------2003 尾瀬日記------
2003.7.26 〜 7.27 二本松-会津-昭和村-木賊温泉-檜枝岐村



------7月26日(土) 曇り後雨------

 7:00に家を出て郡山経由で会津へ向かう。会津に住んでいる親戚と今日、明日の日程で会津観光旅行。ものすごい山道を抜けて昭和村のからむしフェスティバルを見る。昭和村は会津若松市の南にあるとても小さな村だ。からむし織りを村の名物にしているらしい。これまで全く知らなかったのだが、からむしとは虫ではない。蚕のような虫の糸を想像している人は多いようだが、植物の繊維から織物がつくられる。原料は苧麻といって麻の一種らしい。日本では沖縄とこの昭和村でしか残っていなくて、本州唯一の特産らしい。苧麻の皮をはいで何やらかにやらをして寄り合わせて糸ができる。そしてその糸を織り上げて布になるとのこと。ふむふむ。おばさんが体験していたので写真を撮る。僕も少し体験する。よくイスに座ってぎっこんばったんやるのがあるけれど、仕組みを理解するとなかなかに楽しい。しかし人間の手で、限られた後継者で、かなりの手間と労力がかかるらしく、売っていたからむし織りはべらぼうな値段だった。甚平の上だけで4万5千円、ワイシャツが4万円、ネクタイが1万円。手が出ません。
 プラプラとしてると突然、若い女の子から声をかけられる。「福島のスパゲッティ屋さんでバイトしてませんでした?」誰だろうかと脳味噌を回転させること0,5秒。何年か前に女子高生の頃にバイトしていた子でした。今はこの村でからむし織りの体験(織り姫)をしているらしい。「何だってまた?」「まぁいろいろとあって」。いろいろとあったんでしょうね、きっと。

(僕のおばさん)

(何事も経験ですから)
苧麻
(からむしの原料となる苧麻)

 昼食をとった後、またもやものすごい山道をクネクネと越えて舘岩村の木賊(とくさ)温泉へ。今晩宿泊する福本屋はおじさんのお気に入りに民宿で、イワナ料理がすごいらしい。すぐ近くには共同浴場があって、夕食前にその露天風呂に入りにテクテクとお風呂へ。道路から脇道に入り、川へと下っていく・・・。するとものすごい場所にありました。川べりに露天風呂が。風呂の真ん前に脱衣所があるという屋根はあるものの、なんか剥き出しな露天風呂で、男女混浴ではあるけれど、若い娘さんは入らない方が賢明だと思いました。男っていいな。ここのお湯はすごくキレイで、朝日をあびるとコバルト色になるらしい。僕が行ったのは夕方前だったので見れなかったけれど、確かに凄くきれいな緑がかったお湯でした。ちなみに、そこの風呂に入っていた男の人に写真を撮ってもらったのだけど、フルチンでカメラ持ってる姿ってかなり間抜けなもんですね。フルチンで「はい、チーズ!」はないよなぁ・・・。頼んでおきながら悪いんだけどさ。

(雨で増水した川と風呂)

(こんな感じ)

(フルチンで「はい、チーズ」)

気持ちよいお風呂に入った後は美味しい夕食。いろりを囲んだイワナ料理づくし。塩焼きとミソ焼きが丸ごと一匹づつ、初めて食べるイワナの刺身、イワナのたたき等々。お酒は会津のお酒「花泉」。冷や酒は凍らせた竹筒で飲み、燗はお酒にイワナの干し物を丸ごと漬けていろりで温める(骨酒「こつざけ」というらしい)。演出がたまりません。お酒には雰囲気で飲むという要素も強くありますね。心地よく酔って10時には就寝。

(イワナの刺身)

(冷たい冷や酒)

(骨酒は干物の風味がしました)

------7月27日(日) 晴れ時々雨------

 6時半起床、朝風呂に入り朝食後尾瀬に向け8時出発。御池まで車で登り、そこからはバスで沼山峠入り口へ。片道530円。沼山峠の入り口は写真のように細い入り口になっていて、山登りファッションに身を包んだ人達がぞろぞろと山に入っていく。僕のこれまでの勝手なイメージは、「尾瀬は平らな湿地帯」というものでおよそ登山とはかけ離れていたのだけど、実際は山のてっぺんに開けた湿地帯が広がっていた。つまりよく写真やテレビで見る板のわたされた木道に辿り着くには、結構な距離を登らなければいけなかったのです。これがまぁけっこうな運動でした。

(沼山峠入り口)

(結構な上り坂を登る)

(高台から尾瀬沼の望む)

 ひーこらひーこらバヒンバヒンと登り進んでいく事一時間、眼前に開けてきたのはテレビデオなじみの光景、そうこれぞ尾瀬!そこにはあの尾瀬が開けていました。丁度ニッコウキスゲの時期で、一面には黄色い花が咲き誇っていました。苦労も報われるというものです。尾瀬沼に注ぐ川には、ゆうに30cmをこえるヤマメ(ホントに大きかった)がいて、スケールの大きさを感じました。ちなみに木道は2本通っていて、右側通行が基本となっていました。すれ違う人達と挨拶を交わす。やっぱりおじさんおばさんが多かったです。

(お・ぜ!)

(尾瀬沼と燧ヶ岳と僕)

(長蔵小屋の売店)

尾瀬のトイレ事情と売店事情。トイレは山の上ですから、もちろん下水道が通ってるわけがなくて、水洗トイレにはなっているけど、くみ取り式。山から下におろすには、バキュームカーも通るはずはなく、ヘリコプターでおろす(らしい)。売店で売っている一切合切(お土産やら飲み物やらいろいろ)も同様に下からヘリコプターで山へ上げる。人の手で上げることもあるのだろうけで、どうしたってそれで間に合うはずもない。ちなみに山の上で買った物もゴミはお持ち帰りです。しかしまぁうんこまで大変だなぁと思う。だからってそのまま自然に帰すにはあまりの人の数だから仕方ない。ある程度までは自然に帰るだろうけど、過剰になれば環境破壊の原因になってしまうわけだし。で、トイレで用をたした後はチップ(各々の気持ち分)を出して、トイレットペーパーやら水道代やらヘリ代となる。自分の排泄物への代価として考えると面白い物もあります。「俺のうんこには千円の価値がある!」と思えば千円払えばいいわけだし、「私のなんか大したことないですから・・・」という謙虚な人は50円でもいい。ちなみに僕はおしっこをして100円を入れました。まぁ相場でしょう。ちなみにみなさんならいくら?

(基本は右側通行)

(尾瀬沼)

(トイレはチップ制)

沼の端を少しだけ周っただけで尾瀬を後にする。尾瀬沼をぐるりと一周するのに3時間くらいかかるらしい。今回は福島県側から入山したのだけど、いくつも入山ルートがあって、他県からの入山ルートもあるらしい。聞くところによると全部をまわるには一日では足りなくて、奥にまで行くには、途中山小屋で一泊しなければ無理ということです。そこまでやる気持ちと体力は持ち合わせていないけれど。今回5時間程度の行程だったけど、けっこう足にもきていた。子どもの方が元気があるくらい。尾瀬沼の説明を読みたい人はここをクリック!


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