リフトからの墜落 03・4・23
今からン十年前、子供達がまだ小さかったころ、家族でよく岐阜の山奥のひるがの高原にスキーに出かけたものだ。
あの時はどういうものか、子供たちを下の緩やかなところで遊ばせておいて、私だけがリフトで上の方に行き、家族の待っているところに滑り降りるつもりであった。
そして一人乗りのリフトに乗って途中まで来たとき、私は電信棒一本分ぐらいの高さのところからまっさかさまに落ちてしまった。
リフトには膝の上にきちんとストックを揃えて乗っていたのだが、このストックがリフトの鉄塔にあたり、それが支点となってアット思ったときには頭から下に落ちていた。
ストックが当たった瞬間は頭から落ちたと思ったが、雪の上には足から落ちていた。
そしてスキーのビンデングははずれていたが、どこにも怪我はなかった。
雪の上に落ちて、「アレ 俺はどうしたんだ!」と一瞬訝ったが、ストックが鉄塔に当たって落ちたのだということを納得すると、今度は恥ずかしさが急に湧き出てきて、一目散にその場から離れなければと思った。
リフトの後ろに乗っていた人はさぞかしびっくりしたに違いない。
前の人が急にいなくなったのだから不思議に思ったに違いない。
私の方はといえば、恥ずかしさのあまり一刻も早くその場から立ち去りたかったので、ビンデングを直してすぐにゲレンデまで出、一気に滑り下りてしまったが、今思えばよく怪我もせずに済んだものだと思う。
リフトの下というのはあまり人が滑らないので雪が積もったままになっているとはいうものの、一歩条件が悪ければ命取りになる可能性は十分にある。くわばらくわばら。