自作品に使用している部品の選定など

2012.01.01新規作成 / 2015.01.07更新

 
◎はじめに
 このページでは当局の自作品に使用してる部品の選定について書いています。

・各項目へのリンクです
 【トランジスタ】 【FET】 【ダイオード】 【IC】 【その他】


JR8DAG/菅野 正人

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【トランジスタ】
 ◎トランジスタについて(2012.01.01)
 トランジスタので重要なポイントは、極性(NPN,PNP)、使える電圧、電力、周波数特性といったところです。

 ◎スイッチング(2012.01.01)
 電流を変える向きでNPNかPNP化が決まり、流す電流や電圧により利用できるトランジスタが決まります。周波数特性などは関係ないので安価なトランジスタで構わないことが多いです。送受切換の100mA程度であれば、NPNは2SC1815、PNPは2SA1015が代表的なトランジスタです。それより扱う電流が大きい場合は規格表と価格を見て選定します。

 ◎低周波増幅回路(2012.01.01)
 基本的に2SC1815、2SC945などの汎用トランジスタで、細かいことを気にしなければ、これで十分です。

 ◎送信機の高周波増幅回路(2012.01.01)
 周波数特性、利得、扱える電力がポイントです。小信号で利得が余り必要でない場合は2SC1815が使えます。50MHzで利得を必要とする場合は2SC1906、100mW以上の必要な電力まで増幅する場合は目的に応じて2SC2053、2SC2086、2SC1973、2SC2407などを選定しています。

 ◎AM送信機の終段コレクタ変調用トランジスタ(2012.01.01)
 周波数特性に加えて、コレクタの耐電圧が選定のポイントで、2SC2086や2SC1973はコレクタ耐電圧が高いことから使用しています。

 ◎2SC945と2SC1815(2012.01.01)
 周波数特性を判断できるデータとしてfTをみると2SC945は250MHz、2SC1815は80MHzですが、実は測定条件が異なっています。2SC1815の規格表をよく見ると、同じような電流を流した場合、2SC945と変わらないfTになることが確認できます。実際に使ってみても違いはわからない感じで、むしろ2SC1815の方が周波数特性は良いかもしれません。

 ◎2SC1973(2012.01.01)
 そこそこのゲインがあって、VCBOが50Vと高いことで使用してきたのですが、この石もそろそろ入手が難しくなってきたようです。代替となる石は見つけていませんが、さしあたっては2SC1906に変えるのが無難かと思います。出力が下がっても構わないのであれば2SC1815でも使えると思います。

 ◎2SC2086(2012.01.18)
 27MHzの0.5W程度の終段コレクタ変調のAM送信機に適したトランジスタで、50MHz帯で使うには利得が小さくなるのですが、コレクタ耐電圧が高いことから、JR8DAG-2006AMAM-6s2005で採用しました。

 ◎2SC2053(2012.01.18)
 150MHz帯の0.5W程度の送信機に適したトランジスタで、50MHz帯では大きな利得が得られるので、JR8DAG-2008SSBなどで採用しました。AM送信機の終段コレクタ変調にも利用したのですが、コレクタ耐電圧が17Vと低いので9〜12V電源では変調が深くかかりにくい印象があります。

 ◎2SC2407(2012.01.18)
 430MHz帯の0.3W程度の送信機に適したトランジスタで、2SC2053よりも大きな利得が得られるので、増幅段数を少なくして50MHz帯で100mW程度の出力が得るために使っていました(Micro6AMなど)。2SC2053同様にコレクタ耐電圧が低いので、AM変調には適さないことと、50MHz帯で使うには利得が高すぎて発振しやすいので、その対策が必要なことに注意する必要があります。

【FET】
 ◎FETについて(2012.01.01)
 管理人の自作品では、小信号の高周波増幅に使うことの多いFETですが、使える電圧、周波数特性、利得が選定のポイントです。

 ◎GaAsFET 3SK121(2012.01.01)
 800MHzで20.5dBのパワーゲインはさすがに凄く、2SK439に比べて2〜3倍くらいのゲインがあるように感じました。ただ、消費電流が数10mAと大きいのと、電圧を5V程度に落とす必要もあり、その分余計に電力を消費してしまうため、筆者の作品では50MHzのプリアンプに使用した程度です。

