米穀通帳

米穀通帳

 

皆さん、米穀通帳というものをご存知でしょうか?

私が幼き頃、確かこの米穀通帳というものを持って米屋に行った覚えがある。

今でいえばB5くらいの縦長の通帳であったように思う。

幼かったので中がどういう風に記載されていたのかは知らない。

飲み屋の店先にある狸の置物が下げているような感じのもので、もっと薄かったように記憶している。

これがいつもお勝手の茶箪笥の横に掛けてあった。

この言葉を唐突に思い出したので、広辞苑で引いて見た。

さすが広辞苑だ!ちゃんと記載されている。

米穀配給のために各世帯に交付されたとあり、1941年(昭和16年)大都市から交付となって、1982年(昭和57年)に廃止となっている。

太平洋戦争と同時に交付されて、それが戦後もずっと生きていたことになる。

私が結婚したのが、昭和44年で、1969年でしたが、この時「俺は米穀通帳の申請に行かなければならないのではないか?!」と思い、行くとしたら何処に行けばいいのか?行ったら市役所はどう対応したのだろうか?といろいろ空想をめぐらせたものだ。

ところがこの頃には既に米は自由販売で、スーパー・マーケットで売っている有様であった。

それから13年間も生きていたということは一体どういうことなのであろう。

 

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