「BSジャズ喫茶」
今、日本のテレビ界というのは、1日100時間以上も電波を出し続けていると思う。
これだけさまざまな番組があっても、大人が安心して見ておれる音楽番組というのは皆無に近い。
2、3年前、NHK BSで「BSジャズ喫茶」という番組があった。
これは、大人が安心して、心安らかな気持ちで鑑賞出来る数少ない音楽番組であった。
題名の通り、ジャズを主体としていたが、演奏の合間のおしゃべりが実に大人の雰囲気で、平常心で聴いておれた。
ビートたけしや、古館、はたまたさんま等の語り口というのは、聞く者の立場、聞いたり見たりしている聴衆の存在を無視して、自分たち出演者が先に楽しんでしまっているので、我々大人は聴くに堪えず、見るに忍びない。
テレビ番組というのも良識ある大人が作っているように思うが、放映されている番組からは大人の良識、大人としての知性というものが全く感じられない。
そういう風潮に迎合することなく、大人の会話を楽しむという点で実に心温まる番組であったが、惜しむらくはこういう番組は長続きせず、今は放送されていないようなのでまことに残念である。
ジャズ・グルービーズというバンドも秀逸であった。