鹿児島短期大学 助教授 倉元綾子 博士

 日本の家政学、アメリカ合衆国では家族・消費者科学は、「個人・家族・コミュニティの生活を支援し、発展させる」という課題をもっています。
 そのなかで、特に重要なのがFLE(ファミリー・ライフ・エデュケーション、家族生活教育)といってよいでしょう。なぜなら、自立した個人を形づくっていく場は家庭(あるいは類似の機関)ですし、家庭が孤立して個人を育むことはできず、地域社会からの支えを必要としているからです。実は、このことは、昔から、どこの国でも、どこの地域でも行われてきたことです。 
  しかし、現代社会では、家族と地域社会の力が弱くなっています。ですから、個人、家族、地域社会の意義と役割をはっきりと理解すること、それを通して人間が相互に育ち合うような環境を作っていくことが求められています。
 山下いづみさんは、アメリカ合衆国ミシガン州立大学で家族・消費者科学を学び、このことを最もよく理解しているFLEの実践家です。このような山下いづみさんが提供しているFLEのプログラムを通して、多くの方々が、目標をもち、活力にあふれた生活ができるようになることを期待しています。

大阪教育大学 助教授 鈴木真由子

ファミリー・ライフ・エデュケーターは、家政学理論をベースにした、家族・家庭生活に関する実践の専門家です。現代社会における家族・家庭生活におけるトラブルの回避や関係の修復など、生涯学習分野(エクステンション)での活躍が期待されています。

千野和子

犯罪や事件にならないと、日本では「家族の問題」を社会問題化できない。
「家族の問題」は決して「血縁の問題」に留まるものではない。
昨今の事件を見ればそれは歴然なことである。
子供も大人も誰もが社会の大切な一員であり、虫歯にならないように日ごろからの予防が必要なように日頃から、お互いにケアしていくことは大切だと思う。
ハード面の少子化対策が先行している中でFLEはソフト面から、多角的なアプローチを行なう点で現在の日本に、とても重要なプログラムだと思う。

富士市小学校家庭教育部 PTA役員 渡辺

 テーマが「家庭教育について」ということだったので、家での子供に対しての接し方や、考え方を、参加者が、意見を出し合ったり、具体的にロープレイをしたりしました。
山下さんの講演は、だだ話をきくだけでなく、参加者が自分の思っていることや、実生活の体験などを話すことによって、改めて自分を見つめ直すとともに、山下さんのアドバイスを聞き、自分で考え解決のヒントを得るということです。2時間という時間は、あまりにも短すぎて、あっという間に過ぎてしまいました。もっと色んな話を聞きたい、というのが本音でしょうか。参加者のみなさんも、有意義な時間が過ごせて勉強になった事と思います。

 FLEは、とてもすばらしいサポートシステムだと思います。今回だけでなく、次回にも、又違う機会にも、山下さんの講話が聞くことができたら、と思います。