第三回四国高等学校演劇祭

会場  川之江市民会館大ホール

2002年7月28日

 

 松山南高校  「ホシより永遠に」   矢葺晋也 作 
 阿南養護学校ひわさ分校   「まじめにヤレ」     紋田正博 作
 高松工芸高校  「やっぱりパパイヤ」  阿部 順  作
 川之江高校   「冬の妖精」       越智 優  作


 「ホシより永遠に」
    松山南高校
   一昨年、松山南高校が四国大会に出場したときの脚本。小林、中池の二名は、前回と同じ役者だが、他の三名は入れ替わっての上演。「再演ではなく、新しく作った劇」とは演出を担当している方の談。
 ある高校の演劇部を舞台にコミカルに展開するラブストーリー。舞台上に部室をそのまま再現したような道具の数々が面白い。台詞と動きのテンポがとてもよい芝居だった。随所に会話や動きの面白さがちりばめられており、幕が上がってすぐに客席は笑いに満たされた。
 入れ替わった3人の演技もとてもうまくこなしていたと思う。小林役の矢野さんは2年前と比べて格段に演技がうまくなっていた。ただ、ある意味で前回のほうが「入部したての後輩」という雰囲気があった気もする。中池役の乗松さんは相変わらずいい味を出していました。特に今回は、笑顔がすてきでした。
 

 

 

  「まじめにヤレ」
 阿南養護学校ひわさ分校
今年の全国大会に出場する作品。簡易トイレに腰掛けて、憲法や教育関係等の法律、最新のニュースなどを読み上げていく朗読劇。後には国旗をはじめさまざまな旗がたくさん吊るされ、舞台前面では長い紙に日の丸を思わせる赤丸の紙を貼り付けていく。
 昨年の四国大会に続いて2度目の観劇だが、演ずることを超えた演劇という構図と、その内容の両方から発せられる強いメッセージに改めて衝撃を受けた。
 四国大会版から多少変更があったらしく、全体としてわかりやすくなった印象を受けた。もちろん、2度目ということもあるのだろうが。ただ、今回の紙に貼り付ける赤丸よりも、前回の延々と書きつづけていく赤丸の方が個人的には好きだったのだが。
 今回の公演とは離れるが、養護学校からの全国大会参加、それも、参考作品としてではなく、他の高校と同じレベルでのコンクール参加は、今後の特殊教育の学校とその他の学校のかかわりを含め新たな可能性を予感させる出来事である。ぜひ全国大会でも頑張って欲しいと思う。

 


「やっぱりパパイヤ」
    高松工芸高校
 昨年の全国大会に出場した千葉県の薬園台高校の作品。
 演劇部の娘と、娘に嫌われ、まともに話をしてもらうことも出来ないお父さんの物語。
 今回の演劇祭への参加は、高松桜井高校、観音寺第一高校の各演劇部の協力を受けてのもの。こういった、高校間の協力・交流は、コンクール形式ではない、演劇祭ならではといえる。
 脚本自体、遊び心満載の作品ではあるが、さらにそれを今回の演劇祭にあわせてアレンジし、見ていてとても楽しめる作品であった。役者の演技も、テンポが良く、それぞれの役の個性をうまく捕らえていて好感が持てた。

 


 「冬の妖精」
  川之江高校
 昨年の高校演劇全国大会で最優秀を受賞した「七人の部長」と同じ越智さんの脚本。
 舞台はスキー場のペンション。歌手になるために家を飛び出したがこっそり帰ってきて来ているオーナーの娘、響子。そのことを必死に隠そうとする従姉妹のミドリを中心に物語りは進む。
 役者のレベルは全体として高く、特に主役ミドリ役の森実さんの演技は、役者としての持ち味を十分に生かしていたように思える。
 上演終了後、数人の観客に話を聞いたところ、脚本に関しては、評価が分かれるようだ。各場面の完成度は高いのだが、全体として90分を超える作品としては、雰囲気が単調な面が気になるところではあった。最後に登場する登山家も演技はとてもよいのだが、位置付けが少し微妙な気がした。ただ、話自体はとても面白いものだと思う。善の心・悪の心の使い方も、気が利いていて、すっきりしたところが好感が持てる。全体をもう少し整理して60分程度の作品とすればとてもよい舞台になるのではないかと思う。
  

 


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