まえがき
 
 サークル結成以来,我々は,身震いするほど優れた実践を世に打ち出した数々の教育実践家に,幸運にも出会ってきた。
 たとえば,向山洋一氏である。
 たとえば,野口芳宏氏である。
 たとえば,酒井臣吾氏であり,有田和正氏である。  
 大森修氏しかり,・・・・・。
 世に問う先駆者,揺るぎない“本物の実践家に共通していることがある。 これである。

  教育することのすばらしさと恐ろしさを奥底から知り,子供の事実の
みに目を向け,誇りを胸に価値ある教師で有り続けようと努力を厭わず
常に前向きに,本物の教育を追究し続けている。

 
 およそ,授業の名人・達人とよばれる師は,その教材開発や片々の教育技術の原理原則のすばらしさばかりに世の目が注がれやすいが,本質は実は別のところにある気がしてならない。
 心から子供をいとおしみ,教育を愛し,本当に有益なもの価値あるものを有らん限り追究し続けるその生き方にこそ,我々は師として仰ぎ,その魅力に引かれてやまないのである。
 我々「サークル・マンマミーア」は,そのような方々を“BOSS”と呼ぶ。
 心の師であり,目指すべき学びの師である。
 そのすばらしい先人の生き方や考え方・思想そして教育技術をフィルターにしながら,志を共にし教育のロマンを語り合い(トーク),点の学びを線(ライン)にすべく,ささやかな学びを続けていきたいと思っている。
 
 本小冊子は,サークル結成後,初めての機関誌となる。
 拙い実践の一端にすぎない。論外と言われるに違いない。
 しかし,物事はいつでもそこからスタートする。
 自らの力のなさ,未熟さをしっかりと自覚するところから進歩があるという理念に変わりない。
 これを機に,今後もカタツムリのごとく教育の延長線上を歩み続けて行く覚悟である。
                      2000.盛夏
                       
 
         あとがきにかえて
 
 自然発生的に生まれた当サークル(前身BURN)は,何物にも縛られず本物だけを良しとする共通認識のもと,自由な教育の語らいの中から誕生したものである。
 サークルというには,おこがましいほどに細々と会を営みながらも,すでに3年を経た。
 ここでひとつの節目として,さらなる意識の変革を目指し向上を願いながら,機関誌を発行するに至った。ここに記された論文や雑感,実践記録は誠に拙く,言うなれば自分勝手な小さな“つぶやき”である。
 ささやかな我々の実践及び活動は,全国の数多くのすぐれた教師たちの輝かしい実践に比べれば,まるで広大な銀河の中の,肉眼では見えないほどに灯るひとかけらの名も無い星のごとしである。
 しかし,たとえそうであったとしても,小さな星のささやきを受け止めてくれる多くの子供たちがいる限り,互いの教師としての力量向上のための研鑽を積み,明るく前向きに学んでいこうとする姿勢に変わりはない。
 教師修行は果てしがない。
 教育のロマン・悩み・指導技術等を互いに共有し,その課題に向かって教師修行していくことを決意しながら,以下の詩を添え,終わりとしたい。

    きら・きらり
              あさつゆ しずか(工藤直子)
  よるになると    そらの ほしは
  そっと   ちきゅうにおりてきます
  そらは   あんまり   たかくて   さびしいので
  だれかと   はなしをしたいのです

  くさたちは     そらの ほしを
  じっと   だきしめて   きいてあげます
  ほしたちの  きらきら  つぶやく   ひとりごとを
  そして   いっしょに   ねむります

  くさかげの   つゆのしずく   あれは
  ほしの   ひとりごとの   かけらです