10月13日(日) 10月14日(月) 10月15日(火) 10月16日(水) 10月17日(木)、10月18日(金)

10月13日(日)
コペンハーゲンで7時で真っ暗って書いたが、フランスへ来ると7時半でも真っ暗なんですけど。(真っ暗って、ほんとに真っ暗。薄暗くもない)これでいいのか、ほんとに。
今日は、朝からリール近郊のサイトを視察。なんだか時間がかかってしまい、今日は俺だけ再びアムステルダムに戻らないといけないので、そのままシャルルドゴール空港まで戻って昼飯を食べながら打ち合わせをすることに。で、結局そのままシャルルドゴール空港からアムステルダムへ飛んだので、フランスへは行ったもののただひたすら畑を見て、サイトを見て、で、またただひたすら畑を見て帰ってきただけに終わってしまった。リールという街へ行ったけど、結局リールの街を見ることもなかった。(昨日の晩はタクシーでリールの街へフランス料理を食べに行ったが、真っ暗でレストラン以外は何も見えなかった。レストランに着いたときえらく雨が降ってたので、レストラン自体もほとんどまともに見てないが、あのレストランなんだか古いお城みたいなかなりいい雰囲気の建物だったような気がする。ちゃんと見とけよっていう感じだが)ま、昨日の晩のフランス料理も今日の昼のフランス料理もおいしかったので、それで満足することにしよう。
で、スキポール空港から電車に乗るとき、あやしいおっさんに(でも、目一杯にこやかな顔で)「電車に乗るためのお金が6ユーロ足りなくなってしまったんで、6ユーロ貸してくれないか?」と言われた。「あほか、おっさんになんか絶対貸してやるもんか、というか、どうやって返すつもりしとんじゃ、ぼけ。」と思いつつ、英語がよく聞き取れなかったふりをして、3回もおんなじこと言わしてやった。3回目はさすがに目一杯の笑顔がひきつってきてた。ま、1ヶ月も旅行したらこういうおっさんにも会わんとな。
それはそれとして、もうすっかりオランダ名人のつもりをしてたのに、スキポールからユトレヒトへの行き方がどうにもわからない。夜も遅いし、ミスると痛いので、一緒に電車を待ってたおじいさんに、「どうやってユトレヒトに行ったらいいの?」って聞いたら、「3つ目のなんちゃらいう駅で乗り換えなさい」と教えてくれた。オランダ語で赤字で「ユトレヒト、なんちゃら駅、オーバーストッペン」と書いてあって、勝手に「なんちゃら駅へ行きたい人はユトレヒトで切り離すから要注意」ぐらいの意味かなあと思ってたが、オーバーストッペンは乗り換えという意味だったらしい。
で、3駅目、3駅目と思いながら電車に乗ってると、2駅目を過ぎたときに、別の車両に乗ってたさっきのおじいさんがわざわざ俺を探しにやってきて、「次がお前の降りる駅やで」って教えてくれた。やはり、オランダ人は親切なのであった。この国の人達からは、なんとか他人の役に立ちたい、という気持ちが感じられて大変よろしい。6ユーロおやじみたいなのもおるが。
その後、ユトレヒトからタクシーでホテルへ。運ちゃん、俺の荷物を見るなり飛び出してきて、大変あいそよく荷物をトランクに積んでくれて、「なかなかやるな。チップをはずむか」と思ってたんだが、どうも料金メーターを作動させた形跡がない。オランダの話かどうかはしらんが、タクの運ちゃんが外国人と見るとぼったくるので、必ず料金メーターを動かしたことを確認するようにというのを読んだことがあったので、「うーむ、こやつはぼったくりか?」と思って、かなりじろじろ料金メーターがあるとおぼしき辺りを凝視してたら、運ちゃんも俺が何を見てるのかと何度か俺の顔を見てた。が、どうもこのタクシー料金メーターそのものが見あたらない。20ユーロとか言われたらどう対処してやろうかと考えてたが、ホテルについて「いくら?」って聞いたら「10ユーロ」。