バイナリィ・ポット | |||
---|---|---|---|
DATA | 評価 | ||
ブランド | オーガスト | 萌え度 | ☆☆☆ |
お気に入り | ミリィ | H度 | ☆ |
音声 | フルボイス | 物語性 | ☆☆☆ |
一般的なこと | |||
<おはなし> 有名ネットゲーム「ワールド」への接続と、美味しい珈琲と、ウェイトレスがウリのネットカフェ「バイナリィ・ポット」。主人公は若き店長として、バイトのウェイトレスや常連客、幼馴染と様々な物語を経験することになる。女の子達は、それぞれネットゲームのプレイヤーなので、閉店後はオンライン上で彼女達に会うこともできる。そして両方の世界で絡み合う物語、絡まない物語。 さあ、主人公の軸足はどちらの世界に置くことにしようか?(以上メーカーサイトより) <プレイ状況> ヒロイン6人フルコンプです。初回で5時間ほどかかりますけど、二回目以降は序盤がスキップできるので大分はやくなります。また、里美と奈都子、千歳と佳澄は終盤まで共通部分が多く、ミリィはオマケみたいなものなので、ボリューム不足とまでは言えないものの、それほど時間のかかる作品ではありません。 <システム> 泣く子も黙るNScripterです。CD起動にするとバグが起きるためかCDレスでプレイ可能です。私の環境だと615MBほど必要としましたけれど、箱にも説明書にも要〜MBという記載がないような(汗)。あと、プレイ中に他の作業をしようとすると異様に重いです。私の環境ですとメモ帳すら使い物にならないくらい。推奨環境は軽々とクリアしているんですけどねぇ……。 saveするまでに4回クリックを必要とするのが面倒と言えば面倒ですが、数は80箇所と必要十分あります。また画面が800×600だったり、バックログに対応していたり、音声のリプレイ機能があったり(但しバックログ→音声リプレイの合わせ技は使えないので、あまり役には立たない)、動作が重くさえなければ満足がいくシステムでしょう。 <ゲームデザイン> 主人公は昼間はネットカフェの店長、夜はネット世界「ワールド」のプレイヤーとして行動します。仕事中に話をする女の子をマップ上から選択し、更に会話中に選択肢が現れ、それによって分岐していくようです。従って「ワールド」内ではただシナリオを読んでいるだけになります。「ワールド」というのはロールプレイの世界(というか完全なバーチャルリアリティの世界)で、その中でも主人公は「ハンター」という冒険色の強い職業をしているのだから、もう少しこちらに工夫があると良かったと思います。 オマケモードはCG、Hシーン、音楽の回想が完備。また如何にも同人ノリなショートショートのようなものがフルコンプすると見られます。その他にCD内に壁紙やら音楽がオマケとして収録されています。 <グラフィック> 原画はべっかんこうさん。今風の可愛らしい絵を描かれています。立ち絵は抜群に可愛いのですが、イベントCGのなかには首を傾げたくなるものも。まだまだ発展途上と言ったところでしょうか。また、枚数が少ないのも痛い。バリエーションを含まないと優希16、奈都子10、里美11、佳澄10、千歳8、ミリィ6の計61枚は8800円という値段に対してコストパフォーマンスが悪すぎます。立ち絵は服装の変化こそあるものの、表情変化はメッセージウィンドウの脇のフェイスウインドウで行われこれも今時の作品としては安っぽさが否めません。背景は問題のないレベル。 <音楽> PCMでしょうか、全20曲、うち歌が3曲(うち1曲はロングバージョン)。オマケとしてCD内にmp3バージョンが入ってます。また初回特典でサントラCDが付くのも嬉しい心配り。歌はあんまり好きじゃないですね、オープニングの歌詞なんかひねりなさすぎ(笑)。BGMの方はタイトルも含めて好きですね。定番のオルゴールやピアノを使った曲もありますが、「ワールド」内の曲も良いです。あと、SOUND MODEには作曲者の(あまり参考にならない)コメントが入っています。 <音声> おそらく私も含めて声優買いが続出したと思われます。 