10月6日(日) 10月7日(月) 10月8日(火) 10月9日(水) 10月10日(木) 10月11日(金) 10月12日(土)

10月6日(日)
今日は朝から王立美術館へ行ってゆっくり絵画の鑑賞をする予定。美術館は10時からしか開かないらしいが、10時までうだうだするのももったいないので、今日は日曜日だし、教会行ったらなんかやってるだろうと思って、9時に出発。ちなみに、朝飯はやはりついていた。朝食付き60ユーロは安い。電話が使えるとなお良かったんだけど。
ホテルの近くのサン・ミッシェル大聖堂へ行ったら、歌の練習をしていた。10時から何か行われるようで、昨日のようには見学できないようになっていた。練習と言っても、本番間近という感じでなかなか上手だったので、30分ばかし座ってゆっくり聞いた。
その後美術館へ行ったが、迷わなかったらすぐ着いてしまったので、今度は美術館の目の前にある聖ヤコブ教会へ。ここではすでに何か儀式をやっていた。この教会もりっぱだが、新しくてあまり歴史が感じられなかった。あまり新しいと、新興宗教っぽい感じがする。そういえば、新興宗教の建物だって立派やからな。
10時きっかりに美術館へ入った。大きい荷物はだめと聞いてたので、リュックと貴重品用の小さい鞄に分けたつもりやったのに、小さいほうもだめって言われた。今はここに航空券とほぼ全財産が入ってるので、これを預けるのはさすがに気が引けて、航空券だけはウェストポーチに押し込んだ。
結局、15〜16世紀コーナーに1時間、17〜18世紀コーナーに1時間、レストランで昼食をとって、20世紀コーナーに40分、19世紀コーナーに50分ぐらいいた。その間、飯の間以外はほぼ歩きっぱなし。さすがに疲れたぜ。
多分、生まれて初めてこんなにじっくり絵画を鑑賞したが、昔の絵は少なくとも歴史資料としての価値は非常に高いな。(えらそうに言うことではないですが)昔の人はこんな服来てたとか、こんな出来事があったとか。それに、世界共通語として、誰にでも物語を伝えることができるというのも貴重なことでしょう。15〜16世紀コーナーって、ほとんどがキリストが磔になったときの絵なので、なるほど、キリストは自分で自分の十字架を担がされたのか、とか、頭にとげの付いた月桂冠をかぶらされて、頭から血が出てたのか、とか、誰かに右胸を刺されて、頭と手のひらと右胸と足の甲から血が出てたのか、とか、おおまかなあらましは把握できた。途中で、日本語ガイド付きの日本人の一段が来たので、その説明を聞いてみると、「この絵は、キリストは十字架を担がされて山を登る途中3回転んで、そのうちの1回の出来事を描いた物です。そのとき、キリストの頭から血が出てるのをかわいそうに思ったなんとかという女性がハンカチで血をふいてあげている場面で、その後、このハンカチにキリストの顔が現れたということで、ある教会でこの布が保存されています」などと言っていた。うーん、さすがにそこまでは絵を見ただけでは読みとれない。絵は世界の共通語で、おおまかなことは把握できるが、やっぱり日本語で説明してもらったほうが深いことまでわかるな。
まあ、そんなことで、15〜19世紀の絵までは存在価値もよく分かったし、楽しく鑑賞することができたが、20世紀の美術はどうよ。予想してた通りではあるが、全く何が言いたいのかわからん。いや、美しい物が作りたいだけで、別に言いたいことはないということかもしれんが、美しいと思える物にもあまり出会わなかった。きっと、これでも、やみくもに集めてあるんではなくて、ここにある以上はかなりいい物として評価されてるんだろ?全く理解不能。
まあ、昔は写真がなかったので、本物そっくりに描くとか、遠近法で見たままを表現するとかできると評価されたが、今は写真があるし、そういう技術も確立されてるので、そんなことしても評価されないっていうことではあるんでしょう。100年後の人が見たら、「20世紀の人たちはこんな美術品を作ってた」とかって親しまれる時がくるんだろうか。
その後、グランプラスでしこたまおみやげを買って、ふらふらになりながらAntwerpenへ。何分かかったのかしらんが、ほとんど眠ってる間に到着。
行くつもりはなかったが、駅の外に出ると目の前にインフォーメーションがあったので、地図でももらうか、と入ってみた。地図をもらおうとすると、「あなたの国の言葉のもありますが、何語ですか」と言われたので、それは有料だろうと思って、たった1時間ほど散策するだけなんでいらんけど、と思いつつ、「Japanese」と言うと、おっさんが「こんにちは」とか言い出して、妙に日本に詳しいようなのでしばし雑談。日本に3回も来たことあるって言うし、「何でそんな日本が好きなん?」って聞いたら、「その人私の奥さん。日本人」だそうな。奥さんは別に日本人には興味ないみたいで、挨拶だけして特に話はしなかったが、おっさんはうれしいみたいでなんやかやと10分ぐらいはしゃべったかな。こっちが英語でしゃべるのでむこうも重荷は主には英語でしゃべってたが、実は相当日本語もできそうだった。
その後、メトロに乗って市の中心部へ行こうとしたが、また反対向きのメトロに乗ってしまった。てっきり中央駅が終点だと思ってたので、ノーチェックだった。で、金を払おうと思って「グローテンプラートまで」って言ってるのに「俺と行きたいの?」とか意味のわからんこと言ってきて、しばらくかみあわない会話が続いた後、"You are wrong way."って、はよ言わんかい。一駅過ぎたやないかい。ということで、中央駅から2駅反対側へ行った駅から再度メトロに乗り直して、無事市の中心部へ到着。降りたらほとんど目の前がノートルダム大寺院。これも相当立派な代物で、中もすごそうだったが、ミサをやってて中をのぞく程度しかできなかった。やはりこの街にもフローデマルクト(広場でのフリーマーケット)があって、その前に市庁舎。ベルギーもオランダも、この街の作りは普遍か。で、どこの街でも市庁舎はなかなかすごい。Antwerpenも例に漏れずすごい。その後、北海が見えるというので言ってみたが、こりゃ、北海というよりは、まだ川ですな。まあ、景色はよかったが。
結局Antwerpenには1時間ちょいぐらいしかいなかったので、Antwerpenを語ることはできないが、思ったよりブリュッセル文化な気がした。この街も、適当にあるいてもしょっちゅう歴史のありそうな建物に出会う。家並みも、オランダとは違ってブリュッセルと同じ。一つ大きな違いは、ブリュッセルには自転車道路もないしほとんど自転車も走ってなかったが、Antwerpenには自転車道路があった。オランダほどたくさん走ってないけど。もう一つの違いは、ブリュッセルは完全にフランス文化でみんな信号を守らない(それでもフランスよりはましで、4割ぐらいの人が信号を守ってたかな。俺は郷に従って守らんかったけど)のに対し、Antwerpenでは8〜9割ぐらいの人が信号を守ってた。このあたりにオランダ文化の混合を感じた。