多分、感覚的に9ユーロ前後と思ってたので、チップを払うつもりだったことを考えると、そんなにぼったくってはいない。というか、「荷物があるときはチップを2ユーロ」とJALの案内に書いてあったので、9ユーロに2ユーロ足して考えたら、むしろ10ユーロは安いぐらいだが、行動が怪しいのが気に入らんかったので、チップはやらずに10ユーロだけ払っておいた。どっかにちゃんとメーターがあって、ほんまに10ユーロぴったりやったのなら申し訳ないが、10ユーロぴったりという額も怪しいし、メーターを動かした形跡がなかったことを考えても、やっぱり「かもが来た」と思ってぼったくろうとしたに違いないような気がする。でも、俺がメーターを怖い顔で見てたので、10ユーロぐらいの問題ないところにしたとみた。違ったらごめん。人を疑って。この運ちゃんも大変愛想は良かったんだが。
で、今日から帰国までのホテルは、「サラリーマンに人気のイビスホテルチェーンの1軒(地球の歩き方より)」というIbis Hotel。三つ星なんだが、部屋は若干狭めなもののダブルベッドだし、小さいながらシャワーじゃなくて風呂がついてるし、かなりこぎれいで、かつ、ちゃんと電話も付いてる。「これでええんやん、これで」っていう感じで、ようやく分相応なところへやってきた気がする。値段は朝食込みで80ユーロ(今日は日曜なので75ユーロ)。日本にこのホテルがあったら、出張の時はここに泊まるな。ちょっと駅から遠いのが難点だが。
余談ながら、昨日フランスのリールで泊まったホテルは、四つ星ながらかなりゴージャスでいい感じだったので、「今度はいくら取られるんだろう」と戦々恐々としてたが、週末割引で120ユーロだった。これなら十分(ただし、朝食16ユーロは高すぎやろう)。そうしてみると、コペンハーゲンのホテルは異常に高かったな。ディズニーランドのオフィシャルホテルじゃあるまいし。
ホテルでチェックインすると、ピーターからFAXが来てた。なんと、明日訪問予定だったところがどうしても都合が悪くなってしまったそうな。ぬわにぃ。訪問がなくなるのはしょうがないからいいとして、なら、なんのためにせっかく行ったパリから今日のうちに飛んで帰ってきたんじゃ、わしは。FAXの日付を見ると、金曜日の夕方4時。この日なら、メールをくれてたら、飛行機を1日ずらして、Ibis Hotelを1日分キャンセルして、急遽フランスで1日ホテルを予約して、と難関はいっぱいあるものの、もう1日フランスに滞在できた可能性あったんとちゃうん。頼むよ、ピーターちゃん。

10月14日(月)
今日は急にフリーになってしまったので、今回は立ち寄ることなく帰ることになりそうだなと心残りだったロッテルダムへ行くことに。いや、その前に、こないだ行き損ねたデンハーグの監獄博物館に行って、それからロッテルダムへ行こうということで、ひとまずデンハーグへ。
が、オランダの月曜日は多くの観光施設が休みなのであった。美術館はほとんど休み、監獄博物館も休み。教会も休み。おえー、どないすんねん。しかも、今日は雨。かなり寒い。フリーになる日としては最悪の日であった。こんなんやったら仕事してるほうがよっぽどましですわ。
それでも、せっかく8ユーロも払ってデンハーグまで来たので、何もせずに帰るのはあまりにばかばかしい。何か開いてる観光施設を、と思って調べたら、マドゥローダムというオランダのいろんな建造物のミニチュアが置いてあるところが開いてるらしいので、そこへ行ってみた。確かに、まずまず楽しめる。子供を連れて行ったらかなり喜びそう。
ま、それはいいが、屋外なので、とにかく寒いし雨で靴は濡れるし。途中で、東南アジア系らしき外国人に「写真を撮ってくれ」って頼まれたが、思わず「寒いから嫌だ」と断りかけた。まあ、しゃあないなあと思って撮ってあげたけど。
