IndiesParade補足資料(2)
 iTunes Music Storeとは、何?

 

ラジオは3月26日に収録しましたので、話している内容が現在と若干と違う部分があるかもしれません。ご注意ください。


Q1 iTunes Music Storeって何?

A1 コンピュータメーカであるApple社が始めた、有料の音楽ダウンロードサービスです。


 iTunes Music Storeは、コンピュータメーカのApple社が始めた、有料の音楽ダウンロードサービスです。2003年の4月にサービスが始まりました。

 当初はMacでしか使えませんでしたが、2003年のWindowsでも利用できるようになりました。ただし、現在の所日本ではサービスを行っていません。  料金の支払い方法は、一曲ごとに課金される「ペイ・パー・アルバム」方式で、月額料金などは必要ありません。また、提供される音楽ファイルはAACという方式を使っています。

Q2 iTunes Music Storeの前にも、有料音楽配信はあったよね?どうしてそれよりも普及したの?  

A2 価格が安く。コピーの制約が少ないからです。

 まず「音楽」の価格が違います。従来の有料の音楽サービスは、定額の会費を徴収していました。しかし、iTunes Music Storeは1曲99セントという非常に安い価格で参入しました。これがユーザにうけました。

 次に購入した「音楽データ」に対して制約が少ない点もあります。従来の有料音楽配信を利用した場合は、その音楽をCDに焼いたり、音楽データを音楽プレーヤに移動するには様々な制約がありました。

 しかし、iTunes Music Storeでは購入したデータを、CDに焼いたり、iPodに移動する場合の制約が非常に少なく、とても使いやすくなっています。(もちろん、購入した音楽データを、ファイル交換ネットワークなどで公開することはできません。)

Q3 なぜ、こんなにiTunes Music Storeの話題が多いの?

A3 今のところ、成功しているからです。

 iTunes Music Storeのダウンロード数は開始16日で200万曲を販売し、今年の3月には総計で5000万曲を越えました。この通りiTunes Music Storeは、非常に成功しています。

 とは言え、Appleがやっているような、一曲ごとに課金される「ペイ・パー・アルバム」方式が必ず良い方式とは限りません。例えば、月額料金で音楽コンテンツを提供している「Rhapsody」は、1日あたりの平均160万曲以上配信しています。今後はiTunes Music Storeのような一曲ごとに課金される「ペイ・パー・アルバム」方式だけでなく、定額制も普及してくるでしょう。(ただし、Rhapsodyの場合CDへの書き込みは1曲79セントとなっています。)

Q4 これだけ安いのに儲かるの?

A4 楽曲(ソフト)の販売だけでは難しいので、iPod(ハード)で儲けています。

 実は、これだけの数の音楽データを配信していても、それほど儲かりません。それでも、AppleがiTunes Music Storeを続けている理由は、同社が販売している音楽プレーヤ「iPod」にあります。

 現状で、iPodは重要な売上と利益の牽引役となっています。そのため、AppleはiPodの売り上げを増やすために、iTunes Music Storeを始めたと言われています。これは、iTunes Music Storeの仕組みを見るとわかります。

 現段階では、iTunes Music Storeで購入した楽曲を、再生できる音楽プレーヤはiPodだけです。iTunes Music Storeで買った楽曲をパソコン以外で再生するために、iTunes Music StoreのユーザはiPodを買うことになります。

Q5 日本でもやるの?  

A5 年末にサービスが登場する予定ですが…色々と問題があります。

 一部報道で日本でもサービスを行う予定と報じられましたが、色々と問題があるようです。これは、日本ではないのですが、欧州では著作権など色々と問題があるようです。日本でも同様の問題が持ち上がるでしょう。また、決済方法の問題を指摘する声もあります。

 

Q6 iTunes Music Storeは、インディーズミュージシャンに関係あるの?  

A6 将来的には影響が出る可能性があります。

 AppleのCEO(最高経営責任者)のSteve Jobs氏は、ローリングストーンズ誌のインタビューで、レコード会社に不満がある多くのアーティストと話したいと述べています。また、iTunes Music Storeでは大手レコード会社の楽曲だけでなく独立系の楽曲も販売しており、iTunes Music Storeを通して楽曲の販売を行いたいミュージシャンに向けたKnowledge Base文書も公開しています。

Q7 今後、iTunes Music Storeはどうなるの?

A7 iPodなどの動向次第で変わります。

 前述したとおり、iPodはApple社の稼ぎ頭になっています。しかし、他社がiPodより良い製品を出すことやハードディスクの価格低下により、必然的にiPodの値段は下がってしまい、iPodが儲からなくなる可能性があります。

 もちろん、Appleはそれ防ぐためにiTunes Music Storeを使って「囲い込み」をしているのですが、それがいつまで有効なのかわかりません。iPodが儲からなくなれば、iTunes Music Storeも大きく変わっていくことになるでしょう。

 

 

作成 横田真俊

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