俄かヤモメの快感  20034.15

俄かヤモメの快感

,3日前から家内が外国旅行に出かけた。

イラクで戦争がオッパジマッタので少々心配していたが、スケジュール通り出掛けた。

それでしばらくヤモメ暮らしであるが、これも実に良いもんだ。実に実に良いもんダ。

古女房と毎日顔を合わせていると、存在するだけで喧嘩をしなければならないが、一人だと思う存分羽が伸ばせ、命の洗濯が出来る。

「亭主無事なら留守が良い」という話があるが、これは「女房無事なら留守が良い」と対を成しているようだ。

女房が留守なので、一人で秋刀魚の缶詰を開けて、冷やで飲みながら、都はるみのワンマン・ショウのビデオを見ている。

家内が傍にいればとてもこのような自由気ままな振る舞いは出来ない。

まず秋刀魚の缶詰だけでは栄養が偏るといって文句が出るし、冷や酒ならば体に悪いと文句が出、都はるみの演歌は低俗だと文句が出る。

とにかく部屋の中に存在するだけで喧嘩をしなければならないので、神経の休まるときがない。

こんな状態でよくも30年以上も一つの屋根の下に居れたものだと不思議でならない。

彼女は他の仲間3人と出かけたが、それぞれに奥さんを遊びに出して亭主どもは仕事と留守番で我慢しているようだ。

何処の家も我が家と似たり寄ったりのようだ。

鬼の居ぬ間に命の洗濯をしなければならないが、まず最初にキムチをたらふく食うことだ。家内の留守中にキムチを食べたことがわかればもう家庭崩壊である。

だからキムチを食べる時は完全犯罪を心がけねばならない。

何の証拠も残らないようにしておかないと、後が大変である。

以前、家内の旅行中にキムチを食べたら娘が家内に密告して、大騒動になったことがある。

家内の留守中は娘にも注意を払わなければならない。

 

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