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手術

左の図の赤の点線で十二指腸、膵頭、胆管、胆のうを切除し、右の図のように縫合した。

手術

2002.11. 3

 主治医から手術前の説明を、妻、長男、次男、長女、母も集まり、詳しく聞く。十二指腸乳頭部にがんがあり、胆汁と膵液の出口をふさいでおり、手術で十二指腸、膵臓の頭部、胆管、胆のうを切除し、周辺のリンパをすべて取り除く。十二指腸を取り除いてそのまま胃と腸をつなぐのでなく、腸を先ず上に持ってきて膵臓、胆管をつなぎ、その下に胃をつなぐことになると、図を描いて説明がある。5日の11時から8時間の予定で行う。胆汁、膵液を取り出す管をはじめ、多くの管をお腹に付けるが、5週間ほどですべて外す。術後はなるべく早く動くように、ストレスをためないよう何でも訴えるようにと、勧められる。先生方の手術と治療方針に安心しておまかせしようと感じる。

2002.11. 5

 昨日から下剤を飲み、今朝は6時からかん腸をしてお腹を空にする。10時前にストレッチャーで手術室へ。血圧計などいくつかの機器を取り付けてから、麻酔の医師が背中に痛み止めを取り付け、続いて眠り薬を点滴につなぐと意識を失った。

 家族と妹達が手術の間控え室で待ち、予定の夜7時に無事手術が終わり、主治医から切除した患部を見せてもらって、説明を受けたそうだ。その後の処置がなされて、集中治療室で面会したのは9時をまわってからだが、まだ意識がなく覚えていない。夜中に背中が痛くて、看護婦さんに寝返りをさせてもらった。

2002.11. 6

 集中治療室は周りに機器が多くてストレスがかかるからと、個室になるべく早く入れるように配慮がなされ、昼過ぎには病棟に移る。痛みはせき髄に取り付けた痛み止めで数日間効いているそうで傷の痛みはないが、太もも、尻、脇などがかゆい。何本もの管が付けられ、鼻から胃液を取る管も付いている。もちろん点滴も毎日続けられる。導尿の管はなるべく早く外すとのこと。傷口の痛みはないが、体中がだるい。ネブライザーを使ってはたんを出すことを努める。

2002.11. 9

 昨夜で背中につけた痛み止めがなくなったが、傷はいたまない。身体のだるさは日に日に改善して、体力を取り戻して来ているようで、主治医から経過が良いと聞く。今日からお腹につけられた管で、腸に宇宙食のような栄養を送り込む。1 m ほどの管が入っており、手術した患部より先の腸に栄養 100 cc を10時間かけて点滴のように入れ、この量を毎日 100 cc ずつ増やして 900 cc までもっていくとのこと。点滴とは違って、これは腸が栄養を吸収して肝臓に送り、肝臓が分解して栄養素を血液に送るという全身的な働きをさせる。しかし術後に腸が動き始めるためか、下痢の症状が出る。毎日夜は熱が上がるので、解熱の点滴をする。

2002.11.13

 腸への栄養は 500 cc となり、慣れて来たのかお腹の痛みも和らぎ、下痢も止まってきた。鏡を見て、自分の顔に元気さが出てきたことを感じる。少しずつ起きている時間を長くするように心がける。