鬼の居ぬ間

鬼の居ぬ間

 

俗に「亭主無事なら留守がいい」と申しますが、これは「女房」と入れ替えても十分通用しますね。

と、申しますのは、目下家内が旅行中で、にわかヤモメですが、これが結構快適です。

家内と顔をつき合わせていると朝から晩まで喧嘩ばかりしていますが、喧嘩相手がいないのでまことに平穏です。

で、3月3日、NHKのBSハイビジョンを見ていましたら、「青春のポップス」最終回を放映していました。

「青春のポップス」、「オールデイーズ」、「ロックンロール」、「グループサウンズ」等々懐かしいですね。

嫁いだ娘が作り置きしておいてくれたおかずをつまみに、ビールを飲みながら、一人でテレビを見るのは最高の気分です。

テレビのボリュウムをいっぱい上げても誰も文句を言いません。こころおきなく堪能出来ました。

家内がいればこうは行きません。

音が大きいだの、風呂に入れだの、歯を磨けだのと、まるで子供並みに世話をやかれるので、気の落ち着く間もない。

そんなことは言われなくても、するときにはするので全く厄介である。

親切の押し売りにはほとほと閉口する。だから家内が旅行中は全く天国である。

さりとて、全くこの世からいなくなってしまえば、これまた困った事になるのが目に見えているので、「鬼の居ぬ間」というのは最高の贅沢だと思わなければならない。

 

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