それから、今度はロッテルダムへ。天気予報によると、ユトレヒトやデンハーグは雨だが、ロッテルダムは若干日が射すような絵になってたので、それに期待してたが、天候はますます悪化。ものすごい風で、傘が役に立たんほど。オランダ人が傘を差したがらないのも分かる気はしたが、さすがに今日は差してる人のほうが多い。
目的もないけど、とりあえずはフェイエノールトファンショップへ。目的の小野グッズがなんにもない。うろうろしてると、倉庫みたいな中に小野のユニホームが1着あるのを発見。それを買おうとして、サイズとか値段を見ようとごちゃごちゃしてたら、「こら、こんなとこで何しとんじゃ」っていう感じで黒人の店員が入ってきたので、「これ買いたいんだけど」というと、「ダメダメ、これは売り物じゃない。ほしがる人が多すぎて、すぐに全部売り切れてしまう」ということであった。そんなに売れるならたくさん仕入れろよ。全然ダメじゃん、ファンショップ。日本で探したほうが手にはいる確率高いかもしれんな。
でも、何も買わないのも寂しいので、フェイエノールトの帽子と、小野の写真と、めっちゃへたくそな字で「小野伸二」と書いたTシャツを買った。
その後飯を食ったりしてたら天気も回復するかな、と思ったが全くその気配なし。ということで、港巡りのボートに乗ったりしようかと思っていたが、断念して早々とユトレヒトへ帰還してしまった。結局、ロッテルダムがどんな街かわからん。使えないフェイエノールトファンショップがある街だ、ということぐらいか。一応、市庁舎を見といたが、やはり市庁舎は異様に立派だった。ただし、改修中だった。ヨーロッパに来たら、とりあえず市庁舎を見て、一番でっかい教会を見たら、まあそこそこの満足度は得られるんとちゃうか。(あと、なぜか郵便局も立派だったりする)
今日、ホテルでトラベラーズチェックを現金に換えてもらおうとすると、朝は換えてくれたが、夕方になると「支払いに使うんだったら受け付けるが、単なる両替は受け付けられない」と断られた。この辺が四つ星と三つ星の違いか。しかし、トラベラーズチェックは使えんのう。

10月15日(火)
今日は、ロッテルダムを経由してヘンドリック・イド・アンバハトとかいうところへ。と言っても、よっぽど詳しい地図でも載ってないでしょう。地球の歩き方には、ドルトレヒトは載ってて、その一つロッテルダムよりの駅。から、さらにバス。そんなん、無事着くんかいな、と思ってたら、駅から電話したら駅まで迎えに行ってあげようということになって、駅から電話。金色のベンツで迎えに来ていただきました。
実は、オランダの公衆電話は、何度かトライしていずれもうまくかけられなかったので、電話ができるかどうか心配だったので、練習もかねてとりあえずピーターに電話。クレジットカードでかけると、どうもあと1歩のところまできてるようなのに、どうしてもかからない。しかたがないので、コインでかけたら、これはなんなくかかった。ただ、どの程度の早さで落ちるかわからんし、おつりは出ないという噂なので、小銭を一杯持って、とりあえず1ユーロ入れてピーターに電話すると、どんどんお金が落ちるので、しゃべりながら必死でコインを投入するという状態になって大変だった。その教訓をいかして、次は1ユーロコインを手に持って電話したんだが、こちらは市内電話のせいでかなり長く電話したのに70セントぐらいだった。おつりが出なくて損をしてしまった。
以前に、オランダの電車は時間に正確と書いたが、その後何度も乗ってるうちに、やはり日本の電車に比べると不正確という結論に達した。まあ、アクシデントがない限りはおおよそ10分以内の遅れぐらいではおさまることがほとんどだが、時計を見て、発車時刻を1分過ぎてるぐらいやったらトライしてみる価値は十分にある。経験上、勝率はかなり高い。それに、なんやしらんけど、アクシデントの確率も日本よりかなり高いような気がする。日本では、台風や大雨でも来るか、人でも飛び込まん限り、そう簡単に電車のダイヤが乱れないという印象があるが、何が起こったのかは全く聞き取れないけど何かが起こったらしい状況に多分3回出くわした。
