平成23年夏合宿 屋久島:宮之浦岳山行



 数年前から屋久島に行きたくて、連れて行ってもらえるなら山登りもいいかなという気楽な気持ちから、今回いつもの3人組(H隊長・いっちゃん・カンボさん)に混じって、行くことになりました。
 当初はかわいいムーミンと初心者女2人で混じるつもりが、なぜか小太郎(9歳,【特徴】 車ですぐ寝る・氷をがりがりかじるのが好き。…バリバリ氷をかじるのを見て、いっちゃんが「うちの愛犬の小太郎に似てる、顔も似てる、でもうちの小太郎の方がきりっとしてる」と言っていた…)と親子での参加となりました(小太郎は初登山、小太郎の母も小3~中1の間の3回しか山登りしたことがない初心者)。身長差・年齢差ともに約50の差がある5人での道中になりました。ちょっと緊張しながら参加しました。

  (地図は、昭文社・山と高原地図より引用・加工させていただきました)


7/31(日) 1日目

大阪伊丹空港・9:00集合 10:20―11:50 屋久島空港 ―(昼食後、レンタカーにて買出しと島内観光ドライブ ―14:45 平内海中温泉 14:50―15:10 大川の滝 15:40― 西部林道 ―16:20 永田いなか浜 16:25 ―17:15 民宿「つわんこ」(泊)

 ちょっと早めに設定された集合時間にきっちりみんなが集まるはずがない、と気楽に出かけたら、最後から2番目で少し驚く。思えばこれが始まりで、いつもの3人組は旅の間ずっと計画を立て、時間どおりに行動していて、緊張感のある3泊4日の旅に。
 なにをたくらんでおられたのか、伊丹空港の手荷物検査でいっちゃんのバッグからアーミーナイフが出てきて、どこかに連れて行かれたので、搭乗までの時間をちょっぴり不安に過ごす。屋久島直行便のプロペラジェット機は小さく、窓のすぐ外に黒いプロペラが一生懸命まわっているのが間近に見え、小太郎がはしゃぐ。
 約1時間半で屋久島空港に到着。小さな平屋の建物以外は何もないシンプルな空港で、昼食を食べ、レンタカーに乗り、まずは明日の山行の水や食物の買出しに、安房のショッピングセンター「ばんちゃん」に向かう。普段は聞けないおじさん2人のやり取り(お互いの選ぶお菓子のけなしあい)がおかしくこっそり笑う。しきたりがわからず、小分けできないグミや「都こんぶ」をかごに入れてしまう。大好きな一口羊羹をさがすがみつからず、更に「あんこは腐りやすい」といわれ、和菓子をあきらめる。

いざ出発!ちゃんと飛ぶかボンバルディア

無事に到着!屋久島空港

まずは腹ごしらえ

 買出し後、ドライブしながら島内を観光。かわいい建物の「JRホテル屋久島」で、明日別行動で縄文杉を見に行くH隊長のバスチケットを購入。そこでお土産に買って帰ると決めていた焼酎「三岳」をみつけカンボさんとともに購入。いっちゃんはちょっと高めの「屋久の島」を買っている。続いて高級な「いわさきホテル」の外観を車中から見た後、干潮時に海岸の岩場に湧出する平内海中温泉を見に行く。ちょうど背中が真っ赤に日焼けした地元のおじさんと子どもたちが入っているのが遠目から見える。温泉に入っても出ても暑そう。「小太郎で隠すから入ってきてくださいよ~」と言ってみたところ、「頭でばれるわ」といっちゃんに言われる。
 続いて大川の滝に向かう。落差88mで日本の滝百選にも選ばれている島最大の滝。滝壺のすぐ近くまで行くことを楽しみにしていて、ひそかにテンションが上がる。滝に近づくほど水しぶきもマイナスイオンもたっぷり~で、しばらく滝からの風圧と水しぶきを味わいながら滝を満喫。これで屋久島の旅の目的は半分満たされ満足。
 時間はまだ16時前なので、このまま今日中に西部林道をまわって島一周をすることにして、細いくねくねした道(西部林道)を進む。まもなく小太郎は熟睡し、名物のヤクシカ・ヤクザルが現れるものの眠り続け、永田いなか浜も、わたしは小太郎とクルマに残り、3人組で見に行く。

モッチョム岳は雲の中(JRホテル前から)

平内海中温泉

大川(おおこ)の滝

シャワーミストが気持ちいい!

