カンボジア、ベトナム旅行記

2008810日〜16日まで、家族でカンボジアのシェムリアップ(アンコールワット観光の拠点都市)とベトナムのホーチミンへ旅行に行って来ました。日記を書くかもしれんと思ってパソコンを持っては行ってましたが、毎晩飲んでたのと、さすがにいろいろと気疲れしていたようなのとで、とてもパソコンを開く気にはならず、帰国後に書いているので、日記ではなく気付いたことや感想などをまとめて書いておくことにしました。

 

カンボジアとベトナムの比較

両国に行ったということで、「この二国はどう違う?」と人にも聞かれたし、自分でも考えてたんですが、

     シェムリアップは、観光のためにできたような、街としては新しい街

     ホーチミンは、今は首都ではないが、かつての南ベトナムの首都で、今でもベトナム一の人口を持つ大都市

ということで、この2つの街だけを見て、カンボジアはどう、ベトナムはどう、と評価するのはふさわしくないという結論に達しました。

なので、あくまで、シェムリアップとホーチミンの比較で言うと、

     シェムリアップのほうが、旅行者としては何かと安心感がある。

     物価はシェムリアップのほうが安いんだろうけど、ホーチミンも決して高くない。

     土産や自分用に買う物の趣味は、圧倒的にホーチミンが上。ホーチミンには、欲しい物がいっぱいあって、しかも安いんだが、シェムリアップでは「せっかく来たし、値段も安いから」という感じで無理矢理買ったという印象。中にはいい物もあるが、そういうのは先進国並みに高かったりする。

といったところで、あとは、テーマ毎に書いていきます。

 

シェムリアップの印象

「子供がうっかり草むらの中に入って行ったりすると、地雷を踏んでしまうんじゃないだろうか」「蚊がぶんぶん飛んでて、しかも、その蚊がマラリアを持ってる可能性があるからうかつに刺されるわけにもいかず、長袖、長ズボン、靴下の重装備で、かつ、虫除けを使いまくらんとあかんのじゃないだろうか」「ばっちぃトイレとか、扉のないトイレとか、紙のないトイレとか、そんなんしかないんとちゃうか」「子供には食うもんないんとちゃうか」などなど、限りなく不安はいっぱいあったんですが、シェムリアップという街は、我々旅行者が立ち寄る場所は、要するに観光客が来るからできた街であって、要所にちゃんとしたトイレが用意してあるし、道もまがりなりにも舗装されてるし(がたがたですが)、きれいなレストランもいくつかあるし、地雷はもう全くないらしいし(100%本当とは限らないが)、かなり安心して旅行できるところだと感じました。何より驚いたのは、蚊がほとんどいない。理由は分かりません。アンコールワットなんて、ほんとにジャングルの中なのに、蚊なんてほとんど見なかった。逆に、きれいな屋外レストランでうっかり蚊に刺されてしまったが、それが唯一蚊に遭遇した場所だったぐらい。マレーシアで行ったジャングルには、もっといろんな虫が飛んでたイメージなんだけど。ただし、やはりマラリアはあるらしい。「田舎へ行くと」ということだが、シェムリアップもそんな都市部が広いわけではもちろんなく、10分も走れば田舎感たっぷりの感じになるので、どのへんのことを田舎と言ってるのかがわからん。そういう意味では、やはり、蚊には刺されないほうがいいでしょう。

おっと、テーマ毎に書こうと思ったのに、うっかりいつもの癖でだらだらと書いてしまった。

 

ホーチミンの印象

ホーチミンを一言で表すと、「無秩序」。聞いていた通りバイクがめちゃくちゃ多いんだが、そいつが右へ左へ歩道へとめちゃくちゃに走るので、車もまともに走れないし、歩行者が道を渡るのは命がけ。これで事故が起こらないのが不思議なぐらいだが、2日間いて、かなり車で移動したが、一度も事故には遭遇しなかった。以前、中国に行った時は、「これじゃ絶対事故起こるで」と言ってたら、2日で2回事故に遭遇したのに。

今後、この人達が金持ちになって、バイクに乗ってる人が全員車に乗り換えたら、交通が麻痺することは確実。一国も早く地下鉄かモノレールを造るべきだと思う。2人のガイドの人に「そういう予定はないんですか?」と聞いたら、1人は「そういう予定はないです」って言うし、一人は「2012年に完成します」って言うしで、安いツアーを選んだせいか、日本語ガイドの日本語力が非常に拙く、向こうのしゃべることもあんまりわからないんだが、こっちの質問にはほとんどまともに答えてくれないので、どれが正しいんだかよく分かりません。

偏見かもしれないが、共産主義のせいか、人々(特に、店員やホテルのボーイ)に笑顔が少ない印象を受けた。百貨店の扉が自動扉ではなく、ガードマンみたいなおっさんが、客が来たと思ったらさっと開けてくれるんだが、軍服みたいなのを着たおっさんが無表情で開けてくれるもんだから、何かされるんとちゃうか?と、なんだか不気味。

 

以下、一部だぶりますが、テーマ毎に書いていきます。

 

地雷

シェムリアップ周辺には、もう地雷は全くないそうな。タイとの国境は、今でも国連に仲裁を求めるぐらいもめてて、というか、まだ国境が定まってない場所があるらしく、そのあたりにはまだたくさん地雷があるそうですが。

 