で、帰りの1時間に1本しかない電車に急ぐと乗れそうだったので、あわてて駅へ。ほぼ迷わなかったが、途中で写真撮ったりしてると遅れそうになって(俺の時計では2分遅刻)、最後は超本気で走ったで。
この電車が、ロッテルダムからDen Haag通ってアムステルダム行きだったんだが、来るときはロッテルダムを通らなかったし、途中の停車駅にユトレヒトって載ってないもんで、これじゃユトレヒトに行かんのやろなと思い、ローセンダールで途中下車して、駅員に「こっからどうやってユトレヒト言ったらいいの?」って聞いたら、「この電車」って、今乗ってきた電車を指さした。でも、その電車は既に動いていた。もっと早く教えてよん。検札が来たら聞こうと思ってたのに、検札こないし。駅でも聞こうと思ったのに、なかなか駅員いないし。電車5分近く止まっててんけどな。なんでも、日頃は止まらないんだけど、今日だけは止まるそうな。そんなんわからんちゅうねん。そう言えば、電車の中で日頃はめったに何も言わない車掌さんが一生懸命ロッテルダムやらユトレヒトやら言うとったな。俺はてっきり「この電車はロッテルダム方面へ向かうので、ユトレヒトには止まらないので、ユトレヒトに行きたい人はローセンダールで乗り換えなさい」と言ってるもんだと思ってた。ロッテルダムとユトレヒトとローセンダールしか聞き取れてない人がここまで予測しちゃいかんな。でも、まさか、「日頃はユトレヒトに止まらないけど、今日はユトレヒトにも止まります」って言ってるとは思わんよな、普通。
で、代替案は、各駅停車でなんとかいうややこしい駅まで行って、そこで乗り換えろっていうので、前にいた電車に乗ってたんだが、ほんまにこれやろなと不安になって、もう一回降りて駅員に「その乗り換えるとこまでこの電車でいいの?」って聞いたら、あわてて「ちゃうちゃう、それは完全に反対方向へ行くやつや」と。行き先のVlisingenちゅうのが地図でみつからんかったんだが、教えてもらってから見てみると、オランダの一番左下の突き出た半島みたいになってるところの先端にブリシンゲンっていうのが載ってた。日本で言うと、釧路から旭川へ向かおうとして根室半島の先端行きの電車に乗りそうになったようなもんか。おー、デインジャラス。こんなとこまで行っとったら、今日中にユトレヒトにたどり着かんかったかもしれん。
で、乗換駅のなんちゃらボッシュだけは絶対逃さないようにと超慎重に停車毎に駅を確認し、無事到着。と、乗り換える人がいっぱいいるが、みんな走って乗り換えてる。よくわからんけど、俺も一緒に走って向かいの電車に飛び乗った。でも、そんなにすぐ出るわけではないみたい。なんでみんな走ってたんやろ。ま、それはいいとして、この電車であってる保証は全然ない。かといって、みんなが走ってた状況からして、降りてゆっくりしてると電車が行ってまうかもしれん。ということで、中の乗客に聞いたら「行くよ」って。さっきも隣の人に聞けば良かった。
さすがにこれで無事帰れるやろうと思ったら、急に電車が停車して、また何やら車掌が言ってる。わかりっこないので無視してたら、隣の人が「あんた、今何て言ったか分かった?」て言うので「ノー」って言ったら、「前の電車が故障したので、今のけようとしてる。だから電車が遅れるって言ってた」と教えてくれた。教えてくれたのはいいが、故障した電車をのけるって、そんなんどんだけ遅れんねんと恐れおののいたが、そんなに長いこと止まったわけでもなく、多分5分遅れぐらいでは着いたんじゃないか。よかったよかった。
帰りに食べたレストランの姉ちゃんが、また愛想がよくてめちゃめちゃかわいかった。が、帰る間際に見たら、仕事はあがりみたいで、飯を食いながらたばこをぷかーってふかしとった。オランダの若い女性の喫煙率は非常に高いような気がする。

10月7日(月)
今日は2時からアムステルダムで予定があったので、朝から行ってアムステルダム散策の予定。
スキポール空港行きのインターシティ(快速)に乗って、さて、オランダに来て4週目にして初めてアムステルダム中央駅到着、と思ったんだが、どうも俺のイメージしていたアムス中央駅にしてはしょぼい。まあ、出口がいっぱいあって小さい出口から出たんだろう、とりあえず外に出たら人が一杯いるんだろうということで、人の流れについていったら、何やら建物の中へ。電光掲示板があるので、「ひょっとしたら、アムステルダムのトラムって電光掲示板があるのか?」とか思ったが、読めないので、さらに人の流れについて上へ。どこにも電車らしき物は見あたらない。それどころか、これって大学ちゃうん。
結局駅とこの建物を2往復したが何も分からず、あまりに周りの様子が閑散としてるので、ようやく、「これって、違う駅なんとちゃうか」と気づいた。再度ホームに上がってみると、「アムステルダム-アムステル」。ややこしいなあ。それに、止まるなら止まると書いてくれよ。アムステルダム中央駅までに止まる駅は1個って確認して、ちゃんと2個目の駅で降りたし、駅でも結構人が降りたのに。いや、よく考えたら書いてあったかもしれんな。A'dam-amsterとかいう文字があったようななかったような。いずれにせよ、それを駅の名前とは認識してなかった。
ということで、電車を待ってたらなんかしょぼいのが来たけど、Amsterdam CSって書いてあるので、これは間違いなく中央駅へ行くやろうと思って乗ったら、これは国鉄ではなくて地下鉄だった。中央駅へ行くには行くんだが、別料金。アムステルダム中央駅までの切符持ってるんだから払う義務はないような気がしたが、もし見つかったら27ユーロの罰金とか書いてあるので、それも嫌だから、さっき2往復してる間に買った回数券を機械に入れてチーン。(これで1回分使ったことになる)
さて、地下鉄に乗ったら乗ったで途中いくつか止まるので、中央駅まで行かんでも目的地の美術館へ行ける駅があるんとちゃうかと思って地図を解読。どうやら、2つ目の駅で降りると1kmぐらいで美術館に着きそうだ。
ということで2つ目で降りて、これまた道がさっぱりわからん(ようするに、オランダの街は全部放射状になってて、道がゆっくり曲がってるので、方向音痴の俺は一旦道を把握してもすぐにわからなくなる)ので、自力で見つけるのをあきらめ、通りすがりの人に尋ねた。すると、その人がさらに別の通りすがりの人を呼び止め、2人で「こいつが美術館へ行くにはどうしたらいいか」を議論し始めた。で、一番いいのはトラムに乗ることだと思うが、歩いても10分で行ける。とりあえずあの大通りへ出て右へ行け。トラムに乗りたければ○番か○番」と大変親切に教えてくれた。
