文章修行家さんに40の短文描写お題

※お約束

・65文字以内
・「モノローグ(内面描写/心の声)」「抽象性」「理論理屈の語りの排除。
・描写から「場面」が想像できるようにする。

 以上を出来るだけ心がける。



00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。

「KIRINONLY」の樹林です。
情景描写は果てしなく苦手ですが出来るだけ頑張ります〜!



01. 告白

ビクトールは決意したように顔を上げる。そうして、自分を訝しげに見るフリックを見詰めた。その真摯な眼差しにフリックは思わず息を飲んだ。



02. 嘘

嘘が苦手なフリックの視線が泳いでいる。それを見て取ったビクトールはひっそりと笑う。そしてその嘘にわざと乗ってやろうと大仰に頷いた。



03. 卒業

城主の少年の背を見送る。これから彼は己の運命に独りで立ち向かうのだ。もう自分たちの手は必要ないのだと思い、二人は苦く笑ったのだった。



04. 旅

随分と旅慣れたような二人である。行き先は決まっているのかと訊いてみたところ、そんなものはないのだと笑って彼らは去っていった。



05. 学ぶ

戦士の村にいた自分は、闘いにおいては充分に学んできたのだとフリックは自負していた。だがまだまだ学ぶべき事は多いのだと思い知ったようだ。



06. 電車

見た事もない大きな鉄の塊を、二人はただ声もなく見上げていた。しかしこれで旅も楽になると顔を見合わせて笑い合ったのだった。



07. ペット

最近ペットが流行っている。傭兵稼業の自分が飼える筈もないと寂しくも思っていたのだが、隣にいる男を見ているとそんな気も削がれるのだった。



08. 癖

自分では癖は気付かないものだ。揶揄われるように、相棒の頭を撫でるのが癖だなどと言われたビクトールが、酷く驚いた顔になるのも仕方ない。



09. おとな

こんな大人にだけはなるんじゃないよ、とレオナが腐れ縁の二人を指した。それに彼らは、失礼な事を言うな!と大人気なく怒り出したのだった。



10. 食事

マナーもへったくれもない席だったけれど、ビクトールとフリックとの
食事は楽しくて。また一緒したいなと思わせる時間だった。



11. 本

フリックは意外と本を読むのが好きである。そして本を読むフリックを眺めるのは、暇を持て余しつつも案外好きだと思うビクトールであった。



12. 夢

どんな夢を見ていたのか、と問い詰めたいビクトールではあったけれど。こうしてちゃんと温もりは隣にあるのだと、そう思い直して目を閉じた。



13. 女と女

女と女の闘いにはどんな些細な事でも決して口を出すな。そう相棒に言われたのを、出してしまった後に思い出してフリックは大いに後悔した。



14. 手紙

淡い水色の擦り切れた古い手紙。宛名にはオデッサ、差出人はフリックとある。中身は見ずとも解るような気がして、ビクトールは目を眇めてみせた。



15. 信仰

フリックのオデッサへの想いは、まるで信仰のようでもあるとビクトールは感じていた。それを微笑ましくも思う反面、危険であるとも思う。



16. 遊び

どうせ遊んでいるんだろ、とフリックが怒り出した。その横顔に笑ってみせながら、ビクトールは胸中で本気なのだとひっそりと呟いていた。



17. 初体験

男とはした事がないというフリックに、じゃあ俺が教えてやるよとビクトールは笑った。だが、そういうビクトールとて男とは初めてなのである。



18. 仕事

傭兵なんてどうせ人を殺すのが仕事だろう、とそう言われてそうだなと頷く。けれど、決してそれだけではないのだとフリックは拳を握り締めた。



19. 化粧

潜入捜査をするのだと、オデッサが珍しく化粧をしていた。それに見蕩れて呆然とするフリック。そしてその後ろで苦笑を洩らすビクトールがいた。



20. 怒り

決して見せたりはしない。けれどあの男はその身の内に果てしない怒りと憎悪を隠し持っているのだ。それを少し位、自分にだけは見せろとフリックは言いたかった。