 ◎2SK241と2SK439(2012.01.01)
 当局の作品でこの2つのFETを多用している理由は以下のとおりです。
(1) 回路が簡単である
(2) そこそこの性能が得られる
(3) 部品の入手がしやすい
(4) トラブルが少ない
(5) 消費電力が少ない
 2SK439と2SK241の違いはそれほど無いと思いますが、使用感では2SK439の方が若干ゲインがあるように感じています。ただ、2SK439は入手が難しくなってきているので、2009年頃から2SK241を使用しています。

 ◎2SK192A(2012.01.18)
 2SK192Aは主に発振回路に使用していました。自作を始めた頃の1980年代は2SK241が現在ほど出回っていなかったこともありましたが、2SK192Aは2SK241より発振しやすい印象(特にVXO時)でもありました。しかし、再度確認してみると両者のFETには大差ない上に、バイアス等を適切に設定できれば2SK241の方が発振しやすい印象であることがわかりました。2SK241は高周波、中間周波増幅に多用していて、素子を統一する方が管理人にとっては都合がよいので、2005年頃から発振回路にも2SK241を使用するようになり、2SK192Aの使用頻度が減ることになりました。

 

【ダイオード】
 ◎ダイオードについて(2012.01.01)
 ダイオードは順方向電圧、順方向の最大電流、逆方向耐圧あたりが選定のポイントです。

 ◎検波ダイオード(2012.01.01/2014.01.28更新)
 順方向電圧が小さいもの、ゲルマニウムダイオード、小信号ショットキーバリアダイオードを使用しています。
 1N60,1K60,1SS106,1SS108,1SS99,1SS97などを使用することが多いです。2014年現在では、秋月電子において安価に入手できるBAT43も使用しています。
 (2014.04.01追記)BAT43は順方向電圧が小さく1N60と同じように使えると思っていましたが、実際に検波に使用すると1SS106に比べて感度が大きく低下しました。規格を再確認すると、0.1mA以下での順方向電圧が1SS106に比べて高く、検波用としては不向きなことがわかりました。

 ◎DBM用、SBM用ダイオード(2012.01.18)
 DBMやSBMに使用するダイオードは検波用のものを使うことが多いのですが、使用するダイオードの特性にばらつきが少ないことがポイントです。その点で、1N60,1K60あたりは特性がはっきりしていないものが多く、1SS106,1SS108,1SS99,1SS97などの小信号用ショットキーバリアダイオードの方が適していると考えられます。

 ◎整流ダイオード(2012.01.01)
 順方向の最大電流と逆方向耐圧が選定のポイントです。
 S5688B,S5277B,1N4002など耐圧100V以上、電流1A以上のものを使うことが多いです。

 ◎スイッチングダイオード(2012.01.01)
 高周波を切り替えるダイオードは周波数特性が選定のポイントで、以下の型番を使用しています。
 1S1588,1S2076A,1N4148など

 ◎発光ダイオード(2012.01.01)
 発光の色と明るさ、必要な電圧、電流が選定のポイントです。

【IC】
 ◎ICについて(2012.01.01)
 ICはある機能を実現するために作成している半導体ですから、LM386Nのような汎用的に使えるもの以外は、基本的に代替品はなく、型番どおりの部品を購入することとなります。ICの回路がどうなっているかは規格表で確認します。

 ◎LM386N(NJM386)(2012.01.01)
 低周波電力増幅に使用するICで、よく使われてるからなのか、2社ほど同等のICを製造しています。LM386NとNJM386は中身は基本的に同じようです。末尾の数字やアルファベットで使用電圧や定格出力に若干の違いがありますが、指定がなければどれでも問題なく使えると思います。動作電圧は4〜15V位で管理人が製作するトランシーバーは9Vないし12Vが多いことから多用しています。

 ◎TA7368P(2012.01.18)
 LM386より低い電圧(2〜10V)で動作すること、部品点数がさらに少なくてすむことやSIPパッケージであることから小型化しやすく、Pocket6DSB2011Micro6SSB2008で採用しています。