ということで、無事美術館到着。ここは建物だけでもなかなか素晴らしい。オランダの歴史コーナーがあってそれはとばそうかと思ったけど、絵がいっぱい飾ってあるので、絵を見たらオランダの歴史がちょっとは分かるかなと思って見ることにした。うーん、世界の共通語でも、やっぱり背景を全くしらんとほとんどわからんな。とりあえず、オランダのご先祖様は船で戦ったということか。
この美術館はどこぞと違って一つ目に英語で説明が書いてあるので、ほんとはそれを読めばそこそこ理解できる。が、あまりに時間がかかるのでやめた。
で、次に15〜17世紀コーナーへ。相変わらずキリストの絵もたくさんあるが、風景画とかいろんなジャンルのものがあった。俺の中で勝手に絵の種類を大きく2つに分類すると、くっきり系ともやもや系がある。俺的には、くっきり系は好きだが、もやもや系はあんまり好きじゃないな。ここにもいくつかゴッホの絵があった(外人のしゃべってるのを聞いてると、ゴッホというより「ガッハ」ですな)が、ゴッホはもやもや系なのね。とすると、ゴッホ美術館行ってもあんまりうれしくないかも。まあ、それでも最終日に行くとするか。
くっきり系については、みなさんお上手で、っていう感じで、「こんな細かいのどないして描いてん」とか思いながら見てると面白かった。動物の毛を描く技術なんかはなかなかすごいね。
残念ながらタイムアップで全部は見れなかった。肝心のレンブラントの絵って見たんだろうか。絵画については9割方見たと思うんだが、地球の歩き方に載ってる絵がどれも全く記憶に残ってない。まだどっかに秘密の部屋が用意されてたんだろうか。というか、この美術館、順路がどうも決まってなくて、全部くまなく一筆書きで回るのが非常に難しい。ということで、肝心の場所を飛ばしたのかな。
その後、トラムで中央駅へ。今度こそ初めて中央駅到着。さすがに人が多い。
で、ちょっと早めに約束の場所へ。駅名を教えられて、そっから徒歩2分という情報と住所だけを頼りに行くことになってて、「こんなんたどりつけるかね」とかなり心配だったが、5分ぐらいうろついたら大体の状況がつかめて、「1番、2番、3番、あった4番」という感じで無事発見。
4時半頃仕事が終わったので、再度中央駅に戻って、とりあえず飾り窓地帯へ(なんでとりあえずそこなんかようわからんが。時間も遅かったので近場で、と思うとそこになった。)。飾り窓地帯は、確かに危険な香りがぷんぷんするが、それでももっと怪しげなところにあるのかと思ってたら、観光客がばんばん歩いてる道の両サイドが飾り窓だったりして、決して飾り窓だけがある場所ではなさそうだ。(ほとんどそうだけど。観光客も飾り窓を見に来てるんでしょう)最初に見たとこなんか、目の高さぐらいに足が見えて、なんじゃ?と思ったら「うおっ、こんなところに早くも飾り窓が」っていう感じで驚いた。京都でいうと、木屋町通りに飲み屋と並んで飾り窓があるっていうイメージ。そう言う意味では、もちろん危険なことも時々起こるんだろうけど、起こったらニュースになる程度の危険度なんじゃないだろうか。日本でも「最近は肉親による殺人事件がよく起こって怖いね」って言いながら知り合いでそんな目にあった人はいない、みたいな。
まあ、でも、完全に言ってしまった目をしたおっさんとかおばはんがおって、「お願い、声をかけないで」っていう感じではあった。でも、きっとこういう人達って人を襲うような大胆なことはできなさそうな気がする。そういうことするやつって、もうちょっと賢くって悪いやつとちゃうか。
さすがにここはGroningenのと違っていろんな人がいる。人種の博覧会みたいな楽しみ方もできるかも。
で、一応仕事中なのでやっぱりなんかあったら困るし、無事な間に帰ろうと思ったら、帰り道が分からなくなった。さすがにここで地球の歩き方を広げるのはやばいような気がする。で、なんとか飾り窓地帯を脱出したいと思ったんだが、行っても行っても飾り窓。思った以上に広大な地域なのであった。むむむ、困った、と思ってると、教会を発見。と言っても、教会も飾り窓地帯の真ん中なんだが、あそこ行ったらちょっとは安全で、場所もわかるやろうと思って教会へ。そこでもやっぱり危なげな人達はいるが、勇気を出して地球の歩き方を広げて、必死で場所を把握。なんとか帰ることができた。やばかったで。
帰りに電車の窓を眺めて思ったんだが、今回オランダへ来た理由は、「オランダも日本と同じで土地がなくて困ってるので、汚染された土地を利用する方法を考えているから」ということだったんだが、アムステルダムとユトレヒトの間の線路沿いに広〜大な酪農地帯が広がってる。日本で言えば、東京と横浜の間の線路沿いで牛を飼ってるようなもん。関西で言うと、高槻や茨木一帯に牛が住んでるっていう感じ。この国、ほんまに土地ないんかね。まだまだなんぼでも便利な土地があるように見えるが。土自体が高いという話があって、これはその通りというか、結構深刻な問題のような気がする。土地はなんぼでもあるが、ほとんどの土地はその周りの川か運河かしらんもんよりちょびっと高いだけの場所なので、開発しようと思ったらどっかから大量に土を持ってくる必要がある。それを考えると、土地はあっても土がないので開発が難しいと言うことはあるかもしれん。日本と違って山がないので、山を削って土を持って来るという非常手段(というか、日本では日常手段)が選択肢にない。
今日の晩飯は、中華のファストフードとやらいう店へ。ファストフード店のくせに、全然早くないし。日本人からみると「これ、中華?」っていう感じだが、まあまあ味はよろしい。でも、単調な味がたくさんで、最後はちょっと吐き気がしてきた。ちょっとソースかけすぎ。

10月8日(火)
快晴だが、かなり寒い。いよいよ冬ですなあ、オランダは。
今日は、オランダのかなり東の端のほうにあるDeventerというところへ。東の端のEnschede(エンスヘーデ)行きのインターシティで3駅目なので、ゆっくり乗っとりゃええわと思ってたが、一駅目のAmersfoortで乗客が全員降りた。これはまた何やら雲ゆきが怪しいと思ったが、どう考えてもEnschede行きに乗ったし、ここはAmersfoortだし、間違いないと言い聞かせて乗ってたら、一人お客が乗ってきた。ああよかった、と思ってたら放送がなって、それを聞いて乗ってきた人が降りていった。これはどうやら何事か起こっとると思って俺も降りて掲示板を見ると、電車にはEnschedeと書いてあるが、掲示板には赤字で何やら書いてある。(事情により当駅止まりと理解)
