Project Kとは


Project Kの意味
Project Kとはそのまま訳すと(Kidoワイナリー)計画。つまりKidoワイナリー立ち上げという一大計画の集大成となるべきワインとして名づけたワインの名前です。
その言葉の中には世界のトップに挑戦するワインという強い思いが込められています。
今までのワイン造りの常識だとかセオリーにとらわれず、そのぶどうやワインと日々真剣に向き合いながら感じるがまま、思うがままにワイン造りをしていきます。
私が師と仰ぐ故 麻井宇介氏が亡くなる前に語った言葉にこんな言葉あります。
「ワイン造りの教科書に書いてある醸造方法はあくまでも1つのやり方にすぎない。言い換えてみれば失敗しないやり方ではあるがベストなやり方ではない。そのようなやり方では本当に人を感動させるワインはできないんだよ。人を感動させることが出来るワインとは造り手の五感によって造られたワインなんだよ。」
Project Kはこの言葉を実証するためのワインでもあります。


Project Kが出来るまで
Project Kはすべて私(城戸亜紀人)の手から造られます。もちろんブドウは自社農場の垣根栽培のものが使われます。

最初のProject Kは2001年春に自社農場に苗を植え、一昨年(2003年)秋に初収穫されたメルローです。
ワイン造りの教科書にはブドウの木の樹齢が10年を超えないといいものが出来てこないと言われていますが、それは間違いだと思います。ブドウの木を植えてから3年目の初収穫やその次の年には大変すばらしいブドウが収穫できます。
これは今、日本の熱意ある若い栽培家たちが口をそろえて言う事実なのです。
2003年秋、まだKidoワイナリーは建設出来ていなかったため小布施ワイナリーさんの設備を貸してもらって仕込みをしました。
発酵終了後、すぐにオリごと樽へ入れてしまいました。通常のワイン造りの常識では考えられないことです。通常は発酵終了したワインをしばらくそのままにしてオリを沈め、上澄みがきれいになったところで上澄みだけ樽へ入れます。
でもこのやり方でいいのです。
小布施ワイナリーでの樽熟成中何度も小布施まで足を運び、樽からのテースティグでワインの変化を感じとります。
おり引きの時期を判断し、何回もおり引きをしました。
分析機器に頼らず、すべて人の五感で判断していきます。
2004年8月、ようやくKidoワイナリーが完成したので小布施ワイナリーからワインを樽ごと引き取りました。
現在Kidoワイナリーでの樽熟成中です。
2005年1月ビン詰め、5月のリリース予定です。
2005年3月6日
16ヶ月の樽熟成を経て、いよいよ樽から出しました。1月に樽出し、ビン詰めを予定していましたが、ワインの熟成具合をテースティングして2ヶ月ほど先に延ばすことにしていました。
タンクに出された「プロジェクトK メルロー2003」。
1週間ほどタンクで貯蔵してオリを沈め、来週ビン詰め予定です。
緊張のテースティング。
花を思わせるような華やかな香り、そして柔らかな渋みとしなやかな酸味が口の中に広がり、のびやかできれいな余韻がすうっと静かに長く続き、心に残ります。
3月12日
あさってにプロジェクトKのビン詰めをするので、ビンを洗浄しました。
洗浄した後、水を切るため逆さにしていきます。プロジェクトKのボトルは肩がふくらんだ特殊な形をしているので、うまく並びません。しかも、口元が丸くなっているため滑ってすぐに倒れてしまいます。
手で押さえながら慎重に逆さにしていくため、大変時間がかかってしまいます。かたが500本のビンを洗うのに半日以上かかってしまいました。こんなに効率の悪いことをしていてもいいのだろうかと悩んでしまいます。
500本のビンでもこんなにスペースをとってしまい、だだでさえ小さい醸造所が足の踏み場もない状態になってしまいました。
3月14日
いよいよビン詰めです。4年前に自分の家の畑にメルローの苗を植えてやっとここまできたかと思うと感慨深いものがあります。このワインには今まで経験した苦労、不安、悩み、そして喜びなどたくさんの思いが詰まっています。
コルク栓も手動の打栓機を使って1本1本思いを込めて打ち込んでいきます。
といってもこれしか道具がないのですが。(笑)
3月28日
ロウキャップをしました。ロウの塊を砕いて缶の中に入れ、下から電熱線入りコンロで温めます。
溶けたところでボトルを逆さにしてロウに中にどっぷりとつけ込みます。
くるくるとボトルを回しながらまんべんなくロウを付けます。
2分ほどで固まります。
4月5日
ラベルを貼りました。
もちろん手で1枚1枚貼っていきます。
筆を使いノリを付けます。
位置を慎重に合わせ貼り付けます。
時間のかかる作業です。
まだ、裏ラベルも貼らなくてはいけません。
4月15日
裏ラベルを貼りました。
一枚ずつ栽培醸造責任者のサインとボトルナンバーを入れました。
いよいよ発売の準備が整ってきました。