21. 神秘

黙って小奇麗にしていれば、神秘的にも見えなくはない。そんな容貌を持つフリックだったが、至って本人は身形には関心がないようである。



22. 噂

ビクトールとフリックはできている。そういった噂が同盟軍の城でしめやかに流されていた。ただそれを、事実だと知る者はそういない。



23. 彼と彼女

精一杯、全身全霊を掛けて。彼女を護っていた彼をビクトールは知っていた。その彼と彼女が、寄り添い、笑い合う姿を見る事はもうないのだ。



24. 悲しみ

尽きる事のない悲しみがフリックの身を浸す。それを拭い去るにはどうすればいいのか。その答えが出る事はなくて、ビクトールは奥歯を強く噛み締めた。



25. 生

自分を生かすのは、亡き女への想いだ。そして…と思い、振り返ったフリックの瞳に。見守るようにして在る、ビクトールの姿が焼き付いた。



26. 死

きっと生きる事は、死ぬ事よりもずっと辛くて苦しいものなのだ。それを知っていて、それでも生きろとビクトールはフリックに告げるのだ。



27. 芝居

大層芝居掛かった台詞だったけれど、その温かい心根は充分に伝わってきたので。フリックはやっと、ビクトールへと笑顔を向ける事が出来た。



28. 体

体を繋ぐ事から始まる恋もあるのだと、フリックは渋々ながらも認める事にした。認める事でまた、何かが始まるという予感さえも感じながら。



29. 感謝

言葉にさえも出来ないし、出来たとしても上手く伝える事など到底出来ないであろうその気持ちを。言葉ではなく抱き締める事で相棒へと送った。



30. イベント

子供のお守りは大変だ、などと言っておきながら。腐れ縁の二人が実は楽しんでいるのを悟ったヤマトが呆れたように、けれど嬉しそうに笑った。



31. やわらかさ

きっと固くて、カサついてたりもするだろうと思っていた唇は、思ったよりもずっとやわらかさを持っており。くらりと甘い眩暈がフリックを襲った。



32. 痛み

痛みを伴うこの行為は、けれど痛みだけを齎すのではなく。流され、溺れそうになるのを必死に耐えて、フリックは男の背をしっかりと抱き締めた。



33. 好き

どうして、どこが、という問いに。全部、と臆面もなく言って笑うビクトール。その笑顔が好きなのだと思ってしまったフリックの顔が少し赤く染まった。



34. 今昔(いまむかし)

ミューズからトランへ。昔辿った道と同じ道を往きながら。今と昔ではこんなにも景色が違う、とビクトールは隣の男を見詰めながらそう思った。



35. 渇き

喉が渇いた、と水を呷ったフリックの口端から透明な雫が伝って落ちた。それを眺めるビクトールに、フリックとは違う渇きがじわりと湧き上がった。



36. 浪漫

裸エプロンは男の浪漫だよな!とビクトール。その手にエプロンがしっかりと握り締められているのを見たフリックから紋章のオーラが迸った。



37. 季節

花が咲き、蝉が鳴き、落ち葉が積もり、雪が舞う。目に映り過ぎ行く景色が美しいのは、きっと隣にいる男のせいだろう。その想いは酷く心に沁みた。



38. 別れ

水路から続く海を見詰めていたフリックが振り向いた。何も言う事はなかったけれど、それで別れを済ませたのだとビクトールはそう思った。



39. 欲

欲を言えば、気持ちに応えて欲しい。抱いたり、キスをしたりしたいと思う。けれど、ただ傍にいてくれる。たったそれだけでも本当は構わないのだ。



40. 贈り物

貰ったものは、勇気と強さと優しさと、それから他にも数え切れない程たくさん。けれど二人は恩をきせる事もなく、きっとただ笑うだけなのだ。



***
む、難しかった〜!とにかく文字数が少ない!
そして頭が悪いのでモノローグとやらがどこからどこまでなのか良く解りませんでした。
文字数も守れてないのもあるし、もっと精進しないとなー
でも楽しかったです!


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