西部林道のヤクシマザル

永田いなか浜

 17:15、本日のお宿「つわんこ」に到着。早速絶景岩風呂(手造り)に入る。あまりに手造り感満載の岩風呂は、微妙な気分でやや落ち着かない。
 夕食は他の二組の泊まり客と一緒に、屋久杉をつかった天井や床の間のある和室でいただく。生ビールがなく瓶ビールで乾杯。屋久島しょうゆにつけて食べる首おれサバを始め手作りのおかずが並び、野菜も多くとてもおいしい。おじさんふたりは途中から「三岳」の水割りを楽しみ始めたが、明日の登山後の自分へのごほうびにとっておくことにしてビールを続ける(でもちょっとだけ味見)。
 宿の名物?ちょんまげおじさんが自慢の屋久杉カップをもって登場。日焼けや酒焼けの赤黒い顔をしてお客さんと一緒に飲んでいるが、飲み物のオーダーが入るとお盆をもって働く姿がちょっとかわいいと思いながらビールを飲む。おなかもいっぱいになり明日の準備をして就寝。

民宿「つわんこ」

お部屋

美味しい夕食

・・・小太郎の感想文・・・

 「飛行機の羽とタイヤが窓からよく見えた。高そうな屋久杉カップがすごかった。
 『3人組の中で誰がリーダーと思う?』と聞かれたから、H隊長を指差したら笑われたけど、なんで?」


8/1(月) 2日目

民宿「つわんこ」 4:00―4:10 屋久杉自然館 ― 4:55淀川登山口 5:10―5:55 淀川小屋 6:10―7:10 高盤岳展望台 7:15―7:40 小花之江河 ―7:45 花之江河 8:05―8:20 黒味岳分岐 ―8:45 投石湿原 8:50―10:10 栗生岳 10:20―10:35 宮之浦岳 11:35―11:55 栗生岳 ―13:11 投石平 13:20―14:00 花之江河 14:10― 小花之江河 ―15:45 淀川小屋 15:55―16:40 淀川登山口 16:50―17:30 屋久杉自然館 ―17:45 民宿「花皐月」別館 19:20―19:25 食事処「花皐月」 20:50―20:55 民宿「花皐月」別館(泊)

(つわんこ~淀川登山口まで)
 緊張からか3時前から目が覚める。夜中に小太郎が隣のベットから落ちた音でも一度目が覚めた。隣室のおじさんふたりが動き出す音がしたので静かに準備を始めると、再び小太郎がベットから落ちて起床。
 星がみえる暗い4時に宿を出発し、縄文杉コースに行くH隊長が一人先に屋久杉自然館前で下車。暗い中一人でさっさと行動する姿がかっこいいと思いながら見送る。残り4人はヤクスギランドを通りすぎ、淀川登山口に4:55到着。まだ車はそれほど多くない。

午前4時出発

淀川登山口。すでに何台かのクルマが

真っ暗闇の中で歩き出す準備

(淀川登山口~花之江河)
 車から降りても何をしていいかわからず、とりあえずヘッドランプをつけてトイレだけすます。
 5:10、登山口の階段を歩き始める。小太郎は「もう始まるの」とわくわくした声で、H隊長に借りたステッキを片手に歩き始める。しばらくして準備体操をし忘れたことに気づく。先頭を歩くいっちゃんが「くもの巣が多い」と言いながら歩くうちに少しずつ周囲が明るくなってくる。
 歩き始めて45分後、淀川小屋で最初の15分間休憩。小太郎は初めて食べる「都こんぶ」が気に入り、その後の休憩の時も1枚ずつ大事にはずして食べていた。