マラリア

田舎へ行くと、やはりマラリアはあるらしい。ただし、アンコール遺跡群のジャングルの中でも、ほとんど虫を見なかった。よって、我が家や実家で水まきをする時みたいに、長袖、長ズボン、靴下で重装備して、それでも手とか顔とか出てる部分を蚊に刺されるような感じでは全然なく、半ズボンに裸足で観光してる人もいっぱいいました。スコールで下がぐじゅぐじゅになることもあるので、下は裸足のほうが楽ではありますが、水たまりにはかなり怖い菌がいる可能性も十分あって、もし足に傷でもあったら、そこからとんでもない菌が入る可能性もあると思われるので、個人的には裸足は避けるべしだと思いますが。ちなみに、ケニアでゴルフした時、「池にボールが入ったけど拾えそうな時とか、カップの中に水が溜まってるカップからボールを拾う時など、絶対に自分で拾わずキャディに拾わせるように」と、強く注意されました。熱帯の国は、そのへんやっぱり怖いみたいです。命に関わるのでご注意を。

 

豆知識1:地名(シェムリアップ)の由来

豆知識ですが、シェムリアップは、昔タイ(当時のシャムの国)に攻められ、取られてしまったんですが、その後シャムを追い出して取り返したことから、「シャム、リアップ」からシェムリアップになったそうです。リアップは分かったような分からないようなですが、再び上に追い返したぐらいでしょうか。

 

豆知識2:カボチャ

カボチャは、カンボジアから伝わったから「カンボジア」「カンボジャ」「カボチャ」ってな感じでカボチャになったそうです。ただ、調べてみたところ、原産地はアメリカ大陸だそうなので、クイズ大会にでも出場する人はご注意を。

 

通貨

カンボジアは完全にドル。一応、リエルという現地通貨があるんですが、強烈なインフレのせいか、全てドルで取引して、セントの代わりの小銭としてリエルを使ってる状態。1$=4000リエルということになってて、0.5ドルの物を買って1ドル払うと2000リエル返してくれるんだが、4000リエル貯めて、1ドルの物を買う時に4000リエル出してみたら、ちゃんと受け取ってくれた。

ベトナムは、一応ドンを使ってるが、多くの店ではドルでもOK1$15000ドンぐらい。100万ドンの服とか売ってて、「たっかー」と思うけど、よく考えてみたら7000円ぐらいだったりして、お金を払う時、一瞬えらくなったような錯覚に陥ります。

 

インフレ

両国とも、伝えられてる通り強烈なインフレのようで、嫁曰く、前の日49000ドンだったものが、次の日同じ店で50000ドンになってたそうな。カンボジアの公務員はドルで給料をもらうのでいいが、リエルで給料をくれる会社もあるようで、その人はかなり大変な生活をしてるそうです。

 

食べ物

カンボジア料理の印象は、マレーシアの料理に非常に似てる印象。大皿に長い米のごはんをどさっと入れて、そこに野菜炒めなり焼いた魚(大体、あんかけみたいなのがかかってる)なりを乗せて、カレーライスを食べるようにしてスプーンで食べます。現地の人は、手で食べるのかも。

たまにパクチーが入ってたけど、全体的にはめちゃ辛い物が出るわけでもなく、食べやすい料理が多かったように思う。印象的だったのは、カンボジアもベトナムもパン、特にフランスパンがとてもおいしい。どうも、フランスの植民地だったからおいしいパンが伝わったらしい。植民地も悪いことばっかりではないのね。

うちの子供達は、ほとんどパンと米ばっかり食って生き延びてました。

 

バイク

シェムリアップにもそれなりにいるが、ホーチミンのバイクの数は尋常じゃない。大きい通りで信号が変わる時なんて、足軽部隊が攻めてくるみたいな感じでバイクの大群がばーっとやってくるので、なかなか壮観。ちなみに、ベトナムでは2人乗りはOK3人乗りは不可ということになってるそうです。そう言えば、カンボジアでは5人家族が1台のバイクに乗ったりしてましたが、ベトナムではそこまでのはあまり見なかったかな。でも、2人乗りのバイクはかなりたくさんいました。

 

カッパ

雨期だったので、ほぼ毎日夕方にスコールが降るんですが、彼らはバイクがなかったら移動手段がないので、雨だからと言ってバイクの数が減ることはなく、逆に、全体にスピードが落ちるせいでより密度が濃くなる感じ。というわけで、カッパの文化が大変発達したようで、上からがぼっとかぶって、しかも、バイクのかごも覆えるような便利そうなカッパが出回ってました。いいやつ?は、バイクの前を覆うんだけど、ライトを隠してしまわないように、ライトの部分だけ透明のやつとかありました。また、日本には絶対にないカッパとして、二人の利用の、顔を出す部分が2つあるカッパがあるのには笑いました。それを持ってない二人乗りバイクでは、後ろの人は運転者のポンチョの中にもぐって、全く周りが見えない状態で乗ってました。あんなんで怖くないんかね。

 

うちの子供達の様子

今回の旅行の趣旨は、「骨の付いた魚は面倒くさいので食べない」とかなめたことをぬかすうちの子供達に、発展途上国の人はどんな生活をしてるのか見せてショックを受けさせることだったんですが、ぼろっちい掘っ立て小屋に住んでる人を見ても「あの家、楽しそう」とか言って結構喜んでたりして、かなり楽しそうに旅をしておられました。確かに、彼らをあの中に放り込んだら、それはそれでちゃんと順応して暮らしていきそうな気はしました。さすがに子供はかなり柔軟性があるもんだな、と感心しました。

しかし、日本に帰ったら帰ったで、あれは嫌いとか、暑いからアイスとか冷房とか、相変わらずなめたことを言って暮らしておられます。これも柔軟性の一種なのかもしれませんね。