さて、今日は会社でミーティングをした後2つのサイトを視察に行ったんだが、一つ目がロッテルダム近郊で、行った後でフェイエノールトスタジアムへ連れて行ってくれた。で、頼みもしないのにスタジアムの前にあるフェイエノールトファンショップへ連れて行ってくれたが、閉まってた。店の前に張り紙がしてあって、「女王の旦那さんが亡くなって、今日がお葬式なので、今日は特別にお休み」と書いてあるそうな。そう言えば、先週からいろんなところに半旗が揚がってて、女王の旦那さん(だと思うが、女王の妹の旦那ぐらいだったかもしれない)が亡くなったので火曜日がお葬式だといろんな人から聞いてはいた。連れて行ってくれた人曰く、このフェイエノールトファンショップならなんでも揃ってるので、小野のジャージーも当然あったはずだとのこと。うーむ、それは残念やんけ。俺のいるときに亡くならんとってくれよ。
次のサイトへ行ったとき、でっかい教会のある、いかにも古げな町並みのいい感じの田舎町だったんだが、「駐車場があったあった。ここへ来ると、いつも車置く場所がなくて困るんだよ」と行ってたが、ここ、どう見ても人の家の前、それも、ドアの真ん前なんですけど。オランダ式の低い窓から住人が顔を出したら、運転席のおっさんとその間隔50cmぐらいで目があってしまいそうですが。「これが駐車場か?」と茶化しながら聞いたら、「ここは置いていい通りなんだ」そうな。確かに、そこへくるまでの通りには全然車が止まってないが、その通りだけ両側に車がぎっしり止まってる。でも、その通りの両側は、どっちもぎっしり民家なんだが。それも、みんなドアの前でも容赦なく、ともすれば、ドア開かへんのちゃうん、ていうぐらいのところに止めてる。俺ならこんなところに置かれたら切れるね。
その後、おっさんはドイツ国境にある家に住んでるので、途中でホテルまで送ってあげようと言ってホテルまで送ってくれたが、オランダでもこんなに遠くに住んでる人がいるのか。今日の会社は、オランダの西の端なので、ドイツはすごく遠いというイメージだったが、南のほうはドイツがかなりせり出してきていて、確かに思ったよりは近そうだが、それでも車で1時間半ほどかかるそうな。なんでそんなとこに住んどんねん。その街へ行くと、安くて大きな家が買えるから、って言ってたが、だから、街の周辺でも牛さんの場所をちょっと取り上げたら土地はなんぼでもあるんですけど。
ところで、ホテルまで送ってくれるなら、最初からそう言ってくれんと。往復切符買っちゃったよ。もったいない。
今日は、ユトレヒトで晩飯食うのも最後かな、と思って、ちょっといいレストランを物色。ほんとは、「今日は」っていう日本食レストランへ行くつもりだったんだが、なぜか閉まってた。これも葬式のせいか?しょうがないので、いろいろ物色して、いかした黒人のボーイさんのいるこじゃれたレストランへ。で、この店お薦めのフルコース(と言っても、ヨーロッパ風フルコースは、前菜+メイン+デザートということらしい)を注文。あいかわらず、メインディッシュには大量のポテトと野菜がついてた。これはオランダではどこへ行っても変わらんらしい。メインディッシュが小さめのサーモンを丸々一匹焼いたやつだったんだが、ほとんど味がない。うーむ、これはやっぱりオランダびいきになった俺としてもフランス料理に軍配を上げざるを得んな。
しかし、この黒人のボーイかっこよかった。それに、すごくよく気が付く。気に入ったのでチップをはずもうと思ったが、カードで支払ったらこの店のレシートにはチップを書く欄がなかった。サービス量込みっていう意味ね、って思ったが、2ユーロ置いといた。