ヘッドランプを点けて登る

ようやく朝日が射してきた

淀川小屋

 再び歩き始め、約1時間後、高盤岳展望台で2回目の休憩。岩の上で視界が開け、天気もよくとても見晴らしがよく気持ちのいい朝(7時台)という感じ。唯一地図を取り出すカンボさんに見える山々のレクチャーを受ける。
 しばしの休憩後歩き始めるが、このあたりから小太郎親子は最初のしんどさのピークになり、小太郎が後ろで「しんどい」とつぶやきながら歩いている。休憩時に座るとよりしんどくなることを親子で学習する。時計をみるのを放棄し、歩くことに集中。花之江河に到着。
 日本最南端の高層湿原とのことで渡り廊下のような板の上を歩くが、あっという間に通り過ぎ、思ったより小さかったね~と話しながら歩いていくと、すぐに本物の花之江河に到着。先ほどのは小花之江河であることがわかる。

淀川(よどごう)の鉄橋を渡ってこれからが本番

高盤岳展望台から高盤岳を望む

高盤岳山頂の「とうふ岩」

こまめに水分補給

小花之江河

花之江河

(花之江河~宮之浦岳)
 小太郎が「おしっこ」と言い、カンボさんがどこかに連れて行ってくれる。少しおなかもすいたので、フルーツゼリーを食べていると、いっちゃんはさっさとお弁当を食べている。このマイペースぶりはいつものことらしい。(しかしここで食べなかったので、あと山頂まで空腹感に耐えながら歩くことになった・・・。)
 小太郎のリュック(普通の遠足用)の肩ヒモがなで肩からずり落ちるのを見かねて、なんちゃら紐(※カンボ注:「細引き」といいます)をカンボさんがくれて肩ひもにくくりつけてもらい、ずれないようにしてもらう。ついでにリュックの中のお弁当や水・雨具もカンボさんがもってくれ、代わりに小太郎のリュックをごみ入れにしてもらい背中が軽くなり、その後小太郎の足取りが急に軽くなる。
 再び登り下りの続く道を歩く。小太郎が「せっかく登ったのにまた降りるんか・・・」と母の気持ちも代弁しながら歩いている。空気はもぁ~っと南国っぽいが、ちょっと日陰になると涼しい風が吹く。他の登山者を殆どみかけないことに気づく。山で見かけるおばちゃん集団のすごさについておじさんたちに教えてもらいながら歩く。
 黒味岳分岐から投石平の間はあまり記憶に残っておらず、しんどかったような気がする。岩の中に白い消しゴムみたいな塊が点在しているというカンボさんの的確な表現に相槌も打てず、とにかく歩く。途中水のあるところでいっちゃんと小太郎が顔を洗っていて気持ちよさそう。

ロープのある岩場も

母を気づかう小太郎

冷たい湧き水が気持ちいい

 投石平を過ぎたあたりから、見晴らしのいい木々や葉っぱの緑と点在する岩の景色が広がり、しんどいことにも慣れてくる。点在する岩がいろいろなものに見え、心理テストができそうな感じだったけれど、深層心理はばれたくないので、心の中だけに留める。
 うぐいすが鳴き、のどかな雰囲気が続く。時々両サイドに背の高いササ原がせまっているところがあり、入り込むと周囲がみえなくなる。振り返ると小太郎はすっぽり隠れて姿が見えないが、その後ろのカンボさんの視線の先にいるのだろうと推測して見ていると、葉っぱの中から小太郎が現れる。
 あそこにみえるのが山頂かな~と、話しながら歩き続け、最後の坂道を小太郎がわぁっと駆け上がると、そこはちょっと手前の栗生岳。軽くショックをうけ、とりあえず休憩をとる。少し前からおなかがすいていたけれど、今おにぎりを食べると山頂に行く前にバテそうなので、チーズおかきなどを食べて、出発。右手に見えているのが今度こそ山頂と信じて歩くも、少し進むとその横に更に高い山頂が見える。 カンボさんの格言、「ゴールは常に二つ向こうにある」が身にしみる。歩くしかないけど、まあ歩いたらたどり着く、というシンプルな気持ちになる。

投石平

点在する奇岩

またまた水分補給。水がうまい!