優希:鳥居花音、奈都子:日向裕羅、里美:春野日和、ミリィ:春日アンで佳澄が本間某さんとか、千歳が本井某さんとか言われています(笑)。豪華な声優陣なんですが、「萌え」方面に才能が使われていないのが惜しいです。春日アンさんの「お兄ちゃん」(ごく一部です)、日向裕羅さんの「むぎゅ」(オマケシナリオ)、鳥居花音さんの朝起こし、本井さんのHシーンでのセリフ、辺りがポイントでしょうか(笑)。 <シナリオ> 所謂、最近流行の多重世界モノです。現実世界ではネットカフェの店長、ネット世界では名うてのハンター。喫茶店の描写、ネット世界「ワールド」の設定など、世界観は良く出来ていると思います。また、ネットゲームに嵌っているダメ主人公に店長としての自覚を持たせる(優希シナリオ)とか、「ワールド」内の事件を解決していくうちに知人の中にパーティの仲間がいると気付くとか、どのシナリオも2つの世界が作用し合って作られているのはイイデスネ>最近この手の作品は(『たいせつなうた』にしろ『ツクヨミ』にしろ)そこで失敗してますから。 但し、伏線というか、あるヒロインが「ワールド」で別のキャラを演じているという雰囲気が弱すぎ。はっきり言って誰が誰かはバレバレなんだからもっとわざとらしくても良かったと思います。例えば、思わず現実世界での呼び方で主人公を呼ぶとか、「バイナリィ・ポット」で前日の「ワールド」の事件をしゃべってしまうとか…、その辺りの描写からお互いに意識し合うという過程がないので、最後に結ばれるシーンがヒロインの側から一方的にとか強引な展開になっているような。 前述のように優希(HappyEnd)シナリオ以外は「ワールド」内の事件の解決がメインになるのですが、里美−奈都子、佳澄ー千歳のシナリオがそれぞれほぼ同一なのが残念。事件内容も世界観の良さに比べると、サイバーパンク系のものとしてはありきたりで、もう少しひねりが欲しいですし、肝心の戦闘シーンのほとんどが「暗転→粗筋」で省略されているのも如何なモノかと思います。 あと、「ワールド」内の事件はモジュラー形式(?)になっていて、Tureシナリオで明らかになることがあるのですが、それがあまりにも陳腐というか…、プレイ途中に、「もしかしてアレがアレだったら嫌だなぁ…」と思っていたことがそのまま実現したのでちょっと鬱です(笑)。 シナリオは榊原拓さんが担当。テキストは読みやすく、エロゲシナリオとしては上手い部類にはいると思います。ただもう少しいろいろやって欲しかったですね。あと若干、同音異義語がらみの誤字が目に付きました(支持→指示○、弊店→閉店○)。 <Hシーン> 優希、奈都子、佳澄が2回ずつ、それ以外は1回の全9回。それ以外で「ワールド」内で凌辱シーンが2回ほどありますが、片方は音声すらないしオマケ程度と思った方が良いでしょう>回想にも登録されず。H即エンディングの純愛モノの基本はここでも守られています。奈都子のフェラシーンくらいしか見るべきモノはありませんでした。言うまでもなく全員処女(笑)。ウェイトレスは全員制服Hあり。 |
|||
独り言(という名の雑談) | |||
<萌えたのか> 一緒に働いている、主人公に裏の顔があって一部(?)のヒロインだけがそれを知っている、といった要素から「萌え」イベントはいくらでもつくれそうなんですが、意外と大したことなかったです。そもそも主人公とヒロインが徐々に惹かれ合っていく…といった描写も省かれていますし…。人気声優陣が勿体ないです。 <総合評価> コストパフォーマンス悪いなぁの6点。 私としては春日アンさんのいつものロリ声が聴けただけで満足ですが(爆)、新規ブランドとしてはこんなものではなかろうかと。声優さんにしても、原画にしても、設定にしても、現在の流行りがなにかをよく研究していると思います。ただ、作品内容はそれに見合っていません。つーか、身の丈に合った作品を作ることに拘りすぎて、冒険心がなさ過ぎ(笑)。 特に笑ったり泣けたりするわけでもなく、時々サスペンス風にはなりますけれど、基本はマターリ系。かと言って「萌え」も薄目。声優と絵が好きな人なら買っても良いかと。私は次回作も「豪華声優陣」だったら買いますけどね…。 |
|||
戻る |