「ワイヤレスブロードバンドの問題点」

今までは「無線LAN」は家庭用の製品がメインだったが、最近では徐々にオフィスに浸透してきており、さらに空港や喫茶店など公共の場で無線LANを使いインターネットに接続できる場所が増えてきている。 また、MIS(モバイル・インターネット・サービス)なども街角で「無線LAN」に接続できるサービスを準備している。喫茶店や街角で「無線LAN」が使えるようになれば、現在のセキュリティなど現在でも問題になっている部分の改善がさらに必要になる。 さらに、新しい「無線LAN」の問題点が出てくるのは間違いがない。

例えばバッテリィの消費量などは大きな問題になる。無線LANはバッテリィの消費量が多く。電源が確実に確保できない街角や喫茶店で無線LANを使えばノートパソコンやPDAのバッテリィがすぐに無くなってしまう可能性がある。「無線LAN」を家庭やオフィス以外で使用するには、このような電源の問題なども解決されなければならない。

さらに、ユーザーがこれから混乱するかもしれないのは、街角や喫茶店でインターネットに接続できるのは「無線LAN(IEEE802.11b)」だけでは無いということだ。「無線LAN」の混線の原因となっている「Bluetooth」や最近データ通信料金の定額化が進んでいるPHS、現在はコードレス電話技術に使われている「DECT」、さらに5GHz帯を用いた「IEEE802.11a」など無線規格はいくつも存在している。 ユーザーはこれらの中から自分の持っているPDAやノートパソコンに対応しているものを探しだし、さらに自分の持っている規格がモバイルに対応しているのかや、セキュリティやバッテリィがどのようになっているかなど、ユーザーはそれぞれの特徴を見極めて選択しなければならない。

また、ホットスポットを設置するお店や公共機関としてもどの規格のホットスポットを採用するかユーザー動向によって大きく変わっていくだろう。 無線LANなどのワイヤレス接続はこれから非常に重要なものになるが、ユーザーは多種多様の無線規格の中から自分にあったものを選択しなければならない。このような多種多様なデバイスの競合が「ワイヤレスブロードバンド」の普及の妨げになるかもしれない。

 


 

音楽業界の無駄な攻撃はいつまで?

いよいよ、音楽業界がNapster以外のファイル交換サービスに対して攻撃を開始 した。今のところ「OpenNap」以外に警告を送ってはいないようだが「OpenNap」 以外にもNapsterと互換サービスを行っているサイトやNapsterと互換性がないサ ービスは多数存在している。これらのサイトにRIAAからの警告文が届くのも時間 の問題だろう。

しかし、RIAAのこのような行動に対して疑問を持つ声は何度も繰り返されている。 確かに現在はファイル交換サービスの最大手はNapsterであり、Napsterと Napster互換のサービスを取り締まるのはファイル交換を止めさせるためには良 い方法かもしれない。しかし「Napster」を消してしまえば音楽業界はさらなる 怪物と戦うことになってしまう、その怪物とはもちろん「Gnutella」である。専 門家は何度も「Napsterを消すことで、Napsterユーザーがよりやっかいな Gnutellaに逃げ込む恐れがある。」と警告している。 音楽業界にとって幸いなことにGnutellaのソフトウェア達はNapsterほど洗練さ れたソフトではなく、その知名度とは裏腹にユーザー数は少なくNapsterほど大 きな影響力はない。しかし、最近ではソフトの改善が進みスピードの遅さなどの 問題点が改善されつつある。そのため、Napsterが停止した後はユーザーは Gnutellaに逃げ込む可能性が高い。

もちろんRIAAや音楽業界はGnutellaに対して何もしないというわけではない。 RIAAで海賊版対策専門の顧問を務めるジョナサン・ホワイトヘッド氏は 「(Gnutellaに対して)私たちには考えがあり、検証している最中だ」と語っ ている。どのような方法でGnutellaを取り締まるかはお話しすることができない としているが、Gnutellaを取り締まる方法の一つとしてGnutellaクローンを配布 しているサイトに対して警告文を送るという行動が考えられる。Gnutellaは確か に特定の会社や団体が管理しているわけではないが、Gnutellaクローンを配布し ているのは特定の個人や会社だ。Gnutellaのネットワーク自体を止めるのは難し いが、Gnutellaクローンの配布元に対して圧力をかけることでGnutellaの成長の スピードを落とすことができるだろう。 しかし、それでもGnutellaは完全に無くなるわけではないし、新種のファイル共 有ソフトはこれからも登場してくる。つまり、RIAAや音楽業界がどんなにがんば ったところで「ファイル共有」は完全に無くなるわけではないということだ。 RIAAと音楽業界はファイル共有を無くすことを考えるよりも、ファイル共有との 共存(もしくは利用)する方法を考えなければならないだろう。

[参考]

音楽業界がナップスター類似サイトの閉鎖をISPに要求
http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010224-3.html

米レコード業界,Napsterクローン撲滅に向けて動き出す
http://www.zdnet.co.jp/news/0102/24/b_0223_06.html



SUNのJxtaとP2Pはビジネスになるのか

Napster裁判と「オライリー・ピアツーピア会議」の中でも特に大きなニュースはSunの「Jxta」 の発表だろう。

Jxtaのプロジェクトは確かに多きな注目を浴びるだろうが、Jxtaを普及させるた めには様々な問題を解決しなければならない。 解決しなければならない問題には、世界中のプログラマーがSunの計画に取り組 むかわからないということ、Intelをはじめ他のP2Pプロジェクトや「.NET」など のwebサービスとどこまで戦っていけるのかということ、など様々な問題がある が、最大の問題はP2Pの一般のイメージである。

NapsterやGnutellaは言うまでもなくP2Pベースの代表的なソフトだか、これらの ソフトは「違法コンテンツを交換するソフト」というイメージがあまりにも強い。 P2Pを一般に広めるためには、P2P=違法コンテンツの交換というイメージを払拭 しなければならない。 次にP2Pが本当にビジネスになるのか完全に証明されていないということもある。 Grooveのようなソフトも登場しているが、まだ一般レベルでは使用されていない し、Grooveはまだβテスト中である。ビシネスにならないものは誰も使わないだ ろう。 さらにP2Pの利用に対してセキュリティの問題を感じている人達も多い。

また、 情報発信者にとってはP2Pベースのソフトを利用すると自分で自分のコンテンツ がコントロールできないのではと思っている人達もいる。 このようにP2Pが一般に受け入れられるにはこれらの問題とP2P全体のイメージを 向上させなければならない。SunのJxtaがP2Pをベースとするのであれば、今後行 うJxtaの説明の中でこれらの問題に対する解答を用意しておかなければならなくなるだろう。

 


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