動画】 登山道


夏山を行く

あとひとがんばり

めげずにがんばる小太郎

(宮之浦岳山頂)
 10:35、宮之浦岳。まだここも山頂ではないかもしれないと思いながらの到着だったが、今度は間違いないようでほっとする。登りきった、という達成感より空腹感が勝っており、記念撮影も親子とも空腹感満面の表情で写る。
 山頂は思いのほか、人が多く、隣のカップルはガイドさんにお味噌汁をもらいながら仲良く食べており楽しそうな雰囲気。
 お弁当を食べて一段落する。いっちゃんは岩の上で気持ちよさそうに寝ている。その姿をみた小太郎も、手前の小さな岩の上でうつぶせになり真似をする。正面にはクリームパンダみたいな永田岳が見え、疲れもとれてきて気持ちよく景色を眺めていると、やっと、登ってきたんだな~という実感が湧いてくる。

宮之浦岳山頂にて

待ちに待った昼食タイム

いっちゃん、お約束の昼寝

動画】 宮之浦岳山頂より

(宮之浦岳~淀川登山口)
 1時間ほどまったり過ごした後、11:35下山開始。
 登りと視点が反対になるだけで、雰囲気ががらっと変わり、また新鮮な景色が広がる。顔をあげて景色をみながら歩きたいが、足元がおろそかになり時々よたつく。最初に山頂と勘違いした思い出深い栗生岳(おいしそうな名前)をじっくり見て通り過ぎる。時々すれ違う人が小太郎に「何年生?」と聞いて、がんばってねと応援してくれる。小太郎より小さい子は見かけない。
 途中、湧き水を空になったペットボトルに汲む。朝からずっとずっと汗をかき続けていることにちょっと笑える。体の中のいらないものと一緒にもしかしてなんかいいものも出ていってるような気がするくらいずっと汗をかく。登った記憶のない岩の間や斜面が何度も出てくる。登りの時同様、ポイントポイントで足の運び方やロープの持ち方、すべらない歩き方をいっちゃんとカンボさんにアドバイスをもらいながら、進む。
 見晴らしのいい投石平の岩の上で座って景色を眺めながら休憩。その後は徐々に視界の狭い景色が続き、こけないように下り続ける。 小太郎が「かあちゃんは今日は山登りのごほうびに『三岳』を飲むんやろ」と言うので、小太郎はごほうびはなにがいいかとたずねると、「100円」と即答。毎週のお小遣いが足りないらしい。お互い下山後のごほうびを楽しみにしながら歩く。
 花之江河に着き、奥の方にある唯一の木陰で休憩をとる。その後上り下りの道を歩き進むうちに、急に小太郎が階段で「頭がいたい」と座り込む。さすがに9歳は限界か?と思うが、とりあえずお水を飲みアメを食べさせ、ゆっくり歩き出す。先ほどのごほうびの100円のやりとりを聞いていたカンボさんといっちゃんから、100円ずつごほうびをあげると言ってもらい、合計300円を励みに小太郎がんばり、歩く。それまで先頭ではるかかなたにいることが多かったいっちゃんも、見えるところで待って小太郎に声をかけてくれる。
 最後の休憩ポイントの淀川小屋で、小太郎はカンボさんからもらったフルーツゼリーを食べ、残りの1時間弱を歩き始める。途中でカンボさんから「ほっといても30分したら着くからな」と励まされると「じゃあ、歩かんでも30分したら勝手に着くんか」と言い返すやりとりを聞き、まだ体力が残っていることを確認。でもそこからの数十分は本当に長かった。小太郎はふらふらしながらも最後まで歩いて16:40やっと登山口に下りる。

これから下り

登りとはまた景色が違って楽しい

動画】 投石平の休憩


淀川(よどごう)