Project Kのワインスタイル

最近の世界的なワインの主流は色が非常に濃いワインや味に強烈な濃縮度のあるワインが評価される傾向にあります。しかし、私が目指すProject K メルローのスタイルは「究極のエレガント」です。
世界のワイン産地では色濃さや濃縮度を追求したパワー合戦が行われていますが、その行き着く先は何でしょう?
果汁濃縮機やセニエに頼りすぎたワイン造りになっていってしまいます。
果たしてそれは本当に美味しいものなのでしょうか?
色が濃く、濃縮度が高いワインは強いインパクトがあり評価されがちですが、それだけしか持っていないワインはただの造り手のエゴにすぎません。
最終的には「フィネスやエレガントさ」を持ち合わせたワインが評価されるべきだと私は思います。
Project K メルローはまさにそんなワインスタイルを目指して造られたワインです。

Project Kのボトルとラベル
ワインのボトルとラベルはその中味のワインの味をイメージできるものになっていることが理想だと考えます。
Kidoワイナリーのすべてのワインは中味のワインの味を表現したラベルデザインになっています。
Autumn Colorsは飲んで楽しくなるようなハツラツとした味わいであり、Premium(2005年7月発売予定)品質の確かさを感じる実直な味わいがラベルでも表現されています。
Project Kの目指す味わいは「究極のエレガント」です。
この味わいを表現するためボトルにもラベルにもとことんこだわりました。
長野県飯田市在住の版画家 今村由男さんにお願いして手刷りの版画をラベルに貼り付けることにしました。今村さんの作品は銅版を削っていくエッチングと呼ばれる手法で作られます。銅版を削るため非常に細い線で描かれています。この作風がまさにProject Kの「究極のエレガント」を表現しています。
「信州の四季」というテーマで信州の春夏秋冬の植物と昆虫と星座が描かれています。2003年のProject K メルローは約500本ビン詰めできる予定ですが、4種類のラベルで販売していくことになります。(2004年5月発売予定)
版画家 今村由男さんのホームページはこちらからhttp://www.clio.ne.jp/home/ima-de/

春ラベル 左横にチョウチョがいます。 夏ラベル 右横にセミがいます。
秋ラベル ブドウが描かれています。 冬ラベル 春を待つ木のつぼみが描かれています。
ボトルもイタリア製のビンを使い、キャップはロウで
封印しています。


プロジェクトKのラベルが出来るまで

3月10日
本日、版画家 今村由男さんのアトリエにお邪魔してプロジェクトKのラベルが刷られる作業を見せてもらいました。和紙にプロジェクトKの春夏秋冬の四種類の版画の木版画部分がすでに刷られていました。ラベルのカラー色の付いている部分は、木版画を刷って色を付けています。実はこの木版画で色を付ける作業が非常に大変で使われている色の数だけ(白、黄色、赤、青、緑、オレンジ、金箔)これから紹介する以下の刷りの作業が1枚のラベルを作るのに行われています。
これが彫られた銅版です。エッチングと呼ばれるこの銅版画は薬品で銅版を腐食させその腐食部分をニードルと呼ばれる細い針で彫りながら描いてゆきます。1枚の銅版に春夏秋冬の4つの原画が描かれています。
この方が版画家 今村由男さんです。木版で色をつけた和紙(1番上の写真)と銅版(2番目の写真)をピッタリと合わせて、刷る必要があるため霧吹きを使って和紙を湿らせ膨張した状態にして合わせていきます。
ローラーを使い銅版に黒いインクを付けていきます。インクは冷えると固まるため、銅版を温めて(銅版が置いてある台が温まるようになっています)インクを伸ばしていきます。
余分なインクをヘラで取り除きます。
さらに紙で表面をこすって余分なインクを除きます。
必要なインクのみが銅版に入った状態。
銅版と和紙をピッタリと合わせ、圧力をかけるプレスと呼ばれる機械の上にのせます。
ハンドルを回し、プレスをかけていきます。
和紙に銅版画がピッタリと刷られました。
乾燥させて完成です。これだけの手間をかけても1回に4枚しか出来ません。さらに木版画部分についても色の数だけ同じ作業がすでに行われています。今日見せてもらった銅版画の黒インクも含めて8色使っているので1枚のラベルに対し8回は同じような作業がされているのです。プロジェクトKのラベルはKidoワイナリーのワイン造りに勝るとも劣らない本物の手造りなのです。
                  
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