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恋する留学日記(8) 8月1日(金) 朝ごはんを食べた後キッチンを掃除してたら ついついその掃除に夢中になってしまい いつの間にか学校に行っても遅刻の時間 になってしまいました。 今から行ってもどうせ遅刻だし、いいや、今日は さぼっちゃえ!ということで急遽バーミンガムに 行ってくることにしました。 私の周りの人たちは私が毎週のように イギリス中を旅行しているのを知っているので 来週はどこ行くの?今度はどこ行くの? とよく聞いてくれるのですが、 次はバーミンガムかなーっ! って私が言うとみんな、バーミンガムー? やめろー、何もないぞーって言うんですよね。 でもバーミンガムはNOVAの私のお気に入り の先生Lの出身地でもあるので、日本に帰った ときにLにバーミンガムに行って来たよ! って言うためにも今日行ってくることにしました。 バーミンガムはイギリス第3の都市で、 日本でいうといわゆる名古屋なのですが、 逆に言えばまさに名古屋で、東京都と大阪に 挟まれ、第3の都市でありながらすっかり 存在意義が忘れ去られてるというところまで そっくりです。 そうなんです、つまんないとこだったんです。 お店もたくさんあるし、便利なとこだと思うけど それだけ。3時間くらいいたら飽きちゃった。 あ、でもここは話す人の英語がみんな すごくなまってたので面白かったです。 話しかけられても、えっ?ってかんじ。 でも道を歩いてるだけで知らない人が 話しかけてくるので、田舎のこういう ところが好きな人は気に入るかもしれませんね。 で、早々にロンドンに帰ってきたら掃除途中 だったはずのキッチンがピカピカになってました。 あれ?私、掃除終わらせてったっけ? まさか大家さん?もしかして天使? 8月2日(土) バスで行ける範囲の所も尽きたので 今日は電車で北部のチェスターという所に 行ってきました。 このチェスターという街は、ローマ時代の外壁 に囲まれた、チューダー様式の建物が そのまま残るとても美しい街です。 外壁の上は歩道になってるので、高いところから 街を眺めつつ街を一周出来るし、 チューダー様式の建物も、ただ保存するだけ じゃなく、ちゃんと有効活用されてるので 古い街並みの中にバーガー・キングの 赤いロゴも、ブーツ(薬のチェーン店)の 青いロゴもすっかり溶け込んでて きれいなだけじゃなく住みやすい街に 出来上がってます。 素晴らしい! これこそヨーロッパのあるべき姿! もし両親がイギリスに来たら絶対ここに 連れて来てあげたいなあ。 チェスターは素敵なところでした。 そしてリバプールFCのマイケル・ オーウェンの出身地でもあります。 家に帰ってきたらケンブリッジ英検の アドバンス試験の結果が来てました。 結果は無事合格。 でもスピーキングがBelow average (がーん!) だったのがたたってA合格じゃなくてB合格。 がーん。でも合格は合格だもんね。 そんなに勉強しなかったし、ま、こんなもんかな。 こっちに7ヶ月ちょっと住んだ間に 英語の試験に2つ合格して、ついでに乗馬も 出来るようになったんだから、まずまずの 留学成果ではないでしょうか? でも翌日学校に行ったらでかでかと ケンブリッジ英検の結果が張り出されてて、 まるでこの学校のおかげで私がアドバンス に合格したかのように、私の合格が宣伝に 利用されてたのでむかつきました。 うちの学校は出来て間もないから 確かに私が最初で唯一のアドバンス 合格者で、そりゃ書かざるを得ない んだろうけど、学校にアドバンス用の コースもなければBook 6のクラス さえないのにちゃっかりアドバンスの 宣伝するなんてふてぇ野郎だ!むかつくぜ! 8月4日(月) 午前中にヴァージン・アトランティックに 電話して日本へ帰国する便の予約をしました。 私は帰るべきだと心に決めてはいたものの、 たとえ何があったにせよ、7ヶ月で留学を 終わらせるなんて中途半端過ぎるし、どんなに つらくても最低1年はいるべきじゃないのか、とか いろんな考えがよぎったのですが、せっかく ロンドンにいるのにともだちはみんな日本人、 夜遊びばっかして何も学んでない人に比べれば ここ3ヶ月で日本語をしゃべったのは たった1度だけの私、7ヶ月でもこれほど充実 してれば充分じゃないか、ロンドンにいるため だけに無駄にだらだら過ごすよりは、 ここで帰るのも潔くていいんじゃないかと 自分を励まし、勇気を出して9月10日発の 便を予約しました。 でもそうは言っても電話を切ったあとは 自分がたった今した重大な決断に足が 震えて座り込んでしまいました。 帰るんだ。 あと5週間でこの国から去るんだ。 このまま大好きな先生とも再会できないまま。 途中あいだがずいぶん抜けてるけど、去年の 夏からほぼ通年ロンドンにいたのに、まさか 一度も会えないまま終わるなんて、、、。 『もうすぐ日本に帰るから最後に一度 だけでも会って』って先生に言おうかな。 『最後に一度だけでも会って』? わー、なんか演歌みたいだな。 でもそんなこと言ったら先生から、 『この俺の愛する国から立ち去る奴は バカだ!そんな奴とは会う必要がない!』 って怒られそう。 きっと先生は私がこの国からいなくなっても 平気な顔を崩しはしないわね。 午後の授業に出たあと帰ろうとしたら、 学校の外でたばこを吸ってるコバチ先生に 『まちゃみ』、と、話しかけられました。 コバチ先生に教室の外で話しかけられるのは 初めてだったので何かと思ったら、 コバチ先生は今、大学院で心理学の勉強を することを考えてるらしく、それを日本で英会話 教師として働きながらすることは可能か? って私に聞いてきたのです。 コバチ先生は大卒だから日本で英会話 教師をすること自体は可能だと思うけど、 日本で英語で心理学を勉強するのが ちょっと無理なような気が、、、。 私もよくわからないので、調べてコバチ先生に メールしてあげることにしました。 8月5日(火) アドバンス試験に合格してたので、試験に 使った参考書を今日の朝、売りに出してみたら 早速売れて、5000円もうかりました。えへへ。 帰るまでのあと1ヶ月の間に、テレビやら ビデオ、あと携帯にアイロン、たくさんのものを 売り払わなくちゃいけないから大変です。 私のともだちはひそかに全部売れ残って、 自分がもらえればいいなあって思ってる ようですが、そんなもったいないことは 絶対に出来ない!売れるだけ売って 売りまくらなければ! 夏が来て、うちのフラットに住んでた 日本人の学生たちはみんな卒業して 日本に帰国してしまいました。 だから4部屋あるうちのフラットも住人は 今は私だけ。 なのでこの前大家さんに家賃を払いに 行ったら誰かまちゃみの知ってる人で うちの住人になりそうな人いないー? って大家さんに泣きつかれてしまいました。 『私のともだちでこんな家賃の高い フラットに住める人は一人もいない。』 って言ったら大家さんも納得してたけど、 実は私がこのフラットに払ってる家賃は 大体大卒社員の初任給と同じくらい。 べらぼーな金額払ってます。 ここのフラットは部屋が広すぎるから 家賃も高くてそう簡単には住人が 見つからないんですよね。かといって ワン・ベッドルームだから二人で住むには 都合が悪いし。 私もあと1ヶ月で出て行くって言ったら 大家さん、ショック受けるだろうなあ。 