今日、ユトレヒト駅で、若い女の物乞いに会ってしまった。おとといスキポール駅で会った6ユーロ親父と全く同じ表情で、ちょっとひきつりながら目一杯の笑顔で、今度はよく聞かなかったのでいくらくれって言ったのかわからんかったけど、コインを見せながらなんぼかたらんから貸してくれって言ってきた。なんで物乞いの手法が統一されてるんかな。その後バスに乗ろうとしたら、またこの姉ちゃんが手当たり次第に声をかけてた。若いのに何をしとるんや。そんなつらい仕事できるんやったらまっとうな仕事ができそうなもんだが。

10月16日(水)
今日の朝、駅でトイレに行こうとして財布の中のコインを探してたら、またまた変なおっさんに声をかけられた。これまで全然なかったのに、ここへ来て連続でどうなったんや。帰国が近づいてきて、顔の表情でもゆるんどるんかね。
今日は久しぶりにGroningenへ。駅へ降りると、1ヶ月前に初めてきたときのことを思い出した。その後、街の中を歩くと、すごくなつかしいところへ来たような気がした。そう言えば、ユトレヒトにもGroningenと同じぐらい滞在したんだけど、ユトレヒトは拠点にしてただけで街の中で生活したわけじゃないせいか、あんまり愛着が沸いてないな。ややこしい場所に住んだおかげで、オランダの交通システムについてはかなり精通することができたような気がするが。
今日は、州のお役人さんと会った後、研修の総まとめということで、Van Hallへ行ってピーター、マライアとミーティングをする予定だったのに、マライアが風邪で来れないそうな。おい、もう一生会わない可能性も高いのに、普通来るやろ。ピーターによると、相当ひどい声で電話してきたそうで、病気はしょうがないが。でも、俺がそういう風邪をひいてたら、この研修はどうなったんかね。健康でいられたことに感謝します。
Groningen州の庁舎の会議室へ案内されると、映画に出てきそうなすごい会議室だった。シャンデリアの飾ってある高〜い天井に、壁には古い絵が埋め込んである。なんか、宮殿で会議してるという雰囲気。これやからヨーロッパはやめられませんな。
その後、Van Hallへ行くのは遠いからやめにして、喫茶店でピーターと打ち合わせをしたが、ちょっと晩飯を食うには早いので、そこで分かれてユトレヒトへ。ということで、晩飯はついに「今日は」へ。
こしょうをかける道具を回す、塩をカタカタ言わせながらまく、卵焼きを刻みながら焼き飯の山へ投げつける、電気を消して炎を天井まで上げるという趣向はGroningenの日本料理屋と全く同じ。天井が低いせいか、塩の入った容器を天井に投げ上げるという技は披露されなかった。ここの料理人はエンターテイナーとしてちょっといまいち。レモンをコテでゴミ箱へ投げつけようとして失敗するし、コテの扱いにも切れがない。
しかし、なんで日本料理と言えばこの形式と統一されとるんかな。オランダ日本料理協会でもあるんかな。ちなみに、どうやら店員は中国人やな。中国語でしゃべってた。中国人がオランダで日本料理店をやるなら、日本人もオランダでラーメン屋でも広めてやれ。うけると思うけどな。中国マフィアに襲われたらしらんけど。

10月17日(木)、10月18日(金)
いよいよ帰国の日。まずは荷物を置きにスキポール空港へ。今日も電車が10分以上遅れた。アムステルダム中央駅行きの電車が遅れるもんだから、オランダへ来て初めての超満員。と言っても日本のようなすし詰めではないが、ばかでかい荷物を2つも持ってる俺はかなりひんしゅく。
なんとか空港へ着いたが、3時間前にならないと飛行機のチェックインはできないそうな。そうだったかな。昔、すごい前に行ってもチェックインできたような気がしたんだが。しょうがないので、とりあえず荷物はコインロッカーに預けて(ここにはすごくでっかいロッカーがあって、荷物3つが余裕で入って5ユーロだった)アムステルダムへ。
