モバイルの過去・現在・未来




モバイルコンピューティング推進コンソーシアムは 携帯電話/PHS、携帯情報端末やノート型パソコンなどを使う 「モバイル・コンピューティング」の市場予測値を モバイル環境でデータ通信を行う“モバイル・ユーザー”は急増し、99年度(99年4月〜2000年3月)が1440万人、2000年度が1742万人、2001年度には2054万人に達すると予測した。

モバイル・ユーザー数が急増する最も大きな要因は、携帯電話/PHSによるメッセージ・サービスや電子メール・サービスなどの普及。ノート型パソコンや携帯情報端末を利用するモバイル・ユーザーの増加より、携帯電話/PHSユーザーの増加の方が顕著だと「モバイル・コンピューティング」は発表している。(1)

また、gooが行ったアンケートでは7916人中48.5パーセントの人が モバイルユーザーであると答えており、「あなたがモバイルユーザーになってどれくらい経ちますか?」という質問で、「2〜3年」1,647名(42.9%)、「1年以内」1,136名(29.6%)と3年以内のユーザが約7割を占めており。モバイル活動がここ2.3年で 急速に普及した事がわかる。

さらに、『利用パターン』は、「携帯電話での電話」3,251名(84.7%)、「携帯電話でのメール」1,469名(42.9%)、と「携帯電話」でのモバイル活動が急速に伸びている ている事がわかるだろう。

最近、このように携帯電話を中心にしたモバイル行動が注目されている。 では、なぜこのようなモバイル活動が盛んになり、今後どのように 発展していくのだろうか?

今回は携帯電話を中心とした、モバイル機器=情報端末が
 過去=どのように発達してきたか?
 現在=どのように活用されているか?
 未来=どのような姿になっていくか?
を考えていきたい

1 モバイルブレイク前夜。携帯電話の発達



携帯電話/PHSの累計加入者数(速報) (平成11年10月6日発表:平成11年9月末現在) によると、携帯電話の累計加入者数は45,564,100 PHSの累計加入者数は5,697,600に 合計で5000万台を突破した。(1)

これほどまでに携帯電話が 普及したのには以下の3点が重要な点であると考えられる。
a 端末の価格、通話料が安くなった。

b 端末が小さく、常に身に着ける事ができるようになった。

c 電話以上の機能を持つようになった。




「a 端末の価格、通話料が安くなった」



79年暮れに登場した日本初の自動車電話の基本料金が月額基本料金3万円だから、 1年間持っているだけで、36万円、文科系私立大学入学金(当時)とほぼ同額が必要だった(3)ちなみに、当時の大卒の初任給で11万円、携帯電話料金が高かったか わかると思う。
表1の携帯電話の累計加入者数を見ると、94年と95年の加入者数を見ると 430万台から一気に1千万台を突破している。 これは、94年にデジタル携帯電話サービスがスタートし、 TU−KAやデジタルホンが新たに参入し、 従来よりも競争の余地が広がる結果となった事や

料金も従来のレンタル方式から買い上げが一般的となり、家電量販店などに並ぶこととなった事

事業者が増えたことにより、通話料金、新規加入料金、月額基本料金などが相次いで値下げされれ、料金も日常的なものとなった事

インセンティブ(5)の導入により、端末の値段が非常に安く(時には1円、5円などタダ同然で)買えるにようになった事。

などがあげられる。

携帯電話の普及と携帯電話の料金と関連姓が高い事は表2の PHSの累計加入者数を見てもわかる。 95年から96年のPHSの累計加入者数を見ると 150万台から一気に600万台と携帯電話以上のスピード で普及していた事がわかる。 これはPHSが携帯電話よりも、割安に通話料が使えたためだ。

しかし、97年に入ると成長率が鈍くなり、98年に入ると 加入者が現象してしまう。これは、携帯電話が相次ぐ値下げのために 料金的に見ればPHSと大差がなくってきて、PHSから携帯電話に 乗り換えたのだと考えられる。(6)

携帯電話の累計加入者数 表1(1) (出所:郵政省・電気通信管理局)
1989年 489,558台
1990年 868,078台
1991年1,378,108台
1992年1,712,545台
1993年2,131,367台
1994年4,331,369台
1995年10,204,023台
1996年20,876,820台
1997年28,745,124台
1998年38,998,000台






(1)モバイル利用者が2000万人以上に---MCPCが3年後の予測値発表

(2)電気通信サービスにおけるプライバシーをめぐる諸問題

(3)毎日新聞、基本料金、私大入学金並み

(4) 性、学歴別初任給額の推移(産業計、企業規模計)

(5)インセンティブ=報酬金制度の事、
販売店が新規契約を獲得すれば1件あたり数万円のインセンティブが電話会社から販売店に支払われる。 つまり、端末の仕入値分を販売店側が負担してもトータルでは採算が合う。 そのため、電話端末を無料で配っても採算が合うのである。 更に、契約者が毎月支払う通話料金からもバックマージンが得られる。そのため多くの新規独立者が携帯電話販売事業に参入して、それなりの成果を収めている。

(6)「PHSと携帯電話の代替性に関する実証的研究」

(7)前掲載、毎日新聞、基本料金、私大入学金並み

(8)携帯/PHSのデータ通信、ショートメッセージが人気 通信機械工業会が利用実態調査

(9)NTTドコモのiモードの契約数が200万を突破

(10)わりかん君

(11)IBMが柔らかいトランジスタを開発

(12)HMD →ヘッド・マウント・ディスプレイ。

ヴァーチャル・リアリティ技術のために、完全な視野を得る方法の一つとして考案されたディスプレイ装置。両眼にそれぞれ専用のディスプレイを用意し、顔面に装着する。液晶を用いた低価格のシステムと、高解像度の小型CRTを用いるタイプがある。網膜に直接レーザー光を当てる方式も研究されている。左右のディスプレイにはそれぞれ視差を持った映像が表示され、自然な立体感が得られる。磁気もしくは機械式センサーによって、見る人の回転や移動を検出し、リアルタイムでCGを出力することで移動感も表現できる。

(13) ウェアラブルコンピューターの最先端動向を探る−−第3回ISWCレポート

(14)位置情報サービス専用端末「P-doco?」発売

(15TEPIA第12回展示“暮らしのデジタルインパクト展〜変わる21世紀の日本”が開催


リンク確認は11月7日です。

1999/11/07

作成 横田真俊

作成協力 松島和彦

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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