ロンドンでは珍しく、ほんとにいい大家さん だったのでちょっとかわいそうなんだけど。 昨日コバチ先生に日本の大学院事情 についてのメールを送っておいたら早速 今日返事が来て、それは別にいいんだけど、 メールに、今日学校に辞表に出してきた、 1週間後には辞めるって書いてあってびっくり。 結構マジで日本に行くつもりなのね。 8月6日(水) 午後の授業に行くと、時間になっても 先生が誰も来なくて、するとちょっと遅れて ポーランド人の彼女がいる先生がうちの クラスにやってきて、今日は先生が一人病気で 休んでるから隣のクラスと合同で授業を をやらなくちゃいけない、ごめんね、ということに なったのですが、 それを聞いたシルヴィアが、え〜、コバチ先生、 まだ病気なの〜?と大ブーイング。 え?昨日もコバチ先生休んだの? (私は昨日午後の授業に出なかったので 知らなかった)っていうことは、じゃあそれは コバチ先生は今日も別に病気で休んでる んじゃなくて、昨日付けで学校を辞めたんじゃ? えええ〜。頼むよ、コバチ先生〜。 夕方アラン・リックマンが遊びに来ました。 私のフラットの隣は『ドルフィン』という パブで、私とアラン・リックマンはこのパブが 大好きでしょっちゅう行ってます。 いつ行っても空いてるし、安いし、それに道路に 向かってストールが置いてあるのでビールを 飲みながら歩いてくる人を眺められて、 待ち合わせをするのにぴったりなのです。 で、今日もこのドルフィンで軽く一杯。 電話で私が日本に帰る日が決まったことは既に 話してあったのですが、アラン・リックマンは その電話を切ってから初めて、私が 『もうすぐいなくなる』、ってことを実感 したらしくて、途端に悲しくなってしまった んだそうです。 『まちゃみがいなくなったら、すごく すごくさびしくなるね』って、アラン・ リックマンはほんとにさびしそう。 なので、 『そうね、あなたは私の親友だから、 私もあなたをここに残していくのは辛いわ。』 って、大して意味も無く言ったら、 それを聞いたアラン・リックマンは 今にも泣き出しそうな顔をしました。 思わぬアラン・リックマンの反応に ちょっと動揺してしまった私。 夕ごはんの材料を買いにパブを出ると アラン・リックマンが道端で思いっきり 私のことを抱きしめてきました。 『まちゃみがいなくなったら 僕はほんとうにほんとうに さみしくなるよ。』 アラン・リックマンは私にしがみつくように 私を抱きしめて何度も何度もキスしてきました。 、、、、。 やっと自分がしたことの重大さに 気づきました。 私はこの人を傷つけたかった。 異国の土地で信頼してた人に見捨てられる 苦しさをこの人に思い知らしてやりたかった。 でも、私がこの人を見捨てる側に 立ってみて、きっと私は今この人以上に 傷ついてる。 私はなんてことをしてしまったんだろう。 8月7日(木) 午前中のクラスに行くと、再びクラスが キャンセルされることが決定したとのこと。 そうだよねー。いつ行っても生徒は私と アナちゃんだけで、いくらなんでもこれは 学校として成り立ってないんじゃないかと 私も思っていたところでした。 この学校には確かに不満はたくさん あるけど、でも思えば私のクラスは いつも生徒が少人数でした。 特に6月になってからは生徒はほとんど 私だけだったので、だからいくらクラスの 設定レベル自体はBook 4、Book 5と 言っても生徒が私だけのときは、大好きな イギリスの先生のメールを解説してもらったり、 読んでた本のわからないところを教えて もらったり、ほぼプライベート・レッスン 状態で勉強できていたのでした。 それでいて私が払ってた1時間の単価は たったの800円なんですから、確かに カラン・メソッドで学ぶことは出来なかった けれど、プライベート・レッスンの相場が 5千円のロンドンで、これ以上文句を 言うのも酷というもの。 なーんて私は思って、また学校に行く 時間が変わるのか、ちっ、めんどくせえな って思ったくらいで特にキャンセルされる ことについてはなんとも思ってませんでした。 どっちにしてもこの学校に来れる日にちも あと3週間だし。 でも私の元彼に似た先生と、アナちゃんが こんな素晴らしいクラスをキャンセルする なんて許せない!と学校に猛抗議して なんとクラスの存続が決定。 えええ? そんなのってアリなの? 頼めば存続してくれるんだったら私は 4月のクラスでずっと続けたかったよ! でも一応、この朝のクラスは在籍生徒が 6人いるので、(アナちゃん以外、ほとんど 会ったことない!)その6人が毎日来る ならクラスのキャンセルはしない、という 条件だそうです。 元彼似の先生とアナちゃんは要求が 通って大喜びしてたけど、私は 『外人が朝8時半からのクラスに毎日 休まずに来るなんて絶対無理じゃん!』 なんて一人でシラけてました。 言わなかったけど。 この日は午後からアラン・リックマン とビール祭りに行く約束をしてました。 ところがフラットに帰るとアラン・ リックマンが何か沈んでいます。 まっまた? アラン・リックマンは今、プライベートで 英語を教えているのですが、ほんとは シアツだけで食べていきたくて、でもなかなか シアツのクライアントが入らないからお金も 稼げないし、将来が不安で、だから今は まちゃみと遊んでる場合じゃないと言うのです。 ビール祭りに行く約束したのは 昨日なのに、なんで突然今日、 そういうことを言うんだろう? 昨日はもう私と離れられないような 口ぶりだったのに。 でももうケンカをするのも嫌だったので、 じゃあ入場料もビール代も交通費も 私が払うからということで予定通り オリンピアでやってるビール祭りに 行きました。 このビール祭りって言うのは、イギリス には地ビールがたくさんあるのですが、 でもそのほとんどが小さい会社だから 一般の人にはなかなか飲む機会がなくて で、年に一度ビール祭りってのを開いて みんなで小さいビール会社を応援 しようってのが趣旨なのですが でもほとんどの人が、ビールが 飲めりゃ何でもいいよ、ってつもりで 来てたと思う。 入場料を払って会場に入ると、 ジョッキを渡されて1杯200円くらいで 好きなビールが飲めます。 好きなビールっていっても、ブースは 何百も出てるから選ぶのが大変。 なので私は行ったことがある カーディフとブリストルと バーミンガムのビールを飲んでみました。 渡されるのがジョッキじゃなくて お猪口だったらいろんなビールが ちょっとちょっと飲めて楽しいのになー、 なんて私なんかは思うのですが、 イギリスの人はビールを水みたいに 飲むからどうやらそんな風に思うのは 私くらいみたいでみんな大ジョッキで 死ぬほど飲んでます。 冗談じゃなく、会場の中で私が 一番やせてたと思う。女の人も結構 来てたのですが、みんな一様に 百貫デブで、イギリス人みたいに ビールを飲み続けてるとこうなるんだよ っていい教訓になりました。 最初はどうなるかと思ったけど、来てみたら ビール祭りもすごく楽しかったし、アラン・ リックマンも楽しそうにしてたので私は 当然のようにアラン・リックマンに、じゃあ これからフラットに戻って夕ごはん一緒に 食べるよね?と聞くと、 アラン・リックマンの態度は突然豹変して いや、これでまちゃみのフラットに行くと またまちゃみを抱きたくなるから行けない、 抱けないならきっとまちゃみに当たるから 行かないほうがいい、と言いました。 