<お話>
突然両親に蒸発された主人公(涼一)は叔母(千鳥)の家に居候することになる。叔母の家は由緒正しい料理屋で涼一は半ば無理矢理板前修業させられるハメに。叔母には三人の娘がいて、ゆくゆくは三姉妹(みさご、つぐみ、こばと)の誰かと結婚させて、店の後を継がせようという魂胆らしい。もっとも相手の同意さえあれば夜這い、婚前交渉OKという嬉しい条件があるのだが…。 <プレイ状況>
三姉妹それぞれのエンディングの他、千鳥、ひな(女将修行中のお手伝い)のエンディング、ハーレムエンド3人バージョン、5人バージョンがあり、フルコンプ済み。 <システム>
CD BROS系ということで、トラビュランス、AngelSmileとかと同じシステムでしょうか? 私は最近やってないので分かりませんが。システム周りは非常に優秀です。既読スキップ、バックログ完備。ホイールマウスにも対応してるし、手放しプレイも可、音声も再生する人物を指定できます。当然おまけの回想モードも完備。キーボードも使えるし、特に不具合も見られないし、文句を付けるところがありません。
<ゲームデザイン>
ノヴェル型のAVGです。要所要所で2択が出て、そのすべてに正解するとハーレムモードに入れます。間違った場合は5人(三姉妹、ひな、千鳥)の誰かのルートに。個別ルートへの分岐までは選択肢で話が変わるわけでもないので、攻略を見てやるのが吉。ボリューム自体はそれほど大きくないです。 <音楽>
多分PCMで16曲。ボリュームから考えればこんなものでしょう。主題歌がなし。ピアノを中心とした大人しめの曲が多くてあんまり印象に残っていないです。 <音声>
ゲームを開始してすぐ気付いたのですがアイボリーメンバーが総出演してます(笑)。キャスティングは千鳥…藤澤暁さん、みさご(長女)…日向裕羅さん、つぐみ(次女)…鳥居花音さん、こばと(三女)…夏野向日葵さん、ひな…菜月すみれさん。レートの関係なのか一部音声が割れてしまっているのと、ひなの声はちょっとというのはありますが、あとは見ての通りです(ぉ。個人的には久しぶりに夏野向日葵さんの声が聴けたのが嬉しかった(笑)。 <グラフィック>
原画はMaruto!さん。この方の漫画とかイラストは見たことないんですが、絵に惹かれて買いました。キャラデザはやや癖があるかも知れませんが、個人的には好き。絵のことはよく分からないのですが、デッサン力があるのか裸体を書くのが上手いなとか(苦笑)。構図もいい感じです。背景、立ち絵も標準レベルだと思います。
CG枚数はバリエーション抜きで68枚。ほとんどがHシーンだし、それ以外のイベントでCGが必要なところはほとんどないので必要十分だと思います。ただ(後述する理由から)バリエーションがもっと欲しかったですね <シナリオ>
状況に流されるままに板前修行を始めた主人公が、周囲に助けられながらも成長していく姿が描かれるのが前半とするなら、後半は仲良くなった女の子とひたすらH、いちゃいちゃするという感じ(場合によってはハーレムになる(笑))。
意外だったのは前半部で、まるで『密猟区』のつもりで始めたゲームが『密猟区2』だったというような肩すかし感がありました(譬えがマニアックすぎてすみません(笑))。夜這いだ、ハーレムだとあらぬ期待をしつつゲームを始めたらそこに描かれていたのはごく真っ当な主人公の成長物語だったというそんな驚き。しかもお話として全然悪くない。メリハリが利いていて、板前修業というちょっとした非日常が味わえて、個人的にはこれだけでもイイ線いっていると思います。
後半部もこれだけで見るなら、イチャイチャエロエロで良いですね。ただ、Hシーン重視に軸足が動いたために前半の「修行」部分が中途半端なまま終わってしまっていて全体としてみると消化不良な感じがします。
<その他のヒロイン>
年上で大人しくてピアノが得意なみさごと、同い年で活発、喧嘩っ早いつぐみと三姉妹モノの基本は押さえてます。各ヒロインと仲良くなるためのイベントが沢山あるような純愛ゲーとは違うので、キャラ萌えなんてことはありませんが、それなりに可愛いです。あと、おまけっぽい位置づけですが、千鳥、ひなも手抜きをせずにシナリオとHシーンが裂かれています(個人的には興味なし(爆)))。 <Hシーン>
テキストの描写が普通で、特に興奮するという訳ではないのですが、絵がいいのと、音声でフェラ音がちゃんと入っているのがポイントですね。ただ、HCGのバリエーション不足というか、汁がかかっているシーンがほとんどないのは残念です。
長女のみさごが一番貧乳で、こばとが意外にもプロポーションがいいとか、設定にも工夫があります(笑)。
あと、期待のハーレムエンドはCG枚数、シーン数も少なくてちょっともの足りません。
シーン数は45、一人8シーン前後+ハーレムモードとなってます。
<総合評価>
一応6点としておきますが、意外な掘り出し物。
いろいろ理由はあるのでしょうが、後半、物語を放棄しなければ良い作品になっていたと思います。
ただ、点数以上の価値はあると思います。せ・き・ら・らは次回作ももうすぐ(10/5)出るようなので、そちらにも期待したいですね。
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