あっちこっちでみなさんなにやら話してるので、どうやら俺が間違ったのではなくて何事か起こったようだが、こうなると言葉がわからんのは困るねえ。ようやく駅員をつかまえて、何事が起こったのかはええとして、「Deventerへ行くにはどうしたらいいんだ」と聞くと、「これに乗ってZwolleというところで乗り換えろ」と言われたので、言われるままにLeeuwarden行きへ。Zwolleに着いたはいいが、どれに乗ったらDeventerへ行くのかわからん。再び駅員に聞くと、「Deventer行きは今行ったところや」って、そういうショックを受けさせるような注釈はいいから。今着いたとこやのに、そう言えば走って乗った人もいるけど、勝手のわからん俺には無理。結局ここで30分待ち。で、昨日入手した路線図によると、ここからDeventerまでは各駅停車で30分かかるらしい。1時間前に着く予定の電車にUtrechtで乗ったのに、この時点で貯金を全て使い果たして、Deventer到着予定が13:54分。そっからバスで1駅(1分)+徒歩1分ていうのが検索サイトのご推薦だが、ピーターによると歩いても3分で着くとのこと。一応、俺が迷わず駅から目的地へ歩けることを前提に間に合う予定だが、この出張中最大のピンチが訪れたか。
しょうがないので、待ってる間にサンドイッチを購入して昼食。このキオスクのおばちゃん、全く英語をしゃべる気がないみたいで、何度聞いても「フィアユーロファイフタハセント」。フィア=4ぐらい俺も分かるようになってたのに、相手がオランダ語をしゃべってると思うと分からないような気がしてしまうのが不思議で、「フィアユーロ言うてもわからん。どれがほしいか言ってくれ」って感じで2ユーロコインと1ユーロコインを出して2人で一生懸命ボディーランゲージ。結局1ユーロをもう1枚ということをようやく理解して一件落着。確かに、はっきりフィアユーロと言うとったので俺が悪いが、指で4ってやってくれたら一発でわかんのにな。
で、待合室で待ってたら電車が来たので以降とすると、隣に座ってた黒人の子連れのお母さんに呼び止められた。どうやら荷物を持ってくれと言ってるらしい。確かに、1歳ぐらいの子供を背負って、ベビーカー一杯の荷物+引きずって歩くトランク1個とでっかくて思い荷物がもう1個。しゃあないなということで持ってあげたが、この人どうやってここまでやってきてん。もし自分の降りる駅で誰も乗客いなかったらこの人降りれへんし。
ようやく電車が出発したが、各駅停車(ストップトレインを俺は各駅停車と理解している。あってるはずだが)なのにDeventerまでノンストップ。ようわからんけど、おかげで13:45に到着し、10分の貯金ができた。しかし、その間の駅へ行こうとしてたら死んでたな。なぜ止まらん、各駅停車。
迷うことが許されないので、電車の中で必死で地図を解読し、電車の進行方向から向きも把握したおかげで、迷うことなく目的地へ。確かに徒歩3分程度。というか、駅から見えてるがな。バス乗れって指示するなよ。あてにならん検索サイトじゃ。
ということで、とにもかくにも無事時間通りに到着。相手の人に「ここに来るまでこんなに大変だったで」と説明したので、帰りは「ちゃんと1本でユトレヒトへ帰れる電車を教えてあげよう」と親切に調べてくれた。「この電車なら切り離しもないし、乗ってたら必ずユトレヒトに着くので、安心して乗ってくれ」と言われて駅へ。
しかし、しきりに放送がなるし、電光掲示板にはなんか書いてあるし、乗客も一生懸命放送を聞いてあっちうろうろこっちうろうろ。AmersfoortとApeldoornというのが聞き取れたので、来たときの状況とも合わせて考えて、どうやら、AmersfoortとApeldoornの間で何かあって、そこは通れませんと言ってるのかな、と推理。気になるので、駅員に「放送はなんて言ってるの?」って聞いたけど通じないし、次々に人が聞きに来て忙しそうなので、しょうがないから「ユトレヒト行きたい」って言ったら、「あのアムステルダム行きに乗ってAmersfoortで乗り換えろ」と。この電車、Apeldoorn、Amersfoortに止まることになってるので、俺の推理は違ったかなと思いながら乗ってたら、なんと来たときと同じZwolleを通過。(ここで、地理の解説。ユトレヒトのすぐ東にAmersfoortがあって、AmersfoortとDeventerとZwolleが三角形を形成。で、AmersfoortとDeventerの真ん中へんにApeldoornがある。つまり、Apeldoorn経由で行くとまっすぐだが、Zwolleを通るということは、三角形の二辺を通ることになり、非常に遠回り。)どうやら俺の推理通り、AmersfoortとApeldoorn間が通行止めらしい。Apeldoornに行きたい人はどうなるんかね。
ところで、このApeldoornっていう駅けっさくで、Deventerから15分、Amersfoortから45分の位置にあるんだが、DventerとAmersfoortの間には駅はApeldoornだけ。45分間も駅がないって、どんな場所走るんやろうって楽しみにしてたのに、結局分からずじまい。でも、あさってApeldoornへ来る予定なので、そのときにはわかるでしょう。いや、そのときまで通行止めが続いてたら、そのときこそこの出張最大のピンチが訪れるな。
さらにところで、この電車ドイツのベルリンからはるばるやってきたらしく、電車の内装がオランダの電車と全然違う。隣の国でも国境をまたぐとこうも違うもんかね。
オランダの電車は、4人がけのシートが2列、つまり、日本の新快速とかと同じ(ただし、オランダ人の大きさに合わせて、横も縦もゆっくり)だが、ドイツの電車は2等車でもいちいちコンパートメントに分かれてて、コンパートメントに5人がけ。つまり、オランダの電車で8人座れるところが5人しか座れない。贅沢な作りじゃ。ドイツ人はオランダ人よりさらにでかいのか?
今日の話題は電車のことだけかな。まあ、行って帰っただけやしな。まあ、しかし、俺もオランダの電車に関しては手慣れたもんで、少々予定が狂ってもちゃんと掲示板やら時刻表やら路線図やらを参考に、ちゃんと目的地へたどり着けるようになった。ちなみに、今日の路線には風車がたくさんあった。
そう言えば、今日会ったおじさん、会社の紹介の分厚い本をくれた(まあ、ここまでは仕事として許そう)上に、プレゼントをくれたので、何をくれたんかと思ったら、これまたでっかい本だった。しかも、俺の仕事とは全然関係のない。かといって、楽しい本でもない。オランダ語やったらしばこうかと思ったら、一応英語で書いてあるけど、なんでこんなもんくれたんか全然わからん。しかも、プレゼントとか言ってわざわざ包装紙に包んで。俺の荷物を重くするための嫌がらせか?