またなの? 私はばかだから目の前の人が 楽しそうにしてれば自分と同じように 楽しいと思ってしまう。 5月に別れて、でも6月からまた会うように なって、それは私はアラン・リックマンが私と エッチが出来なくてもそれでも会いたい、 そう思ってくれたからだと思っていました。 でも私とこの人は、結局お互いに求めるものが 決定的に違うんだ。もうこの人と会うのは やめよう。これ以上会ってもお互いに 傷つけるだけ。私はこの人の感情の 起伏にもうついて行けない。 そう心の中で思ってアラン・リックマンと お別れして、ハマースミスまで歩いて行く アラン・リックマンの後姿を見ていたら 涙が止まらなくなりました。 かわいそう。この人はこうやって年を 取っていくのね。出来れば私が この人を幸せにしてあげたかった。 振り向いて。 お願い、一度でいいから振り向いて。 でもアラン・リックマンは結局一度も 振り返りませんでした。 家に帰って大好きなイギリスの先生に メールを書きました。 "For the past year, I have been chasing you around the world and developed quite a disturbing life for myself. I loved it. And I'd still walk to the end of the earth if you just asked me to. But never with the same abandon. It's terrifying to walk away, but it will be thrilling too. And I think you must do what is thrilling, even if it's painful to do so. Though I couldn't see you in London, I just hope this whole year wasn't for nothing. I hope I learned something here. With all my love," 帰らなくては。 この国にいてもあなたに会えないのなら。 でもお願い、一度でいいから私のために 振り向いて。 8月9日(土) 今日はイギリス最古の都市、私の愛する アーサー王の街、ウィンチェスターって とこに行って来ました。 ウィンチェスターは鎌倉みたいに歴史のある 素敵な街なのですが、とにかくこの日は 異常に暑くてロクに観光も出来ないまま 帰ってきちゃいました。 イギリスはここのところ毎日35度を 越す暑さでこんな天気はイギリスでは 観測史上初めてなんだそう。 暑い日はたまにあるけど、それが毎日毎日 続くなんて今まではありえなかったのに。 こっちにはクーラーってものがほとんど ないからどこに行ってもものすごく暑くて 日本の夏どころの暑さではないです。 ウィンチェスターに行くときに乗ってた バスもクーラーがついてなくて、そんなバスに 35度の気温の中3時間も乗ってたから 熱射病で死ぬかと思いました。 もうイヤだー。こんなのイギリスじゃなーい! 8月11日(月) 日本の大学院事情をメールしたりしてるうちに コバチ先生から直接会って詳しい話を 聞きたいと言われ、今日先生から お茶に誘われました。 コバチ先生はウィンブルドンに住んでるので 待ち合わせはウォータールーに2時。 駅構内にあるリーフっていうカフェに行くと、 一番奥のソファで、コバチ先生が既に ビールを飲みながら座ってました。 昼間っからビール? さすがイギリス人。 でもお茶を飲むだけだと思ってた 私はビールを飲んでる先生に ちょっと戸惑ってしまいました。 私が座るとコバチ先生は『ワインで いいよね?』って早速私の飲み物を オーダーしにバーに行きました。 えっ?ワイン? ワインを飲むなんてこれって もしかしてデート? そんな、、、。そうだったんなら 最初から言ってくれないと。だって今日 私、勝負パンツはいてないし、って いうのは冗談。そんな気全くないです。 でも、先生がいなくなったテーブルの上に 目を落とすと、ブッカー賞受賞作家の アルンダティ・ロイの "The Gods of small things"が置いてありました。 コバチ先生が私を待ってるあいだに 読んでたのか、それとも私に見せる 効果のためだけにわざと置いたのか。 、、、、。 コバチ先生の真意をはかりかねていると ワインを持ったコバチ先生がゆっくり 歩いてきました。 白いシャツに先生の黒髪がとても映える。 先生は背がとても高いから混んでるバーの中でも ひときわ目立つ。 ああやっぱりカッコいいよなあ。 でも、なんだか私に自分を魅せる計算を しているみたい。 でもやっぱり気のせいかなあ。 まさかこんな素敵な人が泉ピン子似の 私にそこまでするとも思えないし、、、。 実は私はワインがニガテ。 ビールならいくらでも飲めるけど、 ワインはどうしても上手く飲めません。 でも私は、この『もしかしてこんなカッコいい コバチ先生に迫られてるの私?状態』に すっかり舞い上がってしまって、ついつい ガブガブと飲んでしまいました。 (間が持たないので酒を飲んでしまう。) 聞いたらコバチ先生はイギリス人ではなく ニュージーランド人なんだそうです。 生まれて18ヶ月でご両親と一緒に移住 して来て、大学もイギリスの大学で、仕事も イギリスで出来るけど、パスポートはいまだに ニュージーランドのを使ってるんだそう。 申請すればイギリスのも取れるそうなんですが めんどくさいからしてないとか。 じゃあ先生は自分をイギリス人だと思う? ニュージーランド人だと思う? ニュージーランド生まれだけど、ほぼ人生の ほとんどをイギリスで過ごして、でも言葉は 同じ英語、両親はニュージーランド人、でも 自分のともだちはみんなイギリス人なんて、 それって日系アメリカ人とか、インド系 イギリス人とかより、かえって混乱しそう。 でも先生によると、文化的にはイギリス人 だけど、自分的にはどこの国の人間でも ない、って感じるそうです。今年の5月に ニュージーランドに行ったそうですが、 自分の国だとは感じられなかったそう。 でも確かに言われてみればコバチ先生は イギリス人ぽくないかも。最近、イギリス人と 付き合うのに疲れてきてるし、私には ちょうどいいのかな。あれ?ってことは 私もその気になってきてるのかな? コバチ先生は、あまりカラン・メソッドに執着 しない型破りの先生なので、元々学校とモメる ことが多かったところに、先生と仲の良かった 太ったマイケルがクビになり、(知らなかった、 ジョンに続いてマイケルもクビになってたとは!) 私が学校とモメたのを聞いて、もうこんな 学校辞めてやる!と思い立って突然 勝手に辞めたんだそうです。えーっ! なんかちょっと責任感じるなあ。 で、先生は来月にお友達が最近バンコクで 始めた英語学校の手伝いに行くので、 そのあと日本に行こうかなあって 思ってるんだそう。 まちゃみは9月に帰るの? 11月には日本に行くと思うから じゃあそのとき会えるね、とコバチ先生。 いやー、あなたは日本に来たら めちゃくちゃモテるだろうからきっと 私になんか会ってるヒマないよ、 と言うと、コバチ先生は、 『そんなことないよ!僕はまちゃみに 東京で会いたいよ!』