3歳以上70歳未満の負担割合は3割

70歳未満の被保険者の一部負担金の割合は,平成14年10月以後も外来・入院とも2割でしたが,15年4月からは3割になります。特定療養費,療養費,訪問看護療養費の一部負担金も同様です。
70歳未満(3歳以上)の被扶養者については,14年10月以後も外来3割・入院2割でしたが,15年4月からは外来・入院とも3割になります。
ただし,一部負担金等には高額療養費制度による1ヵ月当たりの自己負担限度額があります。2割負担が3割負担に変わることで,負担額が単純に1.5倍となるわけではありません。
  • すべての医療保険で3歳以上70歳未満は3割負担に統一
    船員保険・各共済組合などの被用者保険,国民健康保険の退職者医療制度でも,平成15年4月から同様の改正が行われます。これにより,3歳以上70歳未満の人については,すべての医療保険制度で3割負担に統一されることになります。14年10月からの3歳未満と70歳以上の一部負担金等と合わせて,各医療保険制度に共通の年齢に応じた公平な負担が実現しています。

  • 外来の薬剤一部負担金は廃止
    薬剤費に対するコスト意識を喚起するため,平成9年9月から,外来で薬剤の支給をうけた場合に,薬剤の種類数などに応じた薬剤一部負担金を支払うしくみが導入されました。このしくみは,各医療保険の被保険者・被扶養者に共通ですが,6歳未満の乳幼児については免除されています。また,70歳以上については,平成12年12月限りですでに廃止されています。
    今回の負担割合の引上げに合わせて,平成15年4月から,この6歳以上70歳未満の人についての薬剤一部負担金が廃止されます。これにより,外来での6歳以上70歳未満の被扶養者の自己負担額は「3割+薬剤一部負担金」から「3割」のみとなり,負担は軽減されることになります。


    ■3割負担に伴うその他の改正
  • 55歳以上退職の任意継続の取扱いの変更
    健康保険の被保険者期間が2ヵ月以上ある人が被保険者資格を失った場合,ひき続き2年間は,個人で健康保険の被保険者になることができます(任意継続被保険者)。
    現在は,上記のうち55歳以上で退職した人については,2年を過ぎても60歳または60歳未満で国民健康保険の退職被保険者(給付率は健康保険と同じ)になるまでの間,任意継続被保険者になることが認められています。これは,退職者が国保の一般被保険者(給付率7割)にならずに,健康保険と同じ給付率を退職後も維持できるように設けられたしくみです。
    今回の改正で,すべての医療保険の負担割合が原則3割となり,国保の一般被保険者と退職被保険者の給付率も同一となったため,55歳以上退職者についてのしくみは平成15年4月から廃止されます。したがって,55歳以上で退職した人も,2年を過ぎると任意継続被保険者の資格を失うことになります。なお,平成15年3月までに任意継続被保険者となった人については,これまでのしくみが適用されることになっています。

  • 継続療養の給付の原則廃止
    現在は,健康保険の強制被保険者期間が継続して1年以上ある人が被保険者資格を失った場合,保険で診療をうけていた病気・けがについては,被保険者・被扶養者とも,初診の日から5年の範囲内でひき続き健康保険で療養をうけられます(継続療養の給付)。これは,国保の給付率が7割であることから,健康保険被保険者期間中の病気・けがに,健康保険と同じ給付率を保障するために設けられたしくみです。
    3割負担への統一にともない,このしくみは平成15年4月から廃止されます。ただし,資格喪失後に法第3条第2項の規定による被保険者またはその被扶養者になったときは,6ヵ月を限度に継続療養がうけられます(特別療養給付)。これは,同規定の被保険者が療養の給付等をうける際に一定の保険料納付要件があるためです。したがって,同規定の被保険者としてうけられる場合や他の医療保険等で医療等がうけられる場合には,継続療養は行われません。

  • 法第3条第2項被保険者受給期間延長の廃止
    継続療養の廃止にともない,法第3条第2項の規定による被保険者で1年以上手帳を所持する人に対する受給期間の延長(最大5年)も廃止されます。


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    このページは、 2003.10.12の16:55:47 にアップデートされました。