あとがき

 

自分の文章に付けたタイトルが、失敗したのではないかと心配している。

というのは、頭に「続」と付けたので、後になるに従って苦しくなってきた。

そういくつもいくつも「続」が付けられないのではないかと心配している。

これは、タイトルの後に番号で処理すべきであった。

「日本を考える(4)」という風にすべきであったと、今になって後悔している。

しかし、人の一生なんてものは後悔の連続である。

特に人生の落ちこぼれのような、私のような人間というのは、いちいち後悔していたら身が持たない。

後悔すべきところで、後悔しないので却って前進がないのかもしれない。

後悔して、もう同じ撤は踏まない、という反省がないので、何度でも同じ失敗をし、同じ事を後悔しているのかもしれない。

そのかわり天下泰平で、ストレスも溜まらず、精神的にも安定していられる。

しかし「日本を考える」シリ−ズも、こんなに長く続くとは自分でも思っても見なかった。せいぜい2冊が限度だろうと思っていたので、安易な気持ちでタイトルを付けたのがいけなかった。

しかし、こういう意外性というものは面白いものである。

自分で自分のしていることに予測がつかず、1、2冊で終わるだろうと思っていた事が、4冊にもなるなんて事は、最初予想もしなかった。

出来得れば今後も、もっともっと継続して、書き蓄めてみたいと思っている。

書き蓄めたとろで一銭にもならないが、この銭にならないところが大人の遊びであり、本当の意味の趣味であるはずである。

世に思考、思索の種は尽きない。犬が人を咬んでも、そこにはそれを見た人の感想というものはあるわけで、どこまで続くかわからないが、行き着くところまで行き着いてみようと思っている。

これこそ我がライフ・ワ−クならぬライフ・プレイである。

                      平成4年(1992年)5月17日

                                  了

 

目次に戻る