と熱く語り お互いにちょっと離れてソファに並んで 座っていたのがいつのまにか、コバチ先生の 手と足が私の足の間に入ってます。 うーん、これってちょっとまずいような。 でも私の勘違いだったら自意識過剰じゃん! って言われそうだし。 それから6時間程カフェで飲み続け 空けたワインは全部で5本。さすがの私も ふらふらになって来ました。 それでコバチ先生が私のフラットまで送って くれたのですが、お家に上げるわけには 行かないので、取りあえず下のパブ、 ドルフィンに入りました。 で、結局もう1本ワインを注文し、 ひたすら飲み続けていると、カウンターの 奥の方でコバチ先生が何かモメています。 何かと思って聞いてみるとコバチ先生が 自動販売機にお金を入れたのに、 コンドームが出てこないとのこと。 えっ?!コンドーム?! 何でコンドームなんか買ってるの! いやーっ! もう恥ずかしくてもうこの店には 来れない! なので逃げるように自分のフラットに 戻って取りあえずコバチ先生には お茶を出して、平静を取り戻しました。 うん、やっぱり取りあえずイギリス人には 紅茶を出しとけばどうにかなる。って、あ、 コバチ先生はイギリス人じゃないんだった。 キッチンのテーブルをはさんで(←一応 テーブルを挟んで身を防御のつもり) 二人でお茶を飲んでるうちに学校の 話になり、コバチ先生から、シルヴィアが あんまり好きじゃなかったという 話を聞きました。 えっ、それはちょっとびっくり。 だって午後の授業はいつも3人で 楽しく過ごしてたのに。 コバチ先生は授業中質問だけを言って、 答えは生徒たちに好きに言わせてくれてた のですが、シルヴィアの回答があまり にも酷いので先生は毎回職員室に戻る たんびに爆発してたんだそう。 生徒が英語が出来ないのはもちろん 許せるけど、コバチ先生は、シルヴィアが 何か面白いことを言おうとして、失敗して 逆につまらなくなってるのが頭悪くて 大嫌いだったんだそうです。 『シルヴィアさえいなければまちゃみ と二人きりでレッスンが出来るのに』 ってずっと思ってたんだそう。 でも明日でシルヴィアは学校を辞め ちゃうんだよ、と言うとコバチ先生は 『えっ?じゃあまちゃみと二人でレッスンが 出来るの?じゃあ僕、学校に戻るべきかな?』 と言うので私は、『もし先生が戻ってきて くれたらうれしいけど、、、』、と途中まで言いかけると コバチ先生がいきなり立ち上がって 私にキスしてきました。 えっ? きゃー。コバチ先生っ!ちょっと待って。 『ずっとまちゃみとこうしたかった。 まちゃみと初めて会ったときから。』 えっ?いや、ちょっと待って、突然 そんなこと言われても困る。 だって私、コバチ先生のこと そういう対象として見てなかったし でも先生は私が何かを言う前に 私を椅子から無理やり立たせて またキスして来ました。 『まちゃみは僕のことが嫌い?』 え?いや、嫌いじゃないよ、嫌いじゃない けど、でも、、、 先生は私の答えを待ちません。 『僕は初めて会ったときから まちゃみを抱きたいと思ってた』 え?えーっ? 私を抱くって、、、 顔にキスされて、首にキスされて 手首にキスされて ちょっと待って。 お願いだからちょっと待って、コバチ先生。 だって私、コバチ先生の誕生日さえも 知らないのに。 『1972年の6月6日だよ。』 背の高いコバチ先生に抱きしめられると 私の足は簡単に宙に浮いてしまいます。 身動きが出来ない。 『他に僕の何が知りたいの?』 と、先生が私にキスしながら、私を 見下ろしてにっこり笑いました。 他に何が知りたい? 私はもう何も考えられませんでした。 8月12日(火) どんなに酔っ払ったとしても朝は 真面目に学校に行く私。昨日寝たのが 夜中の2時でも朝にはちゃんと6時に 起きて学校に行きました。 でもさすがに昨日ワインを6本も空けた だけあっていまだに酒が抜けてません。 完全に酔っ払ってます。 朝の1時間目はポーランド人の彼女が いる先生。酔っ払ってるし、元々私が大好きな 先生だからか今日は先生のやることなすことに 性的なモノを感じてドキドキしちゃいました。 で、よりによって先生が偶然紙で指を 切っちゃって、で、先生がその指をしゃぶりながら 私に向かってにっこり笑ったものだから、私は、 くーっ、たまらん!止めてくれ!ってかんじ。 なので質問に当たっても恥ずかしいのと 酔っ払ってるのとで語尾が全て『うひゃひゃひゃ』 になってしまいました。 するとさすがに先生もどうしたの? って聞いてきたので、 "I am ridiculously drunk and equally horny." って言ったら、先生は大笑いしながら、 そういうことだったら僕が喜んで手伝う からいつでも言ってね、って言ってました。 授業の後、先生としばらく廊下で立ち話して、 私はそのあとそのまま乗馬に行く予定だった のでトイレに行こうとしたら、先生が私に、 "Enjoy yourself" と言ったので私は絶叫しちゃいました。 『違ーう!私はそんなことしなーい!』 酔っ払って馬に乗ったらもしかして 酔っ払い運転?と思いつつも しっかり乗馬してきました。 私って元気ー。 8月13日(水) 毎日学校に来るって約束した 朝の生徒たちが早くも脱落。 私の元彼に似た先生は、クラスを存続 させるためにいろいろ努力したのに、 たった1週間で生徒が早くも来なくなったから かなりショックを受けてました。 かわいそうに。 でも外国人が毎日学校に来るなんて約束を そもそも守ると思った先生に私は個人的に よっぽどびっくりよ。 コバチ先生が逃げちゃったので 今、午後のクラスは耳の無い 先生が代わりに来ています。 この先生はたぶん子どものときに火事か 何かにあったんだと思うのですが、首から上が 溶けてて、顔がケロイドになった赤いところと、 きれいなままの白いところでまだらになってて 耳がありません。 毛根も一緒に焼けちゃったのか、髪は耳の (あ、耳があったところと言うべきか。)後ろの ところにちょっと生えてるだけで、だから頭は むきだし。 私も初めてこの人にあったとき衝撃と恐怖で 声を上げちゃいそうになったほどだったんですが (もちろん実際にはそんなひどいことはしなかった けど)でも周りの生徒の中には露骨にこの先生を 嫌ってる人もいます。 でも話してみたらこの先生はなんとオックスフォード 大学の学生らしく、大好きなイギリスの先生に少しでも 関係のある話なら何でも聞きたい私、色々大学の話を この先生に質問してるうちに、すぐに仲良くなりました。 ところがそのうちに、この先生が聞いてもいないのに オックスフォードの自慢ばっかりするようになってきて、 それも 『自分の同級生は金持ち』とか 『オックスフォードの学生だとパー ティーで芸能人に会える』とか、 頭がいいのを自慢するのは許せるけど、 人の威光を借りた自慢は許せないなー、 と、最近は私もむっと来てて、顔が醜いから じゃなく、この先生と距離を置くようにしてました。 でも、今日は生徒が私だけだったので、先日 私がお酒を飲みに行った話になり(なんたって 酔っ払って学校に来て、まちゃみがHorny だったんだよ!って先生中の話題だったので) この先生が、 『実は俺、最近彼女と別れたんだよねー』 って私に言ってきました。 えええっー?彼女?