レポート 投稿 マスコミ
レポート8 子育てサポートへの新しいシステムの導入:
      ファミリーライフエジュケイション(家庭教育プログラム)

(めだか:児童福祉、養育家庭の専門誌 no.30 平成16年9月)

 昨今、幼児を持つ親たちの負担を軽くする為のサポートとして、幼稚園、保育園での時間の柔軟な対応や子育てサポートが考えられています。親が先生たちの話を聞くことはとても大切なことですが、先生たちに子供の教育、成長の責任の大半を任せるということは、先生と親が子供たちのために信頼関係を持つということにはならないと思います。また親が全て自分たちで悩みを抱え込み、ストレスをためることも避けることだと思います。そこで親たちの為の新たなシステム、ファミリーライフエジュケーション(家庭教育プログラム)の導入が必要になってきます。
 
 日本では中央政府が数年前から家庭教育プログラムの必要性はうたってはいますが、実際の中身はまだこれからという分野です。ファミリーライフエジュケーション(家庭教育プログラム)はアメリカではすでに20数年前に、台湾では3年ほど前に導入されているシステムです。ファミリーライフエジュケーションとは個人、家族が健康で、人と良い関係を築き、生活向上ができるように、専門知識をもったものが、個人、家族の論点に関した教育を提供し、サポートするもの(National Council on Family Relations)。このシステムを導入することによって、親の悩み、心配ごとを全面的に先生に助けを求めるのではなく、ファミリーライフエジュケーションプログラムに参加することによって、解決していくことです。

 家庭教育プログラム(family life education programs)は自分で自分をサポートできるようになることを基本においています。講座を通して、欲しかった情報や、新たな情報、知識を得て、自分の生活をプラスに持っていくことを目的として作られています。
 ファミリーライフエジュケーションプログラム(家庭教育プログラム)は企画、実行、査定を一貫して、継続的に専門家が行なうことが望ましく、家族問題や子育ての不安が増えている現在、真剣に取り組むべき事柄です。

 先生たちを頼りにすることは素晴らしいことですが、この多種多様化した今日では、新たにファミリーライフエジュケーション(家庭教育)を専門とした人材が不可欠です。ファミリーライフエジュケーター(家庭教育アドバイザー)としての資格としては次の10項目1社会のおいての家族2.家族内の人間関係3.人間発達学=人の一生4.人間の性5.人とのかかわり方、自分自身とのかかわり方6.家庭財源の管理の仕方7.ペアレンティング(親業)8.家族に関した法律ときまり9.専門家のあり方10.家庭教育方法論、を修得した学士以上を修得した者(National Council on Family Relations)とされています。資格内容をみればわかるように、幼稚園、保育園、ファミリーライフエジュケーション(家庭教育)の専門分野に違い(重複もあり)があり、子供の成長、子育てのサポートには幼稚園、保育園、ファミリーライフエジュケーション(家庭教育)との連携が望まれます。

 ファミリーライフエジュケーションプログラム(家庭教育プログラム)を導入することによって、地域に密着した教育環境が整えられ、保護者が子育てへの安心感をもち、また子供の成長がよりよくみえてくるようになっていくと思います。幼児教育振興のための新たな施策には園が幼児教育の内容を充実していくことと、行政がファミリーライフエジュケーションプログラム(家庭教育プログラム)の取入れをし、地域の親と子供たちに良い環境を整えていくことが望まれます。次回はファミリーライフエジュケーター(家庭教育アドバイザー)の育成システムの進めかたについて触れたいと思います。