「慟哭」



泣いた。

ひとりきりで 泣いた。

声を殺して 泣いた。

ひとの一生は天秤のようなものだから

幼いころからそうやって泣いていた人間は 大きくなったらきっと「幸せ」になれるのだと

ひとりよがりに信じてた。


でも

「大人」になった 現在(いま)でも

ひとりきりで 泣いている。


泣ける時間があるだけ 幸せなんだよね。

泣ける余裕があるだけ ドン底じゃないんだよね。


ヘンな慰めを 言い続けて


ただ 泣いて 泣いた。


だけど。


こんな想いをするくらいなら。

負けていい。
嘲笑(わら)われていい。
蔑(さげす)まれていい。

ぜんぶ終わってかまわない。

投げ出すから どうぞ迎えにきてください。

行く先が たとえ 地獄でも。


叫びは決して 天に届かず

今日も泣いて わたしは 生きてる。



06/06/24