6m QRP AM Transceiver(AMRC-696)

1998.01.01新規作成 / 2016.12.10更新
ハムフェア96自作品コンテスト自由部門優秀賞第三席
モービルハム1997年5月号掲載 / '97 MH QRP コンテスト参加

 ◎ はじめに
 現在、AMという電波型式はアマチュア無線ではほとんど使われることがなく、ある程度の局数と確実に交信ができるのは6mだけとなっています。しかし、各地でロールコール等が行われアクティビティが維持されてきたこともあって、6mの1つの楽しみ方のジャンルとして確立しているのではと思います。また、AMは無線電話の原点といわれることもあって「自作のトランシーバーで電波を出す」のに、最適な電波型式であろうかと思います。
 そこで、6mのAMを自作機で運用する際の参考例となるトランシーバーを目標として、再現性、完成度が高く、AMを自在に運用できる実用性を持ったトランシーバーを1996年のハムフェア自作品コンテストに出品し、自由部門優秀賞第三席に入賞することができました。なお、名称の「AMRC-696」は6mAMロールコールグループ96年の作品という意味合いで命名しました。

 ◎ 本機の主な特徴
(1) 簡単な回路でありながら、周波数可変トランシーブトランシーバーとなっています。
(2) 受信部はIF(10.700MHz) に4素子のラダ−型水晶フィルタ−を使ったシングル・スーパー・ヘテロダイン方式で、AM交信に必要な感度、選択度を得ています。
(3) 送信部は終段に2SC1973を使い、入力400(mW)、出力200(mW)。変調方式は終段コ レクタ変調で良好な変調をかけています。
(4) 周波数可変には簡単な回路で十分な安定度の得られるVXO(可変水晶発振)を使用して約100kHzを可変させ、これを送受で共用することで、トランシーブ操作を実現しています。
※ 回路設計に当たっては、部品の入手がしやすく、かつ過去に実績のある回路を多用して再現性を確保しつつ必要な性能を得られるように考慮しました。

 ◎ おわりに
 AMRC-696を使用して2005年12月現在までに1〜9エリアの200局以上とQSOでき、6mAMをQRPで自在に運用できるトランシーバーとして実用性に問題がないことを確認しました。6mAMの自作トランシーバーとしてAMRC-696を参考にしていただければと思います。
 なお、AMRC-696の回路図については(株)ベクターのホームページにも公開しています。

JR8DAG/菅野 正人
回路図はこちらです(2005.06.04現在 , circuit , 59kB)
回路設計の考え方(2005.05.28更新)
スペクトラムアナライザの計測結果(2016.12.10,約99kB)
プリントパターン(printed circuit boards)
【参考1】部品配置図(主なもの)
【参考2】質問と回答(question and answer)
【参考3】AMRC-696に関する資料(html版)がダウンロードできます
TOPページへ(Back to index)
【更新情報】
2016.12.10 スペクトラムアナライザの計測結果 を追加
2010.11.06 系統図を追加
2005.05.28 受信部中間周波数増幅の安定性向上のため、回路定数を変更
中間周波増幅回路2SK439の前段後段ともにRFC増幅を半同調増幅に変更
半同調増幅の負荷抵抗は2.2kΩに設定
 (当初、4.7kΩでしたが、安定性を考慮し、2.2kΩとしました。2005.06.04記)
検波回路への接続コンデンサを100pF → 0.01μF
検波回路の負荷抵抗を10kΩ → 1kΩ。検波回路への負荷を重くする
(インピーダンスを下げる)ことで、発振を抑制し、安定性の向上を図った。
2005.01.05 受信部の感度アップとAMラジオ電波の混入を抑えるための回路修正を実施
高周波増幅 2SK439のソース抵抗 100Ω → 47Ω
中間周波増幅回路後段の2SK439のRFC増幅を半同調増幅に変更
低周波増幅回路の出力コンデンサ 0.1μF → 1μF
低周波電力増幅回路LM386Nの1番ピン周辺の回路を変更。
2004.12.25 本作品の定格を記載
2004.06.21 回路設計の考え方のページを作成

 【修正情報】
 モービルハム1997年5月号に公開している回路図では、SN16913Pの2番ピンのコンデンサ(0.01μF)が抜けていますので、このホームページの回路図のとおりコンデンサを追加してください。

 【部品情報】
 製作から約20年が経過し、SN16913P、2SC1973について部品の入手がかなり厳しくなっています。SN16913Pはサトー電気の広告からも消えてしまいました。残念ながら代替品はありません。2SC1973もサトー電気の広告から消えておりますが、出力が下がっても構わないのであれば2SC1815でもなんとか使えます。
 1SS99,1N60が入手しづらくなっています。1SS99,1N60 → 1SS106が使用可能です。
 10D1 → 100V 1Aの整流ダイオードが使用可能です。
 FCZコイルについては、サトー電気で販売している互換コイル(7Tシリーズ)が使えます。

AMRC-696の外観
外観の写真(exterior)
(大きさ180mm×70mm×160mm)

(size 180mm×70mm×160mm)

クリックすると拡大写真を表示します(約228kB)
内部の写真(左:送信部、右:受信部)(10cm×7.5cmの基板を2枚使用)
Left:TX Right:RX , Two printed circuit boards , size 10cm×7.5cm

クリックすると拡大画像を表示します
本作品の系統図


 【本作品の定格(2004.12.25現在)】
[共通]
周波数   50MHz
電波型式 AM(A3)
使用半導体 3IC 7TR 7FET 8Di
電源電圧  DC 12.0(V) (標準)
消費電流 受信無信号時 50(mA)
送信無変調時 150(mA)
送信時最大 250(mA)
いずれも測定値
空中線インピーダンス 50(Ω)
外形寸法 180(W)×70 (H)×160 (D)
    (単位 mm , 突起物を含まず)
重量 570 (g)
[送信部]
終段入力 12 (V) × 35 (mA) ≒ 420 (mW)
出力 200(mW)
終段石 2SC1973
不要輻射  -50(dB)以下
変調方式 終段コレクタ変調
[受信部]
受信方式 シングル・ス−パ−・ヘテロダイン方式
中間周波数 10.700MHz付近
受信感度 0dB(μV)程度 (S/N 10dB)
選択度 ±2kHz(-6dB),±4kHz(-40dB)
[局発部]
局発発振方 可変水晶発振(Super VXO)
発振周波数 39.8〜40.0MHz
自作品コンテストの賞状
◎コンテスト入賞履歴など
1996.08.24 ハムフェア96自作品コンテスト自由部門優秀賞第三席
1997.12.23 第13回1エリアAMコンテスト1エリア外部門8エリア1位入賞
1998.06.28 第9回2エリア主催AMコンテストQRP特別賞(総合18位)入賞
1999.06.27 第10回2エリア主催AMコンテストQRP1位(総合13位)に入賞
2000.06.25 第11回2エリア主催AMコンテストQRP1位(総合7位)に入賞
2001.07.29 第12回2エリア主催AMコンテストQRP特別賞(総合第17位)入賞
2002.04.28 2002第44回ALL JAコンテスト電信電話部門シングルオペ50MHzバンドQRPで北海道1位入賞
2005.04.28 2005第47回ALL JAコンテスト電信電話部門シングルオペ50MHzバンドQRPで北海道1位入賞