こんなに醜いのに 彼女がいるの?! って私はものすごく驚いたのですが、 さらにその別れた理由っていうのが、 この先生は仕事でロンドンにいつもいるから、 実はロンドンにいるのは仕事のためじゃなくて 他に女がいるからじゃないか、って彼女が嫉妬に 狂い始めてそれが嫌になったからなんだそうです。 『えーっ!』 こんな醜い人の彼女になるだけでも私は びっくりなのに、誰かに取られるんじゃないか、 ってその人が嫉妬に狂うなんてさらにびっくり! 頼まれたって誰もこの人とは付き 合わないと私は思うんだけど! 『お金持ちのお嬢さんだからわがままで、 前から別れたいって思ってたとこだったし ちょうどいいから捨てたよ。』 なんて先生が追い討ちをかけるのでさらに 『えーっ?!』 こんなに醜い人と付き合うだけでも心の優しい 素晴らしい女性だと私は思うのに、さらに金持ち だなんて!そしてそんなに素晴らしい人を 自分から捨てるなんて! こういうことを言うと、じゃあそういうお前の顔は そんなに美しいのか、って言われそうだけど、 ええ、美しくないですよ私の顔は。なんたって 泉ピン子ですから。でもそれはさておき、 この先生の顔はかっこいいとか悪いとか そういう主観的な問題じゃないと私は 思うのです。だって顔が溶けてて耳もなくて 髪もないんですから。 たとえ先生の顔がブラッド・ピットでもその 外見に美しさを見つけるのは難しいはず。 でも、うちのクラスの生徒たちはみんな 優しいからか先生が彼女の話をしても、 私みたいに『えーっ?!』とか言わないし、 (私ももちろん心の中で思うだけで実際には 声に出してませんが)淡々と話が進んでいくので、 私はいきなり不安になりました。 もしかしてこの人が醜く見えるのは 私だけなのかも? 私の心が醜いからこの人が醜く見えるだけで、 もしかして他の人にはこの人は普通に カッコ良く見えるのかも? 考えてみれば(自分ではそうは思わないけど) 私は周りの人によくまちゃみは変わってるって 言われるし、 常に自分が客観的だと思ってたことが、必ずしも 正しくはないのかも、って、この先生のおかげで 自意識が揺らいできました。すげえ不安。 私の美意識って?客観性って? でも一番恐ろしいのはこの先生が 私のことを好きらしいということです。 今日学校に来たのは私だけだったので この先生とずっと二人で話してたのですが 『まちゃみはボーイフレンドはいるの?』とか 『まちゃみの性生活はどうなってるの?』とか 『僕、彼女と別れてさびしいんだよね』とか いろいろセクハラまがいのことを 聞かれてムシズが走りました。 私がこの先生にオックスフォード大学のことを 色々聞いたのは別にこの人に興味があった からではなくて、大好きなイギリスの先生に 興味があったから。 でも自分の大学生活のことを根掘り葉掘り 聞いてこられたらそりゃ自分のことが好き なのかと思っちゃうよね。 『もしかしたらこの人は意地悪な魔女に 魔法をかけられてしまった可哀想なカエルの 王子様で、もし私がこの人にキスしてあげたら この人は元の美しい王子様の姿に戻れるのかも?』 って一瞬だけ思ったのですが、決して外見 じゃなく私にはどうしてもこの人の中身が 王子様だとは思えないので 『間に合ってます』 とだけ言っておきました。 で、かなりうんざりして学校からバスでカエル、 あ、じゃなかった、帰る途中で、バスに 乗ってた車掌さんが私に近寄って来て、 『君は美しい、結婚してるのか?』 って突然聞いてきたので 『してない』って答えたら 『頼む、僕と付き合ってくれ』って いきなり手を取られてキスされて 電話番号を渡されました。ぞぞぞー。 なんか今日一日で私は汚れたような 気がするわ。 こんな風に私が誘われるのは、私が醜いから 醜い人たちに、この程度の女だったら俺にでも 手が入るだろうって思われて声をかけられるのかな そう思って、ドーンと落ち込む、、、。 8月15日(金) 8月7日に大好きなイギリスの先生に 日本に帰ることをメールしてから先生からは 全く返事がなかったのですが、今日学校から 帰って来てみるとメールが来てました。 "hello, i suppose then, if you are to leave in September, i should do the right thing and meet up with you beforehand. hmmm, doing the right thing? ive heard it mentioned, hushed whispers in long, sterile corridors. love" 、、、。 『正しいことをする』 やっぱり先生はわざと私を避けてて、それを 悪いと思ってたんだ。なんで避けてたんだろう? 私が嫌いだから?だったらハナから私に なんかかまわなければいいのに。それとも やっぱり会ったら一線を越えてしまうから? わからない。 先生が今どこで何してるのかもわからない。 私は明日からパリに行きます。 パリにはもう何度も行ったことがあるし 特にパリに行きたいわけじゃないけど ユーロスターに乗ってみたかったのと、 ユーロスターは1ヶ月以上前に予約すれば 往復たったの1万2千円でいけるので、 ロンドンにいるうちに一回行ってみようと 思って7月中に決めてたのです。 先生は今パリにいるの?それともロンドン? 先生がパリにいるんなら会いたいけど、 もし明日ロンドンに帰って来るんなら パリなんか行かなくたっていい。 どうしよう。 ロンドンで先生を待つべき?それとも どうせまたすっぽかされるんだから 予定通りパリに行くべき? 今日中に先生から連絡がなければ またもやすれ違ってしまう。 もういやだ。どうしていつもこうなの。 どうしてこういつも、私が前に進もうとすると、 先生からそれを引き戻すようなメールが来るの。 いくら陳腐な月9のドラマだって、 ここまではしないよ、、、。 でも私は今からあと30分でコバチ 先生に会いに行かなくちゃいけません。 そして今日はきっと彼に眠らせてもらえない まま明日はフランスへ。 自分のまわりで大きな運命が動いてる気が するのに当の自分はどうすることもできない。 大好きなイギリスの先生には、 "Why am I so mentally intrigued by you? I want to know what you are thinking, how your mind works, want to be your friend and gain the respect and admiration that is only doled out to other people." とだけ書いてメールを送りました。 コバチ先生が住んでいるのは チェジントン・サウス・ラインのトゥルワース というところ。 距離的にはウォータールーからでもそんなに 離れてないけど、でもチェジントン・サウス・ ラインの本数があんまりないので着くまでに ものすごく時間かかりました。 なので、途中で、『家遠すぎ』 と、先生にメールを送ると、 "Yes but I am the end of your journey! See you soon my sweet" って返事が返ってきました。 "my sweet"? やっぱり私はコバチ先生の彼女なの? 駅に着いて、コバチ先生の家の近くの パブでまずは一杯。 この前の今日なので、私は恥ずかしくて なんだか先生の顔が見れません。 