 ◎TA7358P(2012.01.01)
 FMラジオフロントエンド用のICで、RF増幅とDBMミキサブロックがあります。RF増幅ブロックは高周波増幅の他に低周波増幅、発振回路に利用できること、DBMミキサブロックは周波数変換の他に平衡変調・復調回路に利用できることから、利用しています。TA7358PにはTA7358APもありますが、局部発振電圧が違うだけで、他は同じもののようです(TA7358APの方がローノイズらしいですが詳細は不明です)。TA7358PGは鉛フリー化(RoHS指令)対応品で電気的特性はTA7358Pと同様です。

 ◎TA7320Pについて(2012.01.01)
 TA7320PはTA7310Pに比べてスプリアス特性が良好であったこと、またSN19913Pに比べて回路を小さくできるなどの理由から使用していました。FMラジオフロントエンド用のTA7358Pとの比較では、やはりTA7320Pの方が局部発振回路を独立にできる、扱えるレベルも大きいなど融通が利くという感じです。欠点は消費電流が大きいことです。このICも製造中止で、入手が難しい状況です。電圧を変更する必要がありますが、TA7358Pを使用した回路に置き換えるのが、代替案かと思います。

 ◎TA7310P(2012.01.01)
 TA7358Pと同様に発振回路、高周波増幅、バランスドミキサーがあり、回路を簡略化できることから、JR8DAG-8Z(Ver.1)に採用しましたが、TA7320Pに比べてスプリアス特性が今ひとつであったので、TA7320PないしSN16913Pを使用した回路に置き換えています。

 ◎SN16913P(2012.01.01)
 1990年代は100円/個程度で入手でき、このICで簡単に平衡変調回路を構成できることから、SSBジェネレータの変復調や周波数変換回路に採用していました(JR8DAG-8ZJR8DAG-9など)。代替品は無いので、入手できなければ回路変更が必要になります。

 ◎SN76514N(2012.01.18)
 1980年代に製作した6m DSBトランシーバーの変復調に使用したことがあります。規格表ではSN16913Pより良いのですが、50MHz帯ではキャリアサプレッションが20dB程度で、30〜40dBが得られるダイオードDBMに回路変更することになりました。SSBジェネレータの変復調回路してはSN76514Nと似たような特性でしたが部品点数が少なく小型化可能であったSN16913Pが1990年代に登場したことで、SN76514Nは使用しなくなりました。

【その他】
 ◎コイルについて(2015.01.07更新/2012.01.01新規作成)
 コイルはインダクタンスが重要ですが、コアの材質や巻き方で変わります。ある一定水準の性能を得るために、規格を統一したFCZコイルがあったのですが、必要な性能を確保することが困難と言うことで2011年5月に製造が停止しましたが、2015年1月現在、サトー電気がFCZコイルとほぼ同等品のコイルを販売しています。その他、千石電商などで販売しているAMZコイルでも代替可能ですが、AMZコイルはFCZコイルとはコイルの巻き方が異なっており、完全に代替することは出来ないと思われます。
 コイルは、コアの材質や巻き方でインダクタンスを始めとした性能が変わることから、手巻きの場合は、どの程度の性能が得られるのか試行錯誤することになると思います。

 下はFCZコイル関係のリンクです。
(参考リンク:FCZ研究所のホームページ)
FCZコイルのページ(出典:JARLのホームページ)


 ◎ケースについて(2012.01.01)
 規格で重要なのは寸法です。大きい分には問題ないことが多いですが、小さい場合はケースの寸法を確認する必要があります。

 ◎X'TALフィルター(2012.01.01)
 規格として確認する必要があるのは中心周波数、帯域幅、周波数による減衰特性です。

 ◎送受切換のリレー(2012.01.18)
 リレーを選ぶポイントはスイッチの耐圧と電流、スイッチを切り換えるためのコイルを駆動させる電圧・電流、切換の方式(単極、2極など)です。ピン配置は規格表で確認します。50MHz帯までなら、電源切換用のリレーが使用可能で、大きさにこだわらない場合は入手が容易であったG2V2、G5V、G6Aを使用していました。ハンディ機(Micro6AM2002など)は小型化と多少でも消費電力を小さくするためにはG5Aが適しており採用していましたが、2010年に製造中止になり、入手が難しくなったようです。G5Aの代替品としてメーカーではG6Sを推奨していますが、大きさがG5Aより小さく、ピン配置も異なるので多少の設計変更が必要だと思います。