まずはゴッホ美術館へ行ってみたが・・・、正直なところ、「ゴッホいまいち」。まあ、うまい下手の問題ではなく、わざとこういう絵を描いてるんだということはよく分かったが、いいと思える絵は一つもなかった。ゴッホ美術館の中にもやもや系でも「これなら結構いい」と思うのがいくつかあったんだが、それはいずれもゴッホじゃなかった。ただ、ゴッホの絵をいっぱい見てるうちに、「これはゴッホ、これは違う」というのは、かなり高い確率で判別できるようになった。
ということで、釈然としないまま、トラムに乗って、いろんなお店が並んでるとやらいうカルファー通りへ。この通りに着くと急に雨が降り出して大変だったが、確かにいろんな店が並んでて楽しかった。女性もんの服のお店もたくさんあって、女性が来てたらもっと楽しいだろうな。つきあわされるほうは大変そうだが。この通りでふらっと入った小物屋さんに、ハムスターがぬんちゃくをもって踊るけっさくな人形があったので、もう子供用みやげは買い終わってたんだが、追加で購入。これはなかなかいけてる。
カルファー通りを抜けるとダム広場に到着。ここは、ブリュッセルのグランパレス並に由緒ありそうな建物に囲まれてて、なかなかいい感じ。大道芸人もなにやら芸を披露してた。新教会に入ってみると、「なんだ?準備中か?」と思うような雑然とした雰囲気。全く似つかわしくないへんてこな芸術作品が並んでて、「???」なまま出てきてガイドブックを見てみると、今は展示場等として使われてるそうな。なんや、それは。はっきり言って、この教会の中に入ることはお薦めしません。外から見とけば十分。
続いて、王宮に行こうかと思ったが、だいたい王宮って広くて見て回るのが大変。カルファー通りでやたらと買い物してしまったので、荷物も重かったし。ということで入るのはやんぴして、今度は旧教会へ。旧教会は飾り窓の真ん中にあるんだが、ほとんど飾り窓の前を通らずに到着。ほっとしたような残念なような。
旧教会の中は、まあまあ面白いかな。多分今まで見た教会よりもかなり古いので、天井の内側が木でできてたり。でも、「おー、すごい」という感動はブリュッセルの何とか大聖堂のほうが大きい。歴史の説明でもしてくれたらまた感慨も違うかもしれんが。
ということで、予定のコースは終わったが、まだ時間がちょっと余ってるなあ、と思ってたら、中央駅の目の前にある×××ミュージアムっていうところに男も女も続々と入っていくので、つられて入ってみた。まぎれもなく×××ミュージアムだったが、どうしてこんなところに若い女性が一杯入ってるのやら、この国は。
まあ、おかげでちょうどいい時間つぶしになって、予定通り5時頃に空港へ。空港へ行こうと思って電車の自動券売機で切符を買おうとしてると、黒人の兄ちゃんが「スキポール行くのか?なら、この切符買ってくれ。2.9ユーロ」(ちなみに、正規の運賃も2.9ユーロ)というので、「なんでこんな怪しいやつから正規運賃で買わなあかんねん」と思ったが、たった2.9ユーロのもんを値切るのもなんだし、この1ヶ月間(実質2週間)で培ったオランダの切符判読技術を活かして、どっかに怪しいところを見つけてつっこんでやろうと思ったが、どうやら正しい切符のようだ。どうせ不正な手段で入手したには決まってるが、まあいいかと思って買ってやることにした。拾ったにしてはきれいな切符だし、今日しか使えない切符だし、どういうからくりがあるんかなあ。わからん。
さて、空港では、来た日に晩飯として食べたフリッツ屋へ。1ヶ月間の成果として、「クライン(小)ウィズマヨ」にしようかと思ったが、トッピングのタマネギがうまそう(以前にポテトをトルコ風のタマネギたっぷりソースで食ったらうまかったので)だったので、「ウィズケチャップアンドオニオン」としてみた。なかなかうまかったが、これに水をつけたら5ユーロぐらいした。小だけだったら1.5ユーロぐらいやったのに。