しばらくは学校の話なんかをして たわいない会話をしてたのですが、 私がいい感じに酔っ払った頃に コバチ先生がタイに出発する日が 決まったと言いました。 いつになったの?と私が聞くと、 コバチ先生は『月曜日』。 『えっ?月曜日って今度の月曜日?』 『そう。今度の月曜日。』 『えっ?じゃああなたとはもう今日で 会えなくなるの?』 と私が驚いて聞くと、コバチ先生は、 『この国ではね。』、と、にっこり。 そんな、、、。私は自分が帰国する 10日までは先生と一緒にいられると 思ってたのに、、、。でもコバチ先生は 『だってまちゃみとは東京で再会できるし、 バンコクにだってまちゃみ来るよね?』 って、妙に自信ありげです。 がーん、、、。 バンコク、東京、ロンドン、パリ、、、。 もう私の頭の中は世界地図でめちゃくちゃ。 私は一体どこに行ったらいいの、、、? それからコバチ先生の家に行って しばらく過ごしたあと、ウォータールーに 戻る最終電車に間に合うよう駅に 向かいました。 この日は天気が良かったので、もうすぐ 地球に大接近する火星がもう既に ずいぶんと大きく見えました。 もしかしたらこれでもうコバチ先生に 会えなくなるかも知れない大切な時なのに 私はこのとき、 『ロンドンは星が見えないからやだな、 都会でも星が見える東京に帰りたいな。』 なんて、考えてました。 日本の就労ビザは基本的に、国外で 取得しなくてはならないのですが、 駅のホームで待っているときにコバチ先生が、 日本の就労ビザを取るためだけにロンドンに 一度戻らなければいけないのはめんどくさいな、 日本でも直接ビザを取れるんじゃないかな、 とずっと言っていたので、 そんなの無理じゃん!と心では思いつつも 私が冗談で、『そうだね、最悪私と結婚すれば ビザも下りるしね。あはは。』ってふざけると、 コバチ先生は真剣な顔をして、 "Let's do it!" って言いました。 えっ? 『結婚しよう。子どもはどうする?』 えっ?子ども? 『子どもはいつかは欲しいけど、、、』 『じゃ、作ろうね。』 えっ? 『まじですか?』 『僕はまちゃみとの子どもが欲しいよ。僕と まちゃみが結婚するのはすごくいい案だと思う。 結婚しよう!バンコクで待ってるから。』 えーっ?! そこに無情にも最終電車が入ってきました。 『じゃあ詳しいことはメールするから』 えっ?詳しいことって?まさか結婚の? 驚いて何も言えない私を抱き上げて コバチ先生は私を電車に乗せました。 そして電車の扉が閉まる直前に コバチ先生は私に、 "Kiss me" って言いました。 『約束だから』 約束?コバチ先生と結婚する約束??? 勢いに押されて先生にキスすると ちょうどそこで扉が閉まって電車が ゆっくりと動きだしました。 呆然としながら私がホームに残る先生を 見つめると、コバチ先生は一度も振り向かずに 帰って行きました。 8月16日(土) ウォータールー7:48発のユーロスターに 乗るために朝6時にフラットを出発しました。 でもホルボンからウォータールーはとっても 近いので、バスで行っても6時10分には ついてしまい、(飛行機じゃないんだから こんなに早く来なくても良かったのね、、、) 駅構内のマックでしばらく時間をつぶす ことにしました。 お茶とハッシュポテトを買って ちょっと一息。 コバチ先生は私にプロポーズしたまま 月曜にはバンコクに行ってしまう。 大好きなイギリスの先生は私に会う約束 だけしてどこにいるのかはわからない。 そして私がロンドンにいられるのはあと3週間。 どうしよう、パリに行くのを止めようか。 もしかしたら大好きなイギリスの先生から 連絡が入るかもしれないし、それにロンドンに いればコバチ先生とあと2日は一緒にいられる。 でもここでロンドンに残ったとして、もし 大好きなイギリスの先生が今パリにいて、 今日の夕方エッフェル塔の前で待ってるよ、 なんて連絡が先生から来たら私、もう 生きていけない。 でもここで止めたらきっと私がユーロ スターに乗ることは二度とない。 それにロンドンにはいつでも来れるけど、 ヨーロッパがあんまり好きじゃない私は 今行かなければパリに行くチャンスは きっともうない。 ああ、どうしよう。もうちょっと時間が欲しい。 なんで9月に日本に帰ることにしたんだろう。 でも、コバチ先生がバンコクで私を待ってる。 日本に帰ってバンコクに行かないと、、、。 一人で思い悩んでいると突然 酔っ払いに話しかけられました。 『お前、日本人か?』 むっ、朝の6時から酔っ払って失礼な。 『そうですけど?』 『お前の好きな音楽は何だ?』 は?何でそんなこと聞くの?ナンパ? 『オアシスですかね?』 『オアシス〜?ちょっと古くないか?』 『でもビートルズって言うよりはマシでしょ?』 『確かに』 『俺は埼玉に行ったことあるぜ』 『そうなんですか?』 『つまんないとこだよな、もう二度と行かねえよ』 『そうですね』 『でも横浜は良かったな、横浜ならもう一度 行ってもいいな。』 埼玉?横浜? よく見てみるとこの酔っ払いさんは サッカーのユニフォームを着ています。 『日本にはもしかしてワールド・カップを 観に行ったんですか?』 『もちろん。だってそれ以外に 日本に行く理由があるか?』 、、、、。 そうか、日本に行く理由なんて ワールド・カップ以外ないんだ。 私が日本に帰らなきゃいけない理由 なんてない。今ならまだ日本に帰るのを 止められる。ロンドンに残ろうか。 この一見ただの酔っ払いに見えるフーリガンは もしかしたら神様が送ってくれた私の天使 なのかもしれない。 パリ行きのユーロスターが出発するまで あと45分。どうしよう、私はどこに行ったら いいんだろう。 8月16日(土)続き ユーロスターの改札は長蛇の列。 取りあえずのんびり考えてるヒマはないので 列に並びつつパリに行くかギリギリまで 考えることにしました。 列に並んでる人たちはパリで過ごす週末に うきうきしてます。でも私にとってはこのパリ行きが 自分の将来を決めるかもしれない瀬戸際。 どうしよう。やっぱりロンドンに残って コバチ先生と結婚の話を進めようか、、、。 結婚?コバチ先生と?あまりにも突然な 話を今すぐ決めなくてはならないなんて 考えただけで気が遠くなりそう、、、。 やっぱりパリに行こう。 コバチ先生には遅かれ早かれまた会える。 ここはやっぱり大好きなイギリスの先生が 今パリにいて、私がパリにいる間に先生から 連絡が来るということに賭けよう。そもそも この一年は先生を待ち続けた一年だった のだから。 行き先さえ決めてしまえばあとは 後ろを振り向かずに前進あるのみ! パリはユーロスターでたったの3時間。 私みたいにウォータールーのそばに 住んでる人はパリなんて東京から大阪に 行くみたいなもの。 というわけで、パリに行ったら何をするか ガイドブックを見ながら考えてると、あっと いう間にユーロスターのパリ側玄関、北駅に 着きました。 わー!フランスだー! 同じ外国でもやっぱりイギリスでは言葉が わかるだけにあんまり外国って気がしないけど、 ここでは周りの人が何言ってるか全然 わかりません!楽しい! ♪ぼーっけん!ぼーっけん!シンドバッド! (↑私が未知の国に旅立つときにいつも歌う歌) 私が予約したホテルはサン・ジェルマン・ デ・プレにあるプチ・ホテルです。 ルーブルにもノートル・ダムにもすぐ行ける とっても便利でこじんまりしたホテル。 