小太郎君、最年少会員に合格です

(下山後 ~夕食~「花皐月」)
 写真を撮り、急いで車に乗り、もうとっくに縄文杉を見終わって待ちくたびれているであろうH隊長を迎えに屋久杉自然館に向かう。車中では小太郎は恒例の熟睡。17:30、H隊長と合流。15:40から待ち続けていたH隊長は、30分ごとに携帯にかけていたけどつながらなかったため、18:00になっても来なかったら通報しようと思っていたと冷静にコメントする。
 17:45、本日のお宿「花皐月」に到着。道路から奥まったところにある別館で、無施錠・無人の広い民家のような民宿。4部屋と広いリビングなど全体的に広々としていて、他のお客さんはおらず、5人で貸切状態で気を使わずくつろげる。とりあえず16畳の部屋で少し横になった後、お風呂でお湯につかりとにかく足をほぐす。今日は汗をかくだけかいたので、すっかりデトックスされ肩こりと首凝りが消えている。のんきにお風呂からあがると「あと何分で出られるか」と聞かれ、10分だけもらい、送迎つきで食事処「花皐月」に向かう。
 19:25、本日の夕食。乾杯後、屋久島名物が並ぶ2,500円のコースをいただく(小太郎はお子様用メニュー)。カンボさんはなぜか生ビールと烏龍茶をダブル注文し、烏龍茶を飲み干しおかわりしている。脱水症状?
 初めて食べる「亀の手」の剥き方を教えてもらい食べてみるが、塩味でなかなかおいしい。H隊長が亀の手をくれたので、剥いて小太郎のご飯にのせる。ビールの後は自分へのごほうび「三岳」も何杯か飲み、いい気分に浸る。ひとり一尾ずつなんとか鯛が出てきて、おなかいっぱいになり、また民宿まで送ってもらう。
 午後9時前、民宿「花皐月」に戻ると、いっちゃんが昨日買った「屋久の島」を開けてくれ、冷蔵庫の氷と食器棚のコップを借り、広いリビングで一緒に飲ませてもらう。「三岳」より濃い目の味で、なかなかおいしい。小太郎が持参した「星座表」を片手にテラスに出て星を見るが、よくわからず。お風呂から出たH隊長が小太郎に教えてくれている間、ありがたく「屋久の島」を飲み続ける。午前0時過ぎに、布団に横になった途端すぐに就寝。

民宿「花皐月」別館

よくがんばりました「乾杯!」

屋久島の郷土料理が続々と

・・・小太郎の感想文・・・
 「山おりる時は本当に頭がいたかった。でもがんばった。(「歩けない」とごねることは)思いつかんかったわ。ロープをつかって岩を登ったり降りたりしておもしろかった。木がいっぱいで、なんか息がしやすかった~。300円もらえてうれしい。夜は天の川を教えてもらって星をたくさん見た。泊まったところはすごい広かったな~。かあちゃんが夜酔っ払って何度も『ここは安房?宮之浦?』と聞いてておかしかったわ~」


8/2(火) 3日目

民宿「花皐月」別館 7:35―8:05 「シーサイドホテル屋久島」(朝食) 9:15―9:35 白谷雲水峡(9:35~12:55) ―13:45「王龍ラーメン」(昼食) 14:15―14:20 「ふるさと市場」・「屋久島観光センター」 14:55―15:00 「シーサイドホテル屋久島」(泊)

(花皐月 ~ 朝食「シーサイドホテル屋久島」)
 7:00、携帯のアラームで起床。しばらくごろごろしようと思っていると、H隊長がさっとカーテンを開け、小太郎を起こしてくれるので、急いで起きる。部屋を出ると、リビングのソファでは既に準備し終えたいっちゃんが座り、更に玄関には荷物を並べているのが見え、急いで準備をするが出発予定時間を5分オーバーしてしまう。
 8:05、「シーサイドホテル屋久島」に到着し、朝食。広いガラス窓からきれいな海と空がよく見え、今日もいい天気。ペットボトルの水を購入し、白谷雲水峡に向かう。

今日もいい天気。いざ出発!

