ツクヨミ〜稀人の唄〜
DATA 評価
ブランド JANIS/ivory 萌え度 ☆☆☆☆
お気に入り 野乃原香澄 H度 ☆☆
音声 フルボイス 物語性 ☆☆☆
一般的なこと
<おはなし>
相馬駿介は、幼馴染の香澄、元気娘ジュディらに囲まれて穏やかな学園生活を送っていた。
しかし、新興宗教「天道宗」の学園買収に伴い、不穏な空気が学園を包み込む。教団介入と同時に現れた謎の転校生、彼を見つめる理事長、教団巫女等、彼の環境は一転する。
そんな折、相馬駿介は、自らに秘められた古の能力「羅神眼」の覚醒により、夢の世界を彷徨うことになる。夢の世界を通じ、教団の目的や自分に流れる血の宿命を知った彼は謎を究明するため夢と現の2つの世界を今日も彷徨うのであった…(以上、メーカーサイトより)。

<プレイ状況>
ヒロイン6人フルコンプ。一人頭4〜5時間かかりますが、共通部分も多いのでスキップしながら他事をやってました。

<システム>
『とらハ3』などと共通のアレです。既読スキップ、バックログ、鑑賞モードなど基本的な機能はすべて揃っています。セーブ数30、クイックセーブ10、文字速度は4段階、手放し機能あり、バックログはホイール対応、セーブデータはサムネイルで確認できるなど、不満がない装備。
また、このゲームの売りの高解像度モードですが、50MBほど余分にハードディスクを使う代わりに(フルインストールは約1.2G)標準の640×480、800×600に加えて、1024×768、1280×960の解像度でプレイすることが出来ます(オープニングとエンディングムービーは違うみたいですが(苦笑))。この場合の推奨環境はPenII450Mhzですが、私の環境(PenIII500Mhz、nVIDIA TNT2)だと1024×768の解像度でスキップが重く感じられます。
それから、ここの作品だといつも問題になるバグですが今回、特に目に付いたものはありませんでした。ただ、誤字が散見されたのは残念。「絶対絶命」、「述べ人数」などなど…、テキストなんてあまり熱心に読まない私が気になったくらいなので潜在的には相当あるかも(笑)。

<ゲームデザイン>
学校内を女の子を探して徘徊するストーカー型のAVG。と言っても、移動先に誰がいるかはほとんどの場合表示されてます。また、ときどき会話の最中に選択肢も表れます。テキストは画面下部のウインドウに表示されます。まあ、基本的には一般的なノベルゲーとそう変わりませんが、「夢世界」に移動するために霊気を消費して、その使用回数に制限があるというところだけが、ゲーム性といえる点でしょうか。
最大の問題は各ヒロインのルートに入ったと思われる時点になっても、共通イベントをかなり見させられること。一例を挙げるなら、香澄を攻略してるわけでもないのに毎朝毎朝終盤まで目覚ましイベントが起こります。繰り返しプレイが苦痛になるだけでなく、香澄シナリオに新鮮味が感じられなくなってしまいます。このゲームに限ったことではありませんが、あるキャラのフラグが立ったらそのヒロインに関係ないイベントは極力減らすべきだと思います。

<グラフィック>
仁之丞さんが原画。ヒロイン可愛いです(笑)。バリエーション抜きで14〜20枚。学校内以外のCGがないのが少し寂しいですが、背景は標準以上に描けてます。また、立ち絵も標準サイズながらもきっちり変化してます>蛍と香澄の制服姿が可愛い(笑)。イベントCGですが、女の子の裸がイマイチかも。凹凸の少ないキャラばかっり(ジュディを除けばすべてバスト80以下)というのもあるでしょうが、ちょっと平板というかポーズがよくないというか…。

<ヒロイン>
内訳は野乃原香澄(目覚し機能付幼馴染み)、九重蛍(白玉好きロリ後輩)、東瀬美夏(病弱無口転校生)、ジュディ・鴇田・アンダーソン(日本文化萌えな巨乳ハーフ)、若宮朋(売店娘、金の亡者)、碧(夢で見る謎の少女)といったところ。定番どころを揃えています。あとヒロインではないですが、主人公の兄の靖也が道化役としていい味だしてます。

<音楽>
『魔法のパレット』に続いてcandystoreが担当。PCMで20曲+歌がオープニングとエンディングに。ジュディのテーマとかは面白いですけど、あんまり自己主張の強くない曲が多いですね。良い意味でゲームのBGMらしくバラエティに富んでいて職人芸を感じさせます。タイトル画面でも流れる「月詠」の柔らかな感じが好き。歌はオープニングが都ほのかさん、エンディングが鳥居花音さん。こちらはいつものアイボリーなノリです(笑)。