パリはロンドン並みに地下鉄が発達している のですが地下鉄に乗るのが嫌いな私は パリでももちろんバス派です。 パリのバスはルートごとに色分け表示されてるので 言葉がわからない人にもわかりやすく どうやら目的地のサン・ジェルマン・デ・プレ までは東駅から直通のバスが出てるみたい なので東駅まで適当に歩いてみることに しました。 私が唯一人様に誇れる特技、それは方向感覚! 私は星を観るのが大好きなので磁石が なくても空を見れば太陽の位置で 東西南北がわかります。 今いるのが北駅で東に行きたいんだから こっちだろー、と適当に歩いて行くと ばっちり東駅に着きました。ふふふ、方角の ことは私にまかしてくれたまえ、ワトソン君。 東駅前のバス停はターミナルになってて バスを待つ人がたくさんたむろしてます。 私が乗ろうとするバスは既にバス停に止まって いたのですが、中にドライバーさんがいないので 乗っていいのかわかりません。 でも私が一人でバスを待っているとフランス人の プータローたちがピーピー、声をかけてきます。 うるさいっちゅうねん! しょうがないのでバスの中に入って 待つことにしました。どうせもうすぐ出発の 時間だしドライバーさんが来たらその時点で お金を払えばいいや、と思ってるところに ドライバーさんがのんびりやって来ました。 それも手にマックの紙袋を持って。 あ、お昼のお弁当を買いに行ってたのね。 どうやら運転しながら信号待ちのときに食べる みたいです。コーラはもう飲んじゃってます。 パリを走るバスは長さはあるのですが 1階建てなのでロンドンから来た人間には とって小さく感じます。ちょうど日本のマイクロ バスが2台つながって1台になったイメージ? でもその分ステップが低いし、お年寄りには 乗りやすくて良さそう。 でもパリのバスが小さいのには他にも理由が あってそれはパリのバスは大通りだけじゃなく 一方通行のものすごい細い道まで走るのです。 窓際に立って外を見てると建物の壁に ぶつかりそうなくらい狭い道もすいすい。 おー、スペクタクル! で、パリにはアーチが多くて、それもかなり低い アーチが多いのですが、それを小さなバスで 抜けるとジャーン!ルーブル美術館! とか、 細い道をぐるぐる回ってった先にはジャーン! サント・シャペル! とか、バスに乗ってるだけでかなり楽しめます。 で、そんなこんなで楽しく車窓観光をしながら サン・ジェルマン・デ・プレに着いて、ホテルの フロントに行ってみるとなんと私の予約が入って いないとのこと。え?マジですか? 『ウイ、マドモワゼル♪』 『ウイ』ってあなた、そんなに明るく、、。 でも私は予約の確認書を持ってなかったので、 どこかでインターネット・カフェを探して予約の 確認書をプリントアウトしなければなりません。 なので、フロントのムッシューにホテルから 一番近いインターネット・カフェまで行く道順を 紙に書いてもらったのですが、その地図は フランス語で殴り書きしてあったので 私には何て書いてあるのか全くわからず。 でも、『こんな字、読めるか!』とは言えない 小心者の私。にっこりお礼を言って取りあえず 行ってみることにしました。 ええと、 rue がなんとか通りだから、あれ? でもここがこの道だとすると、、、??? いいや、誰かに聞いちゃえ! 私はどの国に行っても常にその国の言葉を 話します。それになんたってここは、ほんとは 英語がペラペラなのに決して英語をしゃべろうと しないことで有名なフランス人の国! で、近場にいたおしゃれなムッシューに 道を聞いてみました。もちろんフランス語で。 『えくすきゅーぜ・もわ。あたちはこのにちに いきらいのれ、ついまてんが、おちえてくらさい。 しる・ぶ・ぷれ?』と、私が言うと、ムッシューは、 『、、、、?君、英語しゃべれる? え?しゃべれるの? じゃ、英語で言ってくれるかな?』 がーん、英語嫌いで有名なフランス人に 英語で言ってくれと頼まれてしまうほど 私のフランス語は酷いのね、、、。 でもこのムッシューのおかげでなんとか インターネット・カフェにたどり着きました。 受付のおしゃれなお兄ちゃんに、インターネット とプリンターを使いたいんだけど、と言うと (もちろん英語でね)、お兄ちゃんはカウンター から一歩踏み出して、『君の好きなところを 使っていいよ、マダム』と、私ににっこり。 さっきのムッシューのときも思ったけど、 フランスの男の人はほんとにおしゃれ。 なんでもないスカーフをさらっと首に巻いてたり、 シャツをいい感じに着崩してたり、ほんと カッコいいです。で、なおかつ、人との距離の 取り方が狭い。 話すときは必ず一歩手前に乗り出してくるから 慣れてない私なんかは途端に迫られてる 気になります。 なので思わずお兄ちゃんに、「え?今、 『君のためなら死ねる』って言ったの?」 って聞き返そうになっちゃいました。 (↑言ってません) むむむ。 さすが愛の国、フランス。 何を言われても口説かれてるような。 無事、予約確認書も取り出せて、 荷物を置いて観光のスタートです。 まずはオペラ座に行きました。 私の好きな映画の一つに、ジャン・ジャック・ ベネックスの、『ディーバ』があります。 デラコルタの原作では主人公のジュールが あこがれのオペラ歌手、シンシア・ホーキンスと オペラ座の天井画、シャガールの夢の花束 の下でエッチをするのですが、(映画では その場面は出てこない) 私はずっとこの夢の花束が見たくて前回、 前々回とパリに来たときもオペラ座に来た のですがどっちのときもオペラの開催中で 中に入れなかったのです。 それが今回、ついに観られる! 初めて中に入ってみたオペラ座は建物 そのものも芸術品って言えるくらい美しい。 イギリスの建物ももちろん美しいけど、どちら かといえばイギリスの建物は質実剛健で、 でもフランスの建物は絢爛豪華。 きっと専門の人が見れば違うんでしょうが、 私みたいな素人が見る分には地味なイギリスが ちょっと可哀想になっちゃいます。 で、実際観てみた夢の花束は 想像以上に美しかったです。 来てよかったー。 8月17日(日) 夕方、私が銀行のATMでお金をおろしていると 女の子が私のかばんを見ながらずっと あたりをうろうろしています。 何? 私がお金をおろした途端ひったくるつもり? でも泥棒にしてはずいぶんおしゃれな女の子だな。 いやいや、まちゃみ、外見にだまされてはいけない! なんたってここはスペイン、イタリアに続いて 泥棒が多い国フランス。と、女の子の視線を感じつつ かなりビクビクしてお金をおろすと、案の定女の子が 『”#$&()?』とフランス語で話しかけてきました。 ひえー。 もちろん私には何言ってるのか全くわかりません。 やっぱり、『金持ってんだろー、ほらジャンプ してみろよー』って言ってんのかな? ひえー。女の子にお金巻き上げられたなんて 恥ずかしいから周りには、『5人組の男に襲われた』 って言っとこう、なんて私が考えていると、女の子が 『英語話せる?』って聞いてきました。 おびえる私は何も言えずに頭をぶるんぶるん。 今度は英語で、『あたし、金に困ってんだよネー、 キフしてくんない?カレシに捨てられちゃったシー。』 なんて言われるのかなと思って思わず 目をぎゅーっと閉じると、(←日頃の言動と 違って気弱な私。見事な口だけ番長ぶり) 『そのかばんどこで買ったの? すごくかわいい。