医王山 吉祥寺本堂落成慶讃之文

 敬って真言教主大日如来両部界会諸尊聖衆、殊には本尊勝者薬師瑠璃光如来日光、月光菩薩等諸大眷属並びに当山鎮守護法善神、総じては仏眼所照一切三宝の境界に白して言さく、夫れ以れば徳を樹て福を招くは仏像を造るに超へたるはなく、信を起こし善を修するは伽藍を建立するに勝れたるはなし、茲に医王山吉祥寺は寛永年間、宥應上人が霊水の湧くを発見し、一宇を建立
 薬師如来を勧請し、衆病悉除の祈祷場とされ、以後、庫裡、客殿と整え今日まで脈々と法を継ぐ、如れども永年の風雨に本堂も破損し、平成十七年檀信徒諸氏の篤い思いを結集し再建を発願、約一億円の浄財を以って旧来に勝る本堂が本年六月無魔完工す。汗を流しての浄財勧募と工を励まし、材を督して日夜励み此処に落慶の法会を開筵す、法縁をもって高野山真言宗、先の法会部長、高野山三宝院 飛鷹全隆上綱様に御導師として御新修いただき、結衆、法類、法縁の寺院諸大徳御出仕のもと一座の法会を厳修す、これ偏えに、檀信徒諸氏、総代世話人役員建築棟梁、工事関係の一同更には本日参詣の善男善女の熟誠の至るところとなり。
 仰ぎ願わくは本尊薬師瑠璃光如来を始め、三世諸佛此れを照鑑し功徳を垂れ給い、災禍を調伏し、伽藍安穏、当山繁栄、万民豊楽を成就せしめ給わんことを乃至法界平等利益

維時平成二十二年十月二日

医王山 吉祥寺住職 全有 敬白