その後は、空港内の免税店でみやげを買い物。オランダにせよデンマークにせよ、結構な消費税がかかってるので、基本的にここで買うのがお得(なはず)。それにしても、全然お客がおらんなあと思いながらがらがらの店で買い物を済ませたが、その後歩いてるとえらく人の多いショッピング街に出た。どうやら、JALのチェックインカウンターがへんぴなところにあるらしく、そっから入ったらへんぴなところに出たんだろう。もう買い物は済んじゃったし、比べて値段が安かったりもっといいものが見つかっても腹が立つので見なかったが、おおよそ入ってる店は似たような感じだったような気がする。なら、空いててゆっくり見て回れるほうがええか。
チェックイン時に預ける荷物の重さを量ったら40kg!重かったわけや。普通なら追加料金が請求されるところですが、今日は空いてるからいいでしょう、ということで免除してもらったが、預け荷物に重さ制限があったとは知らんかった。
帰りの飛行機は、行きとはうって変わって半分強ぐらいの搭乗率。なのに、俺の席だけ3人がけに3人。なんでやねんと思ってたら、どうやら俺が通路側を選んだせいのようで、前の席は3人がけに1人で座ってる。と、隣の親子連れが属してるらしきツアーの添乗員さんがやってきて、「通路側がいいんですよね。窓側は嫌なんですね」と言うので、「前の窓側の席へ行ってくれとはっきり言わんかい」と思いながら前の席へ移動した。もちろん俺も隣がいないほうが楽だし。
この飛行機、夜の8時半ぐらいに出発して現地時間の朝7時(日本時間で昼の2時)ぐらいに着いた(飛行時間10時間ちょい。偏西風の影響で帰りは早いらしい)んだが、乗ったらすぐに晩飯が出てきて、酒飲みながら食べたらほどなく眠くなって、寝てたらまだ眠いのに起こされて朝飯が出てきて、食べたら到着っていう感じで、10時間という時間をほとんど感じさせなかった。この日程ええなあ。ただ、成田の乗り継ぎで3時間半も待たされて結局家に着いたら9時。日本に着いてからの効率悪すぎ。
待ってる間に、成田で散髪したら、なんと5250円。空港使用料でも入っとんのか?オランダの散髪屋とえらい違いやな。もちろん、頭洗って顔を剃って、さらには念入りにマッサージまでしてくれたけど。

ということで、1ヶ月間の研修が終了したが、全体としての感想は、
・オランダ人は親切
・オランダ人女性はかわいい(若いときは、かな?)
・オランダ人は日本人のように一生懸命は働かないが、十分に高い生活水準を維持してる。夏休み30日とかとって、あんまり残業もしないでこの生活水準が維持できるならこっちのほうがええかも、と思わせるものがあった。
・オランダ人はがつがつしない。店の人がこれ買ってくださいとか、うちの店に入ってくださいとか言ってるのを聞いたことがない。
・VISAカードいまいち使えん。もっとも、VISAが特に使えないというより、クレジットカード自体を扱ってない店が結構あるということだが。
・それ以上に、トラベラーズチェックは使えん。ホテルで両替しようとしたら嫌がられ、両替屋で両替してもらったらいちいち3%も手数料とられるんじゃやっとれん。こっちは、円からユーロに換えるときに既に相当の手数料をとられとるっちゅうねん。

肝心なことを忘れてたので追加。
・オランダ人は、欧米人の中で珍しく「自分たちが一番」と思ってなくて、謙虚なところがよろしい。きっと、多くの日本人はオランダ人に対して好感を持つと思う。アメリカを始め、イギリス人、フランス人、ドイツ人と、みんな「自分たちの人種が世界一素晴らしい」と信じて疑っていないような感じがするが、オランダ人は絶対に「オランダ人は世界一」とは思ってない。やはり、人間謙虚さが大事やと思うな。



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