私も同じの買うからお店の 名前教えて!』 はっ? 私のかばん?私のかばんはバーバリーの ブルーレーベルだけど、、、。 あー、私のかばんをずっと見てたのは メーカーの名前を聞きたかったからで、それで 私がお金をおろし終わるまで話しかけるのを 待っててくれたのね。なーんだ、泥棒じゃなくて この子はおしゃれ泥棒さんだったのね。 さすがフランス。 こんな風にパリでは、その洋服かわいいね、 どこで買ったの?とか、そのかばんはどこの? とか、知らない人に突然話しかけられる ことがめちゃくちゃ多かったです。一人旅なのに 誰も私を放っておいてくれない。 クレープを買うだけでも会話が始まっちゃうの。 これで私がフランス語出来たらきっともっと 楽しかったんだろうなあってほんと思いました。 私がパリに来るのはこれで4回目だったのですが 今までパリなんて好きじゃありませんでした。 でも今回来てみたら建物はキレイだし、 食べ物は何でもおいしいし、おしゃれな お店もたくさんあるしで、2日しかいれない のが残念だったくらい! どうせ留学するんだったらパリにしとく んだった!って本気で後悔したほど。 念願だったオペラ座のシャガールの 天井画、夢の花束も観れたし、悩んだけど パリに来てよかった。 でも帰りのユーロスターでビッグベンと ウェストミンスター・アビーが見えたときは やっぱり感動しました。 ここよりきれいな街はたくさんある。 でもロンドンだけが私にとって特別な意味を持つ。 I realised how much London has made me who I am. I am incomplete without it, I was stranded and needed to come back to figure out why this place matters. 私が永遠にいたい街、 そしてすぐにでも逃げ出したい街。 ********* 私がこのHPを立ち上げてから 2年半が経ちます。 プライバシーに関することもあって、 書き足りないところもあったけど 基本的にここに書いてあることは事実です。 ロンドン日記はほぼ毎日更新してたこともあって、 皆さんから思ってもいないたくさんのレスポンスを 頂いて私はとってもうれしかったです。 でも、意外な展開が連続の私の日記、 読んでくださる皆さんから 『明日はどうなるのか早く知りたい!』とか 『まちゃみさんの日記を読んでて泣きました!』とか 『私もロンドンを旅してる気になりました!』 なーんて言われると、うれしい反面、 ちょっと待って、という気持ちにもなりました。 なぜならこれは私の日常であって、明日がどうなるか なんて明日にならなければ私にもわからないし、 私の日記は私の人生であって、まるで自分の人生を 歩んでいるかのように他の人に読まれることに 驚きと違和感を感じたからです。 じゃあ誰に頼まれたわけでもない日記を 何故自分はインターネット上で発表しているのか? 勉強の備忘録?書くのが好きだから? それとも自分はこんなに英語がしゃべれるんだという 自慢がしたいだけ? 5月に、私が友達だと思っていた人たちが 全て私の前からいなくなって私は全く 日記が書けなくなりました。 さみしすぎて悲しすぎて、たとえそのことを 日記に書いたとしてもそれがいくら事実であれ、 誰がこんな文章を読みたいだろう? そう思いました。 そもそも私は、一体自分が日記を書いているのか 現実を生きているのかわからなくなるときがあります。 テレビを観ることと本を読むことが一番好きな私、 基本的にはいつでもおうちにいたいのに、 でもいつしか日記に読者の方からたくさんの レスポンスをもらううち、 今日は何もしていないから何か日記に書けるような ことをしなくちゃ、とか、これをやったらきっと日記に 面白いことが書けるな、とか、そんないやらしいことを 考えて、たいして興味もないことをわざわざした ことさえあります。 知らず知らずのうちに日記を書くことが自分への プレッシャーになって、時にはまるで日記を書く ために生きているような気さえしてきました。 一日の終わりに日記を書くのではなく、 朝起きてまず頭の中で日記を書き、 その日記のとおりに一日を過ごすのです。 もし日記を書いていなかったら果たして 私は乗馬をやっていたか? お金も労力もかかるのにそもそも私は そこまで馬が好きだったか? もし日記を書いていなかったら果たして 私はイギリスに1年間に4度も来ていたか? この日記を書いていなかったら、7月の時点で 大好きなイギリスの先生に会えなかったとき きっとそのままあきらめていたのではないか? 9月に戻って来ることを決めたとき、『これで私が 先生と再会出来たらきっと日記の読者が喜ぶだろう』 そんないやらしいことを、一度でも考えなかったと 断言できるか? 私は考えました。 私は、私の日記に入り込む読者の方の レスポンスに違和感を抱きながら 結局私も同じことをしているのではないかと。 私は現実を生きているのか? それとも日記の中に生きているのか? 現実と日記がごっちゃになってるのは 私も読者の人たちと同じではないのか? でも果たしてそこに何の差があるんでしょうか? 私はもうすぐ日本に帰って、ロンドンで たった2日間会っただけの人に会いに バンコクに行きます。 コバチ先生を愛しているとか、これが運命だった! とか、そんなふうには絶対に思わないし、 ひとめぼれしたオーストラリア人の先生や 大好きなイギリス人の先生のことを 忘れたわけではありません。 でも、きっと私が小説を書くなら、私はここで 自分をバンコクに行かせると思うのです。 だってそのほうが面白いから。 『面白いから』 そんなことで将来を決めるなんて 頭がおかしい?滅茶苦茶すぎる? でも、結局は誰だって、『自分の人生』という小説を 自分で書いているのだと私は思うのです。 違いはそれを実際に文字にするかしないか のだけのこと。 自分が期待してたほど今回の私のロンドン 留学日記はハッピーなものにはならなかった。 学校に幻滅し、去っていったともだちに傷つき、 1、2年住むはずだった予定が、たったの7ヶ月で 終わるハメになった。 途中で挫折して日本に帰る留学日記なんて 聞いたことないですよね。普通は失敗したら 恥ずかしくてわざわざ書かないだろうから。 でも私はこの日記をハッピーエンドで 終わらせることに決めました。 それは上手く行かなかった留学生活をウソを 並べて楽しげに飾る、ということではなく、 私が主役の小説の作者として、自分を 幸せにしてあげることに決めたのです。 皆さんがこの日記を読み終わる頃には 私は既にロンドンを離れてバンコクで 彼と再会しているはず。 そして彼と子どもを作って日本でなり、 イギリスでなり、幸せに暮らす。 荒唐無稽な話ですよね。 もしかしたらバンコックで彼に振られる かもしれないし、妊娠できなくてつらい 思いをするのかもしれない。 これを読んでる人はきっと、そんなバカな話 上手くいくわけがない、って思っていることでしょう。 でもこれから私に何が起きるにせよ、 起きないにせよ、私は私がここで出会って 愛して別れることになった人たちの想い出を 大切に心にしまって私は生きる。 だって私がそう決めたのだから。 終わり |
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