10月9日(水)
今日も快晴。ほんとに雲が一つもない。寒さも昨日よりだいぶまし。
今日は朝からGeldermalsenというところへ。駅までおじさんが迎えに来てくれたので、全く問題なし。
2社のプレゼンを聞いた後、レストランへ。
ここで、haKという会社のDr.Lagemanていう人としゃべったが、この人、オランダ語、英語、フランス語、アラビア語、ロシア語、ドイツ語の6カ国語を話せる上に、今日本語を勉強中らしい。何者じゃ。すでに日本語についても結構な知識を持っていた。ついでだから日本語についていろいろ教えておいた。
ここで、ブリュッセルで食べたマッスルが判明。マッスルって、そのままムール貝のことであった。つまり、あの店ほとんど選択肢がムール貝しかなかったっちゅうことやね。
今日は朝から出かけたおかげで、帰りにインターネットカフェに寄ったけど4時半にはホテルへ。1日1件の訪問しかこなしてないけど、毎日あちこち出かけて初対面の人と対面し、土日はベルギーまで出かけて目一杯活躍したおかげで、さすがに体が疲れてることを感じたので、ちょいと昼寝。日本でいうと、東京のホテルに泊まりながら、今日は栃木、明日は群馬、あさっては福島と、10日間続けてあちこち訪ねていっているような感じで、そりゃ、疲れもするわな。そして晩飯は脂っこいものをたらふく食ってビールを飲むんやから、なんとも体に悪そう。日本に帰ったら体脂肪率激増してそう。恐ろしや。
で、5時半頃から晩飯食いがてらユトレヒト市内の散策。その前に、情けないことに名刺が底をつきかけなので、コピー屋さんを探索。実は数日前からどうやら不足することが判明して探してたんだが、見つからない。今日もなかなか見つからなかったが、食料品を扱うスーパーを見つけて、ふと、「こういうとこにあるんちゃうか」と思って入ってみると、あった。鋭い。
使い方はもちろん読めないが、まあ、日本のコンビニと似たようなもんやろうと思って、値段を見てみると、1枚5ユーロ?俺を日本人とみてぼったくろうとしてるならいざしらず、普通のオランダ人が使うような自動のコピー機でそれはないやろうと思って、一生懸命解読した結果、どうやら1枚5セント(5ユーロセントと書いてあるようだ)。それはそれで少々安すぎるような気がするのと、5セントコインって直径が1円玉の半分ぐらい(というイメージ)のちっこいもんで、それにしてはコインの入り口が大きいので、ほんまにこんなもん入れて認識されるんかな、とちょっと心配。ふと、証明写真の機械で4ユーロぼったくられた図が浮かぶ。ま、5セントならぼったくられても痛くないし、むしろ入れてはいかん5セントコインを入れて機械を壊すほうが心配だったが、そのときはしらんふりして逃げようと思って、5セントコインを投入。おっ、ちゃんとコピー機が反応した。あとは、日本と全く同じ操作で無事コピー成功。グッド。しかし、名刺いっぱい持ってきたつもりやったのになくなるか。名刺って、1枚が分厚いから、ようけもってきたつもりでも以外と少ないんやな。
で、ユトレヒト散策だが、相変わらず歴史のありげな建物だれけで運河もあってでっかい教会もあってそれなりの趣があるが、すでに少々のことでは感動しなくなってしまっている。ユトレヒトの中心部って、一瞬で歩けてしまうぐらい小さい。見所と言っても、ほとんど教会ばっかりで教会というと、既にいろんなとこでごっついのを見てしまってるので、うーん、これもそれなりにすごいな、ぐらいにしか思わない。
てなことで、地球の歩き方に載ってる観光地巡りは一瞬で終わり、なんかおもろいネタが落ちてへんかな、とあっちへうろうろこっちへうろうろ。でも、なんだか静かな街で、面白いネタは落ちてませんでした。あえて言うなら、チャイニーズ-インディッシュレストランちゅうのがあったぐらいか。チャイニーズとインド料理は全然ちゃいますけど、と思って、入ってみようかと思ったけど、中華はすでに結構入ったのでやめた。
その後、「今日は」とかいうふざけた名前の日本料理屋があったので、ここにも入ろうかと思ったけど、もうちょい見て回ろうと思ってうろうろしてるうちに場所がわからんくなったので入らず。寿司と鉄板焼きという組み合わせもGroningenと同じなので、やはりパフォーマンス付きだろうか。気になる。
で、ふと運河を見下ろすと、運河のほとり、道路の下にいくつか店があるのを発見。なんだか趣がありそうなので、そのうちのタイ料理屋へ行くことにした。中に入ってしまうとただのレストランですが。窓際に座らんと意味ねえな。でも、中もそれなりにタイ情緒がただよういい店だった。
お約束のトムヤムクンと、タイで食ってうまかったので、タイ料理の店へ行くたびに探してる揚げ麺の料理を求めて、noodleのメニューを注文。でも、今回も揚げ麺の料理ではなかった。トムヤムクンは当たり前だがすごく辛くて、外が寒かったせいもあるのか、鼻水が止まらなくなって非常に困った。麺料理は、目的のもんではなかったが、あっさり味でなかなかいけてた。

10月10日(木)
今日も快晴。ただし、風が強くてかなり寒い。
今日までいたホテルが今晩から予約でいっぱいで、今日は全荷物を持って出勤。つらいのう。皆さんがご丁寧に資料を一杯くれるので、めちゃめちゃ荷物が増えてるし。
で、とりあえずでかい荷物はコインロッカーに預けて移動するつもりだが、コインロッカーの使い方が分からない。ぼったくられるのも嫌だし。こないだデンハーグで使ったときは、コインロッカー番の兄ちゃんがいて、やってくれたんだよなあ。
いろいろいじりながら研究してると、カタカナで非常に読みにくいものの、日本語のヘルプが出てきた。それを読んでようやく使い方を理解し、無事預けることに成功。
で、おととい乗ったEnschede行きの電車に乗ってApeldoornへ行く予定が、ちょっと時間が早すぎでまだまだ電車がこなくて、ホームで待ってるのもあまりに寒いので、「おとといみたいに、Amersfoort-Apeldoorn間が通行止めということもあるし、とりあえずAmersfoortまで移動するか」ということで、Groningen行きの電車に乗ってAmersfoortへ。これまたおととい乗ったベルリン行きの電車がやってきたが、なんとApeldoornは通過。おーい、Apeldoorn方面行く電車少ないねんから、たまに行くやつぐらい止まってくれよ。どうせ他に駅もないんだし。
