってどうやってつけていくのか、毎日の授業の中でどれだけ力をつけていったのか絶対評価で評価して行かねばならない。
作文などは、もっとも難しい教材であるとともに、見直さなければならない時期に来ている。(以上 江部)
○教室に入ったとき、どこを見るべきか。
(野口氏)
授業こそ全てである。それ以外は興味なし。
@新しいどんな学力を形成したのか。
A工夫があるか。無駄がないか。
B雰囲気やその人が持っているもの。
(向山氏)
@教師はおしゃれをするべきだ。つまり、教師を見る。
(「だって、子供がかわいそうでしょ。」師尾氏談)
A笑顔が素敵であること。
B誉め上手。誉め上手な人は素直な人である。
C知的な教師は、本棚に本が置いてある。
D大嫌いなのは、模造紙に書いたお化けみたいな調べ学習みたいなもの。あれは、「模造紙を書く」という。外に向けて、見栄ぷんぷんの臭いいっぱいの教室。
Eノートを見るのが一番。
F靴箱。靴箱を見ればそこに自分の学級経営が反映されている。
(有田氏)
@教師の感覚や品性。教師の人柄がにじみ出て、教室の空気に表れる。
A板書を見る。
B子供のノートを見る。
C教材を見る。
D指導案を見る。(書くべきことが書かれているか。)
・こんな子供だから・・・
・こんな教材を使って・・・
・どんな指導を・・・・
・こんな力を付けたい!
以上。
(文責 三浦)