<音声>
アイボリー+F&Cみたいな豪勢なキャストで安心です。鳥居花音さんの小学生バージョンの香澄とか、関和美さんの一人二役とか、夏野向日葵さんの暴走具合とか、キャスティングする側も手慣れたものというか、どれも役に嵌っていていい感じです。また、今回、都ほのかさんという方が碧役を演じていますが、他の方々に劣らず上手いです、まあ、多分別名義があるのでしょうが…(苦笑)>つうか私が知らないだけ? 個人的には夏野向日葵さんのはしゃぎっぷりが嬉しい。『私の今夜☆会いに来て』ではふつーの女の子だったけど、こちらでは暴れまくり。アイボリーでお馬鹿系キャラを演じさせたら岩城由奈さんと双璧ですね(笑)。

<シナリオ>
オロチとアラガミの戦いという神話的設定を根底に置きながらも、タイトルの「ツクヨミ」に相応しいシナリオは2本だけ。もう2本は夢世界自体が存在しませんし、残りの2本は「羅神眼」の力を使って「夢世界」に行きながらも女の子と会ったり、猫と戯れるだけ…。大がかりな設定からみると、なんか間違っているような気がしないでもありません(苦笑)。ただ、「オロチ復活=日本の滅亡」とか煽ってしまうと、今度はシナリオの幅が狭くなって、エンディングが全部同じになってしまうのでこのいい加減さが良いのかも知れません(笑)。
もっともそれさえ気にしなければシナリオはきっちりしてるし、キャラクターも立っていて良い出来だと思います。萌とか香澄シナリオは定番的展開ですが、キャラクタがいいのでお話として十分成立しています。唯一ジュディのシナリオは中途半端というかなんだかエンディングがあっけなかった(汗)。
全体的に特に意表を突いた展開はないけれど、起承転結がしっかりしていて、ヒロインは可愛い、ということでそこそこ満足できるのではないでしょうか。
ただ、個別にシナリオを見ていくぶんにはいいのですが、未解決のまま残った謎が気にかかります。ネタバレになるので詳細は避けますが、理事長のこととか、教団と神楽の関係とか、すっきりしない部分があります。あるヒロインを攻略するとオマケで神楽のCGが貰えるのですが、個人的にはこれが怪しいと睨んでいます。神楽はもともと攻略対象で残った謎もそこで解明される予定だったのが、何かの都合でポシャってCGだけが残ったとか…(汗)?

<Hシーン>
純愛物ですので(という言い訳はホントはオカシイと思いますが…)薄いです。最初に蛍を攻略したところ、4回Hシーン(1回は未遂)があったのでこれは期待できるかと思ったのですが、それ以外のキャラはジュディと碧が1回で、残りは2回。
テキストも標準で汁もほぼ皆無。ただ、美夏のフェラシーンは効果音がしっかり入っていて良かったです>でも、短すぎ(苦笑)。
独り言(という名の雑談)
<萌えたのか?>
シナリオが『ロン☆スタ』のSHAREDということで、前作にあったようなラブラブな主人公達を周りが冷やかすという、かなり萌えるシチュエーションを期待していたのですが、不発(ガクッ)。個人的には修羅場はやりすぎかもしれないけれど、冷やかし・からかい・羨望・嫉妬・覗き見(笑)などで他のヒロインが絡むことで萌え度が上昇すると思っているので、そこら辺を追求して欲しかったな、と…。
それでも、ヒロイン三人によるお弁当合戦とか、某キャラの妊娠疑惑(で、他のヒロインにからかわれる)とかおいしいイベントがあって、ニタニタしながら転げ回ってました。
ただ、基本的にヒロインと主人公の一対一のやりとりが多く、一般的な萌えゲーと呼ばれるものと同じく、ヒロインのキャラクター性とか、二人の会話で萌えを指向する形を取っています。
香澄のカマトトぶりとか、美夏のエンディングとかは非常に萌えます(笑)。

<総合評価>
6点、私の欲求からは外れたが、一般の萌えゲーとしては合格レベル。
『とらハ』の声優で萌えゲーがやりたいという方は買い(笑)。でも、萌え度は落ちます(爆)。
あと、高解像度モードは発想として非常に良いですね。確か『Wing&Wind』も640×480と800×600だったかを選択できたのですが、ハードディスクを倍くらい占有するという欠点がありました。こちらは容量もそんなに増えないし、かつ選択できる解像度が多くて使い勝手が良いです(ただ、PCとディスプレイを買い換えたくなるという副作用有り(苦笑))。




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