で、結局ユトレヒトからのEnschede行きをAmersfoortで待つという事態に。まあ、しゃあないと思いながら、今後の予定を熟考してて、ふと気づいたら、なんとそのEnschede行きが行ってしまった。げげっ、何をしとんじゃ、俺は。次の電車は30分後。これまたこの出張中最大のピンチが訪れたが、他に手段もないので、再び30分待機。一瞬、また今後の予定を考え始めたが、「いかんいかん」と思って、座るのもやめて、目を皿のようにして待合室から外を観察(一瞬、気合いを入れて外で待機をしようとしたが、あまりの寒さに待合室へ退却)。無事に次の電車には乗ることができたが、既に貯金を使い果たして、またもや1分のロスも許されない状況。しかも、今回はApeldoornからバスに乗って、さらにバス停から歩くという難関が待っている。
まあ、それはそれとして、45分間駅がないところとはどんなところかを観察してると、確かに、Amersfoortを出てしばらくしたら牛さんもいなくなった。牛がいないとこうなるのね、っていう感じの一面の雑木林。(ただし、背はあまり高くない)でも、なんとか国立公園とやらになってて、全く人が入らないというわけでもなさそうだ。これまで駅と駅の間には牛がいると相場が決まってたので、一応ちょっと変わった風景ではあった。ただ、45分どころか25分ぐらいで着いたなあ。駅で入手した路線図もあてにならんわい。
ところで、こないだ牛さん達がおうちに帰るところに出くわしたんだが、厩舎への入り口が狭くて牛渋滞が起こってて、そしたらそれを待ってる間も牛たちは寝ているのであった。君らずっと寝てんねんから、家に帰るときのちょっとぐらい立って待っときいな。厩舎への入り口の前で牛が寝ている様子は大変こっけいだった。
さらにところで、オランダに牛が多いのはいいとして、馬もかなりたくさんいる。でも、オランダ競馬ってあんまり聞いたことないなと思って聞いてみたら、やっぱり競馬は全然盛んじゃなくて、この馬たちは乗馬用なんだそうな。乗馬用にしてはようけおるな。あと、羊も多いけど、これもそう頻繁には食べなくて(でも、馬よりはよく食べるらしい)、主に毛皮用らしい。そして、ロバも結構いたりするんだが、奴らは何用なんだろう。ロバが英語で言えないので、これは確認できず。
ということで、約束の時間の15分前ぐらいに駅について、バスはすぐ分かったものの、もよりのバス停に着いたらほぼ10時半(アポは10時半)。これは、道を間違うことは絶対に許されんぞ、と思って、一緒に降りた人に「TNOってどこ?」って聞いたら、「自分も行くとこだから一緒に行こう。ひょっとして日本人?」「そう」「じゃあ、きっと今から私とミーティングする人やな。私は今から日本のガス会社の人とのミーティングに出るために向かってるところなので。一足お先にNice to meet you.」てなことになった。これは、電車乗り遅れてかえってよかったぐらいかもしれんな。この人いなかったら、多分別の建物に行ってた。
で、今日はTNOでお昼をごちそうになったが、ごちそうといっても、Van Hallでいつも食べてたのと同じで、スープ、パンに揚げ物を挟んだの、牛乳(ハーフファット)、リンゴというメニュー。これがティピカル・ダッチなので、ランチといってもこんなのでごめん、て言われたが、ある意味懐かしい感じがした。
さて、ミーティングも終わって、これからどうしようかな、と思ったら、地球の歩き方にApeldoornが載ってることを発見。と言っても、見所は一つしか載ってないんだけど、その唯一の見所の王宮とやらを見に行くことにした。行くのは簡単だったんだが、王宮だけにだだっぴろい庭があったり、馬がいたのでそれに誘われて見に行ってしまったりして、またもやめちゃめちゃ歩いてしまった。今日は、オランダの中学生か高校生(すでに、みんなめちゃでかい。でも、顔はあどけないので、中学生の可能性もあり)の遠足か課外授業かなんかと重なったみたいで、行くとこ行くとこでオランダ語の説明を聞いてる集団に行く手を阻まれて、どうせこっちゃなんもわからんのに、やけにじっくり見る羽目になってしまった。
感想は、まあ、立派ではあるが、やっぱりベルサイユやシェーンブルンには及ばんな、という感じで、あまりお薦めではないな。これまた、ミニベルサイユっていう感じが否めないし。ただ、オランダに来てから教会か美術館ばっかりだったので、新鮮な見せ物ではあった。ちゅうても、「おーっ」と言ってしまうようなわけのわからんでかさとか、わけのわからん派手やかさがないんだよねえ。この、王宮でもちょっとつつましいあたりが、フランス人とオランダ人の性格の違いか?(めちゃめちゃ勝手な推論だが)
王宮からの帰りも、バスの乗り方失敗してまたもや無駄にめちゃめちゃ歩かされたんだが、まあ、あえて書くほどのことでもあるまい。
で、帰りの電車はほとんど寝てる間にユトレヒト到着。駅で荷物を出そうとすると、西洋人のお姉さんがコインロッカーの使い方が分からなくて困ってる。で、「これはこうやるんだぜ」って教えてやった。もう、俺もオランダ名人やからね。って、俺も使い方を今朝覚えたとこやねんけど。
インターネットカフェに寄った後、重い荷物を持ってるのでタクで今晩だけ止まる予定のホテルOuwiへ。今度はちょっとはホテルらしいホテルかと思ったら、いや、玄関にホテルと書いてある分だけホテルらしいっちゅやホテルらしいが、いや、フロントもあるんだからまあホテルと認めてやってもいいが、泊まるところはやっぱり民宿ですな。古いアパートの一室をたくさんに区切って宿泊施設にしてる。やはり、電話はない。
まあ、これでも文句はないんだが、駅からかなり遠いし、これで67ユーロはブリュッセルで泊まったホテルやユトレヒトのB&Bと比較するとちょっと高いような気がするな。フロントの兄ちゃんは英語があんまりしゃべれなくて、なんだか頼りないし。これなら、頼りになるママさんのいたB&Bのほうが上だと思う。
しかし、俺は会社の金でなんでこんな貧乏旅行みたいなことをしとるんじゃ?苦労した分だけ手当増やしてくれい。
で、ここは市街から離れてるので、レストランが全然なくて、えらい歩いてなんとかレストランを発見。ここで、オランダ流大量のポテト(マクドのポテトですが)のおいしい食べ方を発見。トルコ料理かエジプト料理かなんかそんなもんでよく出てくる、ケチャップ色の半透明のすごく辛そうで実はそんなに辛くないソースの中に刻んだタマネギが一杯入ってるソースをフライドポテトに一杯かけて食べると、ポテトが一気にあっさりした感じになって、たくさんでもすごく食べやすい。これはいける。マクドも新メニューとしてトルコ風ソース付きポテトを売り出したらはやるとみた。その前に、オランダのフリッツもあの大量のマヨはやめてこのソースにしたらいいのに。
そう言えば、オランダ人はこの大量のポテトをあのたっぷりのマヨで食べていながら、おでぶな人にほとんどお目にかからない。どうなっとるんだ?オランダ人はめったに外食しないらしいし、俺は外でばっかり食べてるから毎日こんな腹いっぱいになってるだけで、一般的オランダ人は実はつつましい食生活をしてるのかな?