宮之浦へ

シーサイドホテル屋久島で朝食

(白谷雲水峡)
 駐車場がいっぱいなので少し離れたところに停めて、サンダルから昨日の登山靴に履き替える。カンボさんとH隊長はスニーカーだが、いっちゃんはサンダルのまま行くつもりらしい。一面緑の風景を楽しむため、小太郎にもグリーンのTシャツを着せる。
 カンボさんが背負う小太郎のリュックにペットボトルを入れ、広場(入口)で協力金300円を払い9:35出発。渓谷沿いに舗装された遊歩道が続き、観光客がたくさんいる。水の流れる音を聞きながら大きな岩の上(「憩いの大岩」)を歩いてあっという間に「さつき吊り橋」に到着。ここから楠川歩道を通り、「苔むす森(もののけの森)」に向かう。
 ここから登山道になるが、いっちゃん・H隊長がものすごい勢いで観光客をぐんぐん抜いて進んでいく姿に本当に驚く。ここは山じゃないし杉や苔を触りながらゆっくりおしゃべりしながら観光するつもりだったが、それを言い出すこともできず、ひたすらついていく。
 (1)触ると冷たいヒメシャラの木に抱きついてみたい、(2)水たっぷりのミズゴケを触ってみたい、(3)杉の赤ちゃんをじっくりみたい等々を漠然と思い描いていたけれど、クライマーはひたすら突き進むという本能があるのかもしれない・・・クライマーって・・・と思いあきらめる。後ろのカンボさんにそんなことを話しながら、立ち止まると置いていかれるので、歩きながらいろんなコケを触ったり、他の観光客が撮影している杉の赤ちゃんを横目でみながら自分なりに楽しむ。

白谷雲水峡

最初は渓流沿いに歩く

さつき吊り橋

 そんな調子であっという間に「白谷山荘」を過ぎ、「七本杉」に気づくこともなく先頭(いっちゃん・H隊長・小太郎)は通り過ぎる。そのうち緑の濃い苔が広がった風景が現れたので、ここが「もののけの森」と思い込み、写真を撮ったりするも、先頭を行くいっちゃんが上の方から下りてこない(きっと歩き足りない)ので、もう少し進むことにして歩き進むと、本物の「もののけの森」に到着。いっちゃんに感謝する。
 30分くらいゆっくり堪能する。晴れていて明るく、若い人たちも多くにぎやかだが、人が少ない夕方や雨上がりがとても雰囲気がありそう。ベンチに座っていると後ろの山からヤクシカが現れる。昨日もおとといもヤクシカが出てきた時は車で寝ていた小太郎は初めての対面で、写真を撮って喜んでいる。

もののけ姫の世界

木洩れ陽

小太郎、ようやくヤクシカとご対面

 帰りは別ルートの原生林歩道を通ることにして、再び同じような勢いで下りはじめる。原生林コースは何度か沢を渡り、山の中を歩いているようで薄暗いが楽しい。先頭のいっちゃんがサンダル仲間(若い女の子)をみつけ「足大丈夫か~」と声をかけている。常に流れる水音を聞きながら「奉行杉」・「三本足杉」・「二代大杉」をみて、すっかりいい気分で「さつき吊り橋」まで戻ってくる。
 昨日宮之浦岳では聞こえなかった(気づかなかった?)蝉の鳴き声も聞きながら12:55広場に到着。車を泊めたところまで歩く間に「不老長寿の水」があり、それぞれペットボトルに汲んで飲む。山を下りながら車中から見える山の緑と海の青の風景がとてもいい感じで、宮之浦岳も白谷雲水峡も本当にいろいろな緑があるなあと思っていたが、元美術部のいっちゃんによると、色の中で一番種類が多いのは青色らしい。ついでに体育会系の速記部の話を聞かせてもらう。

思わず触ってみたくなる

奉行杉

二代大杉

(昼食~磯遊び~夜)
 昼食の前に「A・Coop」に寄り、またまた車中で寝ている小太郎をH隊長にお任せして、小・中サイズの「三岳」を見つけ購入。
 昼食は屋久島らしくないもの、ということで「王龍ラーメン」へ。大阪の「王将」で働いていた店主さんが作るラーメンは、きっと飛魚からだしをとったあっさり味。その後「ふるさと市場」・「屋久島観光センター」で買い物をして、15:00、本日の宿「シーサイドホテル屋久島」にチェックインする。男性2人はツイン、女性と小太郎は和室。とりあえずそれぞれ部屋で休憩する。

