児童手当制度改正

児童手当制度改正の概要
平成13年度予算案において、児童手当制度の所得制限が大幅に緩和され、支給対象児童の拡充が図られた。ここでは、所得制限緩和の内容と費用について解説する。
平成13年度の政府予算案において、児童手当の支給対象児童を扶養する親等の所得制限を大幅に緩和し、支給対象児童の拡充を図ることが盛り込まれた。

1 児童手当制度の沿革
まず、児童手当制度の沿革について簡単に振り返ってみると、児童手当制度は、国民皆保険・皆年金体制が確立された昭和36年から10年後の昭和46年に「最後の社会保障制度」として創設された。制度の在り方などについて、その際もさまざまな議論が行われたが、結果的には、第3子以降を対象児童とし、義務教育終了までの間、毎月3千円を支給する制度として発足した。その後、昭和60年の改正で第2子に対象児童を拡大、平成3年改正では、第1子へと拡大した。その一方で、支給期間については、昭和60年の改正で義務教育終了から、義務教育就学前へ、そして平成3年の改正では、3歳未満へと重点化を行ってきた。この平成3年の改正では、支給期間の重点化と併せて、手当額が倍増され、第1子、第2子が5千円、第3子以降が1万円という現在の額となった。この間に所得制限限度額についても何度か改正が行われた。さらに平成12年度においては、支給対象が3歳未満から義務教育就学前(6歳到達後最初の年度末まで)に拡大され、昨年の6月から実施されているところである。

2 与党合意の経過児童手当の問題については、現在の連立政権発足当時の合意でも検討課題とされていた。「平成13年度予算の概算要求に当たっての基本的方針」(平成12年8月1日閣議了解)において、「児童手当については、具体的な財源の確保及び費用負担の在り方と併せて、予算編成過程で検討する」こととされ、さらに7月28日の財政首脳会議において「具体的な財源の確保及び費用負担の在り方については、与党協議により、予算編成過程で検討」することとされた。これを受けて、与党各党の幹事長、政策責任者からなる「児童手当に関する協議会」及びそのワーキングチームが設置された。ワーキングチームは、10月から11月末まで、児童手当の意義・効果、将来の方向性などの基本論及び当面取るべき方策について議論を重ねた。12月初頭の内閣改造を挟み、児童手当の拡充を行うための財源の確保について、引き続き協議が進められ、12月10日に「児童手当等に関する三党合意」が成立した。これを受けて、政府も大蔵・自治・厚生大臣の予算事前折衝において改正案を最終的に決定した。

3 改正案の内容今回の改正案は、支給対象児童を扶養する親等の所得制限を大幅に緩和し、現行の72.5%の支給率を概ね85%に引き上げることにより、支給対象児童の拡充を図るものである。具体的な所得制限限度額だが、現在は、4人世帯(夫婦+子ども2人、扶養親族3人の場合の年収ベースで、特例給付(厚生年金保険適用事業所に勤務する場合:主としてサラリーマン)は、670万円、児童手当(それ以外の場合:主として自営業者)は432万5千円であり、この額未満の場合、支給対象となる。今回の改正案では、これがそれぞれ780万円と596万3千円に引き上げられることとなった。(これは年収額であり、実際の適用は、所得額で行われる。この場合、所得額は、それぞれ574万円と415万円である。詳しくは、表参照。)今回の拡充に要する費用は、現行の制度(平成12年度・満年度分)から比較すると、平成13年度においては、追加的に約440億円であり(8ヵ月:満年度ベースでは、約670億円)、これは、厚生省、自治省の歳出の見直しにより捻出されることとなった。
本改正案の実施は、平成13年6月からを予定している。児童手当の支払いは、年3回(2月、6月、10月)であるため、新たに支給対象となった方に対する支払いは、本年10月(6〜9月分)となる。なお、児童手当は、申請に基づき支給され、申請した月の翌月分から支給されることとなるため、新たに支給対象となる場合は、5月中に、市町村に申請の届出をする必要がある。なお、今回の改正案を実施するためには、児童手当法施行令の一部改正が必要となる。

4 今後の在り方
今後の児童手当の在り方については、前述の「児童手当等に関する三党合意」において、「平成十4年度以降の財源措置については、平成13年度の拡充費用も含め、所得税・個人住民税の諸控除の見直し等の税制改正により、児童手当拡充の恒久財源を確保する。」とされているところである。(厚生労働省雇用均等・児童家庭局育成環境課辻阪高子)

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