NTTドコモのiモードの契約数が200万を突破した(1) 99年2月にサービスを開始して、その半年後の8月8日に100万ユーザーを突破し、 それから、わずか2ヵ月でユーザー数を200万に倍増した計算になる。 iモードというのは、通話だけでなく、携帯電話でインターネットにつないだり eメール送受信できるサービスのことで、そのほかにもオンラインバンキングができたり飛行機やコンサートのチケット予約ができる。 iモードは,加入者とコンテントが相乗効果を上げながら成功してきた。加入者は1日当たり約1万5000人のペースで,iモードWebサイトは1日当たり10〜20増加し,その数は現在約2000に膨れ上がっているという。 インターネットやパソコンといったIT分野では大きくアメリカ に遅れをとっていると言われていたが、iモードなどの携帯電話型の モバイル機器=スマートフォンはアメリカよりもはるかに普及が進んでおり いずれ、スマートフォンを中心として日本のまきかえしがあるという専門家も いるほどだ 日本の携帯電話の市場はとてつもなく大きく、郵政省の電気通信技術審議会 はPHSや従来の携帯電話を含む移動通信サービス全体の需要は2010年度末に8100万加入に達し、そのうち65%をIMT-2000が占める。その場合、2001〜2010年度のIMT-2000の市場規模は42兆200億円、2010年度の経済波及効果は9兆3000億円、同年度の創出雇用は56万8000人が見込まれることを明らかにした。 (2) この数字を見ただけでいかに携帯電話の市場が大きいかわかっていただけると思う。 また、2001年春に導入されるIMT-2000ベースのサービスでは,音楽やビデオの配信も可能となる。 スイスのジュネーブで10月10日から開幕した「Telecom 99」では日本の企業が様々な 携帯電話を発表した (3) 中には音楽を再生できたり、携帯電話を使ったテレビ電話ができるものまである。 ここまで様々なサービスが登場すると、これからは携帯電話一台でなんでも できてしまいそうな気がするが、本当にそうなのだろうか? 中には見た目が華やかな「映像のモバイル通信時代の到来」に懐疑的な人もいる。 「2010年モバイル進化論」の中で東京大学教授 安田浩氏は 「映像情報を流す事になれば、限られた電波資源の有効帯域はそれにとらわれる事 になり、本当に必要な情報をモバイルで流す事ができなくなる心配がある。」 「単に、技術の延長線でビジョンを描けばいいという問題ではない。利用者の立場から 厳しい検証が必要だ」と述べている。(4) 携帯電話などのモバイルはインデックスなどのモバイルにしかできない情報に 特化すべきであり、映像などのリッチな情報は家庭で光ファイバーといった 大容量電送できるものに頼るべきだという事だ。 また、携帯電話の形や大きさにも多少の問題がある。 現在の携帯電話は年々小さく軽くなっており、それが使いやすさや 「携帯しやすさ」になってきたわけだが、映像や長めの文章を 現在の携帯電話の液晶画面では小さすぎて見にくい。。 だからといって、ディスプレイを大きくすると全体が大きくなってしまう、 大きくなるとせっかくの携帯性が失われてしまう。 また、ディスプレイをカラー化すると、電池の消耗が激しくなる。 せっかく、鮮明な映像も短時間しか楽しめなくなってしまう。 さらに、携帯電話は情報を見たり音声を聞いたりする処理はすぐれているが メールなどの文書を打ったりするには不向きだ。 「PHSやIモードなどの文字メールサービスは人気ではないか」 という意見があるかもしれないが、これらはインターネット上のチャットを 意識して作られており、短い文を送る事を前提に 作られていて、長い文章を打つためには作られていない 定例文を利用したとしても10キーで1000文字以上の文章を作ろうとする 人は少数だろう。 携帯電話がどのような方向に進むか、まだわからないがヒントに なような事は実はアメリカで起こっている。 アメリカでは、携帯電話によるモバイルよりもパームサイズのPDAによる モバイルが主流になっているがこのパームサイズ市場全体では、マイクロソフトのパームサイズのコンピューターはパームと比べてカラーでWindowsとの連携も得意といった長所があるのにも関わらず、パーム・コンピューティングのデバイスがマイクロソフトのパームサイズPCに対して大幅に優勢で、70%以上のシェアを占めている。 パームはモノクロ画面でマイクロソフトの出しているパームサイズのPDAよりも 地味だが、バッテリィの持ち時間はマイクロソフトのPDAが6時間なのに対し パームの方は2ヶ月という驚異的な持ち時間を保つ。 もちろん、パームがパームサイズ市場でマイクロソフトよりも勝っている理由が バッテリィの問題だけではないが、大きい理由である事は間違いないだろう。 さて、このパームサイズのPDA。アメリカでは、 かなり人気でアメリカのモバイルの中心と言っても過言ではない。 日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、ジワジワと人気が 出始めている。 次回はパームサイズのPDAが携帯電話やインターネットと組合わさり どのようにモバイルシーンに組み込まれていくか、考えてみたい。 |