昼食はラーメン

屋久島観光センター

ホテル客室からのオーシャン・ビュー

 お茶を飲んだり、お菓子を食べたり(小太郎)、横になったりしていると、H隊長が、20分後にホテル前の海岸散策という計画をてきぱきと立て、ロビーに集合する。ロビーから海の方へ出て、磯のところに行くと、昨日食べた亀の手が大量に岩に張りついているのを発見。小太郎は昨日食べたものが本当に亀だったと勘違いしていたようで、よかった~とほっとしている。小さいが魚もたくさん泳いでおり、熱帯魚(グッピーみたいな魚や背中が青く透き通っている魚)もみつける。不動のなまこ?(あめふらし?)を棒でつついたり、海蛇ややどかりをみて、ホテルに戻る。
 磯遊びで暑くなったので、フロント横に書いていてずっと気になっていたかき氷(パッションフルーツ)を小太郎と2人で食べようとすると、あとの3人もなぜか付き合ってくれることになり、5人でそれぞれ大きなかき氷を食べる。
 その後先に部屋に戻り大浴場に行こうと部屋を出たところでH隊長が戻ってきた姿を見て、なぜか動揺して鍵を部屋に入れてドアを閉めてしまい慌てるが、H隊長から冷静な指示を受け、フロントに事情を説明しに行く。チェックインした際にオートロックの説明を聞いていた小太郎にずっとからかわれる。
 午後7時からの夕食は会席(小太郎はお子様ランチ)。H隊長がおいしそうな屋久島らしい飲み物(名前忘れた)を注文している。最後に出てきたジュレをのせたパッションフルーツがおいしかった。
 夕食後は、ツインの部屋に行き、「屋久の島」を飲む。小太郎は寝てしまうかもしれないので、はぶらしを持参したが、磨く前に寝てしまい、いっちゃんに部屋まで運んでもらう。

磯遊び

これが「亀の手」

日傘の下から棒きれで執拗にナマコをいじめる母

かき氷

夕食にはアサヒガニも

3日間、目も舌も屋久島を堪能しました

・・・小太郎の感想文・・・

 大きいかき氷がおいしかった。魚もいっぱいおったな。不老なんちゃらの水飲んだな。おふろでは貴重品いれるロッカーがなにかわからずスリッパいれてしもたわ。今日も楽しかったな。


8/3(水) 4日目

「シーサイドホテル屋久島」 9:30―9:35 屋久島観光センター 10:00―10:28 屋久島空港 12:15―13:35 大阪伊丹空港(昼食)・解散

 最終日。6時すぎに目が覚めたので、ひとりでこっそり朝風呂に入りに行く。
 部屋に戻るとH隊長が既に小太郎を起こしてくれている。午前8時からレストランで朝食。小太郎は昨日から決めていたスクランブルエッグのせごはんをつくって食べる。台風が少し近づいているため海の色も濃く、少し波もたっている。この4日間本当にいい天気がよく続いたな~としみじみ思う。
 9:30、チェックアウトして、昨日寄った「屋久島観光センター」で再度買い物をする。昨日いっちゃんが買っていたパッションフルーツがずっと気になっていて、やっぱり買うことにする(カンボさんも購入)。しわしわが食べ頃と書いてあるが、どれがおいしそうなのかよくわからない。
 途中、給油をしてニッポンレンタカーでレンタカーを返し、10:30に屋久島空港到着。12:15発の飛行機に乗り、13:35に大阪伊丹空港に到着。昼食のおそばを食べて、まず空港バスでいっちゃんをみんなで見送り、その後残り4人で空港バスに乗り解散。

屋久島空港ロビーは狭い

帰りもボンバルディア

さあ、大阪までひとっ飛び

・・・小太郎の感想文・・・

 「楽しかった~。1日目は高い屋久杉カップ、2日目は広~い宿、3日目は大きいかき氷がおいしかった~。また行きたい。また山のぼろうよ。次はいつ行くの~」



クリックするとわんちゃん「小太郎」とご対面。似てるかな?



 天気もよく、自然たっぷりの屋久島で、山登りもできて充実した4日間でした。初めての登山、小太郎はとてもとても楽しかったようで「また行きたい」と何度も言うので、登山用に買った靴のサイズが変わらないうちに親子で近場のどこかに出かけてみようと思います。いつもの3人にはちょっと物足りない登山だったと思いますが、初参加の小太郎親子にはとても楽しい夏休みでした。

(小太郎の母)