10月11日(金)
今日は、2件の訪問をこなしたあと、コペンハーゲンへ移動する予定。この出張中最も忙しい日であった。
朝食が7時半からというので、7時半きっかりにレストランへ。どうも俺はパンを食べるのが遅いので、30分近くかかってしまう。結局、パンを1枚残しても30分かかってしまった。でも、このホテルOuwiの朝食はなかなかいけてた。でも、昨日27ユーロと書いたが、76ユーロとられた。やっぱりちょいと高い。
大急ぎでチェックアウトして、タクでユトレヒト中央駅へ。8:23のバスに乗ると、目的地のRIVMのすぐそばで止まってくれるらしいので、急いで荷物をロッカーに預け、バス停に猛ダッシュ。時間的には間に合ったが、ものすごい数のバスがいて、どこに目的の57番がいるのか分からない。しょうがないので、バスの切符売り場に並んでおおよその場所を聞いてそこへ行ったが、そこにもまたすごい数のバスがいて、なかなかみつからない。と、57番が走り去るのが見えた。残念。
というわけで、その次のバスに乗って、バスを降りてから徒歩15分。曲がる場所が分からなくて、紙を見ながらきょろきょろしてると、ある兄ちゃんが「あんたの行き先はまだまっすぐだ。俺も今から行くから一緒に行こう」と言ってくれて、またもや連れて行ってもらうことができた。彼は、スイスから来た抗生物質の研究者で、RIVMへきて3年目だそうな。自分も始めてきたときそういう紙を持ってうろうろしたと言っていた。
ということで、無事1件目の訪問が終わったが、11:30終了予定が、途中で話を切ったにもかかわらず12:15に終了。再び徒歩15分のところを急いで走って、バス停へ。RIVMの人もなんだかごっつい資料を3冊もくれたので、かばんがめちゃ思い。
スーツケースを取り出して、今度は、13:22発の電車でAmersfoortへ行く予定で、飯を食う暇はなかったが、なんとか間に合った。と思ったら、まだこの電車はどうやらこうやら放送がかかってる。もちろんなんのことやらわからんが、掲示板には15分遅れと出ている。遅れるだけなら許してやるが、またAmersfoortには行かないとかやったら困るんだけどなあ、と思いながら、その間にサンドイッチを購入。なんとか15分遅れでほぼ2時にAmersfoort到着(アポは2時)。アクシデントが起こったときに言葉がわからないと困るねえ。放送が鳴った瞬間に誰か横にいたら、「今なんて言ったの?」って聞くが、後から、「さっきの放送なんて言ってたの?」って聞くのは難しい。その人がその放送聞いていたとは限らないし。
あわててタクで次の訪問先DHVへ。なんとか俺は予定通り動いたのに、ちょっと遅刻してしまったで。
DHVで、受付のおばちゃんに「ミスターエメンとアポをとってるので連絡してくれ」と言ったが聞き取れないようなので、3回ぐらいいろんな感じで「エメン、エメン、エメン」って言ったら、ようやく分かった様子で何やら調べ始めたが、社員にエメンちゅう人がいなかったようで、「もう一回名前教えてくれ」っていうので、「エメン」て言いながら紙に書いてある名前を見せたら、「オー、エメン」って、だからなんべんもエメンて言っとるやないかい。今回に限らず、何がわからんのかわからんが、俺がオランダ人の名前を言ってもほとんど通じたためしがない。むこうが理解したとき決まって「オー、○○」っていうリアクションをするんだが、その○○の発音と俺の言ってる発音は、俺的には全く同じなんだが。奥が深い。
無事に次のミーティングも終わって、今度はスキポール空港へ。フライトは20:00発だが、2時間前の18:00にチェックインしろと旅行会社で言われた。ミーティングが終わったのは、ほぼ5時。うーむ、あわただしい。
Amersfoort駅で切符を買おうと思ったら、切符売り場がない。なんぼ探してもないので、通りがかりの兄ちゃんに聞いたら、「確かにないな」って一緒に探してくれて、「前までここだったんだけど」っていうところへ行って張り紙を読んでくれた。改装中で、今は外の仮説切符売り場で売ってるそうな。ということで、切符を買ってダッシュでホームへ行ったが、すんでのところでアムステルダム中央駅行きの電車が行ってしまった。でも、17:30の、前半分、アムステルダム中央駅行き、後ろ半分スキポール空港行きという電車が来たので、まあ、そう18:30ぐらいには着くやろ、ととりあえずは一安心。と、濃いグラサンをかけた井上陽水みたいなガラの悪いおっさんが乗ってきて、「アムステルダム中央駅に行くか?」って聞くので、俺に聞くなよと思いながらも、この電車は前半分はアムステルダム中央駅止まりだが、後ろ半分はアムステルダム中央駅を通ってスキポール空港まで行くもんだと信じてたので、自信満々に「ヤー(オランダ語でイエス)」って答えた。おっさんは納得して俺の横に座ったが、怪しいと思ったようで、再度駅員を見つけてオランダ語で確認。その後、俺のほうを見てグラサンを外してにやっと笑って、「この車両はアムステルダム中央駅行かへんやんけ」。「ほんまか、ごめん」ってあしらっておいたが、スキポール空港へはアムステルダム中央駅を通らずに行く方法もあるらしい。しらんかった。
その後、しばらくこのおっさんとしゃべったが、仕事はなくて、ギャンブルで金を稼いでるそうな。何もんじゃ。趣味は車で走ることで、電車にはほとんど乗らんというので、「じゃあ、今日はなんで乗ってんねん」と聞くと、「250kmで走ってて、警察に捕まった(オランダの制限速度は120kmぐらいだそうな)。改造してたので、車も没収された。」んだって。「250kmもでつかまったら、いくら罰金とられんの?」って聞いたら、「罰金なんか払わない。刑務所に入れられた」だって。いろんな人がおるもんだ。おっさんは、途中の駅で、アムステルダム中央駅へ行く前の車両に移動していった。
18:15ぐらいに空港到着。いとも簡単にチェックインできたが、驚いたことに、スーツケースの中身を全く調べない。俺が爆発物を入れたスーツケースを預けて、飛行機に乗らんかったらどうすんねん。調べる不利ぐらいでええから調べてくれよ。
コペンハーゲンまでは1時間20分で、機内食が出るのかどうかわからんかったので、空港で軽食を。スープとパン1個(といっても、フランスパンにサラダを挟んだようなちょっと豪華目のやつ)とオレンジジュースで約1000円も取られた。高い。
まだ時間があるのでうろうろしていると、日本の新聞が売ってたので買ってみた。と、レジで「4.5ユーロ(約550円)」って言われて、「そ、そ、そんなに高いの?ならいらんわ」と返したかったがそれもあまりに恥ずかしいので買ってしまった。500円以上出したとなると一生懸命読まんと、と思って、久しぶりにほぼ隅から隅まで日経を読んでしまった。
飛行機はスカンジナビア航空だったが、飛び立つやいなや機内食を配り始めた。そこそこ本格的な機内食なので、このスケジュールでないと全員が食べれへんのだろうけど、日本の飛行機の間隔だと、まずジュース出してぇとかなんやかやしてから出てくるのに。
この飛行機のスチュワーデスさんの一人は、太ったおばさんだった。俺の中のスチュワーデスのイメージを覆してくれるなあ。外国の飛行機に乗るといろんなスチュワーデスがおるにはおるが、こんなおでぶな人は初めて見た。
別のスチュワーデスさんが、ビールをくれるときに「ありがとう」って日本語で言ってくれた。使い方は間違ってるが、好感度アップ。ここは、デンマーク語でありがとうと返す場面だが、俺はデンマーク語を一言も知らない。というか、デンマークでは何語が話されてるのかもこの時点で知らなかった。オランダに来ることで頭がいっぱいだったもんで、デンマークに関する情報が全く不足。コペンハーゲンについて知ってることと言えば、有本恵子さんが北朝鮮に拉致された場所やっていうことぐらいやなあ。
後で調べたところ、デンマークの言葉はデンマーク語であってた。ちなみに、ありがとうはタックだそうな。Yesはヤー、Noはネイで、オランダ語と一緒。基本的には英語に、というよりドイツ語に似てる。スウェーデンはスウェーデン語で、ノルウェーはノルウェー語らしい。この人達も大変やな。いっそのこと、英語かドイツ語にしといたらいいのに。
で、コペンハーゲン到着。入国審査も荷物の審査も何もなし。そう言えば、オランダでの出国審査もなかった。
無事これから3日間行動を共にする某社さんとも会えて、ホテルへ。スカンジナビア航空のホテルなので想像はしてたが、これまで泊まったホテルとは見違えるようなゴージャスホテル。もちろんモデムの口は付いてるし、さらにはブロードバンドのコネクタまで付いてた。24階で景色もいいし、やっぱり、せっかく仕事できたらこういうとこに泊まらんとな。(金を払ってみたら、3万円以上。怒られないか心配になってきた)でも、風呂入れたら湯が止まらんようになったぞ。
で、荷物を置いて服を着替えて、夜のコペンハーゲンへ。ホテルが推薦してくれたとやらいう店へ行ってみると、姉ちゃん3人がシャウトするライブをやってる店。オランダほどで多くはないが、立って飲んでる人もいる。でも、席に座ってる人達は、このやかましい中で楽しげに会話している。しょうがないので、我々も大声で雑談。そう言えば、日本語しゃべるのめちゃくちゃ久しぶりかも。(1人ドイツ人も混じってるので、英語も交えながらだが)オランダでしょっちゅう流れてた音楽がここでも流れると、大勢のデンマーク人が踊り始めた。オランダのディスコでも、これが流れるとえらく盛り上がっとったな。この曲はヨーロッパスタンダードなのかな。CDでも買って帰りたいところだが、もちろんなんちゅう曲かわからん。
残念ながら、既におなかいっぱいだったので、デンマーク料理は食べられなかったが、つまみのエビを食べながらビールとワインを飲んで、1時過ぎにホテルへ。ブロードバンドの使い方を研究するより寝たかったので、とりあえずコペンハーゲンのアクセスポイントに電話をして、久しぶりにホームページを更新。メールはなんと91件も溜まってた。なんとなく、いろんな意味で文化的な生活に復帰できた感じがする。

10月12日(土)
昨日は、結局2時に就寝。今日は朝9時出発なので、7時に起きて久しぶりに湯船につかってゆっくりと下半身浴なぞ。
ホテルから見るコペンハーゲンの街はなかなか素晴らしい。
どうでもいいけど、朝7時でも真っ暗なんですけど。秋分の日を過ぎてサマータイムはだめなんじゃないの?
で、サイト視察がてらコペンハーゲンの街を車で散策。
ここも、由緒正しそうな建物はいっぱいあるが、見て「ほー、これはすごい」と思うようなものはあんまりない。って、ほとんど車を降りて見たもんはないんやけど。マーメイドの銅像とやらが一番有名らしく、とりあえず写真を撮ってみたが、これを見るためにわざわざここへ来るか?っていう感じ。
ところで、オランダの女性はほんとにかわいい人が多いし、ブスがおらん、というのが印象で、「これって、実は単に俺が金髪女性が好きだけなんとちゃうやろか」という疑惑が持ち上がってたんだが、昨日からコペンハーゲンに来て観察していると、金髪女性率はコペンハーゲンのほうがオランダよりも高いが、コペンハーゲンには美人が少ない。というか、ほとんどいないという印象。こんなこと、デンマーク人が読んだらしばかれるかもしれんが、この日記をデンマーク人が読む確率はほぼ0%やろから、まあ、よかろう。
北欧の人って、目の上がぼこっと出てるのが特徴で、これのせいで、非常に目つきが悪く見える。で、必ずしも愛想が悪いわけではないようなんだが、普通にしてても愛想が悪そうに見える。どうやら、オランダ人がかわいく見えるのは、俺が金髪好きだからではないことが判明したようだ。北欧人とは明らかに人種が違うと思われるし、地球の歩き方にはゲルマン人と書いてあるが、ドイツ人ともちょっと違うような気がする。どちらかというと、フランス人(には金髪系と黒い髪系がいると思うが、その中の金髪系)と似ているが、フランス人よりも愛想がいいのが特徴というイメージ。
どうでもいいけど、コペンハーゲンめちゃくちゃ寒い。風がびゅんびゅん吹いてるし。でも、聞いてみると、これは穏やかなほうで、このぐらいの風はいつでも吹いてて、もっと強い時も良くあるそうな。この国はオランダ以上に風力発電が盛んらしいが、そら電力も発生するって。
その後は、あまりに寒いのと、土曜日で街の中心部に車をおける場所が見つからないのとで、ちょっと車で街をぐるぐる回った後、空港へ。昨日来たコペンハーゲンを早くも後にし、おつぎはパリへ。
と思ったが、パリはシャルル-ドゴール空港に到着しただけで、そっからレンタカーで北西のリールへ。結局、パリの街は見ず。
空港からリールまでの間は、ただひたすら畑ばっかし。フランスって、実は農業国だったのね、と実感した。それも、牛や馬が一杯のオランダと違い、ここはとうもろこしだかなんだかしらんけど、とにかく畑ばっかし。なんでフランスとオランダとでこんなにも生産する物が違うのかはよくわからん。しかし、空港に着いてからホテルに着くまで畑と雑木林しか見えなかったので、いくらドライブ好きの俺といってもさすがに面白くなかった。大体時速160kmで走ってたけど、「もっと早く走ってくれい」っていう感じであった。景色がな〜んにも変わらないんだもん。まだ、牛さんがいるだけオランダのほうがましやな。
リールのホテルに着くと、ここは四つ星のようだが、やはりGroningenの四つ星ホテルと比べるとえらくいいような気がする。
で、ホテルの人に「おいしいフランス料理屋を紹介してくれ」と言って予約してもらって、タクシーで15分ぐらいのフランス料理屋へ。フランスのフランス料理って、一口目はおいしいが、味がしつこくて、食べてるうちに嫌になってくるというイメージだったが、どうやらそれは安もんのレストランへいくからであって、おいしいところはおいしいということがわかった。このレストランの料理は、非常に薄味で、ヨーロッパのレストランにしては珍しく、食べ終わった後「まだまだ食べたいな」と思わせるものだった。それに、食べ放題のデザート(主にケーキ)が充実してて、結局5種類ぐらい食べたけど、どれもすごくおいしかった。今日の晩飯は、こっちに来て食べた中で間違いなく一番おいしかったな。値段も24ユーロなので、全然高くない(酒代は別)。
今日、フランスへ来てからフランス人の観察をしてたんだが、フランスの女性の間では片方の方を露出するのがはやってる模様。首の大きく開いた服を着て、片側に大きくずらして片方の方をむき出しにしてる人がいたり、最初から片側は脇までしかない服を着てる人がいたり。この季節でこれやから、夏はさぞかし露出度が高いんだろうと予想される。

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