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IIATF16949:2016 (自動車セクター)
      

自動車セクター規格
は,アメリカビッグ3の「QS-9000」が有名であったが、欧州にも,VDA6.1など各国で規格が存在していた.1999年にこれらを統合したISO/TS16949:1999が発行され,2002年にISO9001:2000に対応した2002版(第2版)に改訂された.これに伴い,「QS-9000:1998」のISO9001:2000対応のための改訂版は発行されないこととなり、2006年12月にQS-9000は失効となった。さらに2009年には、ISO9000:2008に対応したISO/TS16949:2009(第3版)が発行された。
2016年10月に、名称が変更されて、ISO9001:2015に対応した、IATF16949:2016 第1版が発行された。発行機関は、IATF(国際自動車タスクフォース)である。

IATF16949:2016 公式解釈集による実質改訂情報 (2021.11最新版)   (2021.11.28)
IATFでは、16949:2016の実質改訂情報を公式解釈集で公開している。これは、認証審査にも適用されるので注意されたい。今まで、22箇条の解釈が出ているが、最新発行は、2021年7月で、2021年11月現在有効。IATFのHP

https://www.iatfglobaloversight.org/wp/wp-content/uploads/2021/08/IATF-16949-SIs-July-2021_ja.pdf
6.1.2.3  緊急事態対応計画 サイバーセキュリティが強化されている。
7.1.5.3.2. 外部試験所 外部試験所の認定範囲、非認定機関を使う場合の条件が改訂。
6.1.2.1 リスク分析 サイバー攻撃の脅威が追記
7.2.1 力量 - 補足事項 訓練及び認識にもまた,組織の作業環境及 び従業員の責任に関係した,予防に関する情報を含めなければならない。この情報の例とし て,装置故障の予兆,及び/又はサイバー攻撃を受けた兆候についての認識等

IATF16949:2016 公式解釈集による実質改訂情報 (2020.08最新版)   (2020.10.16)
IATFでは、16949:2016の実質改訂情報を公式解釈集で公開している。これは、認証審査にも適用されるので注意されたい。今まで、19箇条の解釈が出ているが、最新発行は、2020年8月で、2020年10月より適用される。IATFのHP:https://www.iatfglobaloversight.org/iatf-169492016/iatf-169492016-sis/
1) No.4追記:7.2.3 内部監査員の力量 少なくとも, 製品監査員は,製品要求事項,並びに製品の適合を検証するための関連測定及び試験装置の利用,の理解に関する力量を実証しなければならない。
力量を達成するために 組織の要員が訓練を提供する場合,訓練実施者の上記要求事項に関する力量を実証するために文書化された情報を保持しなければならない。
f) … g)
2) No.19新規:8.4.2.4 供給者監視:
d) 特別輸送費の発生件数


IATF16949:2016 公式解釈集による実質改訂情報 (2020.03.27追記)
IATFでは、16949:2016の実質改訂情報を公式解釈集で公開している。これは、認証審査にも適用されるので注意されたい。今まで、18箇条の解釈が出ているが、2019年追記は2020年1月より適用されている。IATFのHP:https://www.iatfglobaloversight.org/iatf-169492016/iatf-169492016-sis/で、日本語版も掲載されているので一読をお薦めする。
注目すべき解釈は、
1.No.3  6.1.2.3 緊急事態対応計画:情報技術システムに 対するサイバー攻撃,の項目が追加された。
2.No.4. 7.2.3 内部監査員の力量 : 製造プロセス監査員,及び 製品監査員は、軽減された。また、内部監査員訓練でのトレーナー要求は、組織内部の場合に要求されている。 この項は、かなり大きな新たな解釈なので、貴社のマニュアル等の見直しが必要かもしれない。
3.No.. 8 8.4.2.3 供給者 品質マネジメント システム開発
  組織は,顧客による他の承認されたもの(例: 下記の a 項)がない場合, その自動車製品及びサ ービス供給者に対して,
適格組織としての自動車産業 QMS 規格への認証取得を到達目標とし て,ISO 9001 認証 品質マネジメントシステム(QMS)を開発し,実施し,改善することを要求 しなければならない。 リスクベースモデルを用いて,組織は受容れ可能な最低限の QMS 開発レベル及び各供給者に対 する QMS 開発レベルのターゲットを規定しなければならない。 顧客によって正式承認されていない場合,ISO 9001 認証された QMS は,当初の,受容れ可能な 最低限の開発レベルである。顧客に対する現行のパフォーマンス及び潜在的なリスクを基にし て,次に示す段階的な QMS 開発に沿って,供給者の目標レベルを上げていくこととする。 この要 求事項を達成するために次の順番を適用するべきである。
         a) 第二者監査による ISO 9001 への適合性   
理由:。IATF16949 認証に適格でない組織(例として次を含むが,これらに限定されない:金属スクラッ プ供給者,運送及び補給支援などを提供するトラック輸送会社)に対処するため,第一段落に「該 当する場合」を追加して さらに明確にした。
4.No.14  9.2.2.2 品質マネジメント システム監査 :組織は,年次プログラムに従って3 暦年毎 年間の監査サイクルにおいて,…
   完全な監査サイクルの期間は3年間のままとする。この3年間の監査サイクルの間に監査が実 施される個々のプロセスの品質マネジメントシステム監査の頻度は,内部及び外部のパフォ ーマンス及びリスクに基づくものとしなければならない。組織は,自社のプロセスに割当て た監査頻度を正当とする理由を維持しなければならない。すべてのプロセスを3年間の監査サ イクルの間にサンプリングすること,並びに,ISO 9001 基本要求事項及び顧客固有要求事項 も含めて,IATF 16949規格中の適用されるすべての要求事項について監査することが要求さ れる。
No.5 3.1  定義(追加):組込みソフト

:2019年11月追記
No.16 9.3.2.1 マネジメントレビューインプット-補足 追加:l) 製品及びプロセスの設計開発中の規定された段階における測定の結果の要約(該当する場合)
No.17 6.1.2.3 緊急事態対応計画 サイバーセキュリティテストの実施には,サイバーアタックのシミュレーション,特定の脅威に対する定期的監視,依存性の特定,及び脆弱性の優先順位付けを含むであろ う。テストの実施は関連する顧客操業中断リスクに見合うものとする。
注記: サイバーセキュリティテストの実施は,適宜,組織によって内部的に運用されるか,外注されるであろう。
No.18 7.1.3.1 工場,施設,及び設備の計画策定 c) 製造を支援する装置及びシステムのサイバー防御の実施。



IATF16949:2016 公式解釈集による実質改訂情報 (2019.10最新版)   (2019.11.05)
IATFでは、16949:2016の実質改訂情報を公式解釈集で公開している。これは、認証審査にも適用されるので注意されたい。今まで、18箇条の解釈が出ているが、最新発行は、2019年10月で、2020年1月より適用される。IATFのHP:https://www.iatfglobaloversight.org/iatf-169492016/iatf-169492016-sis/で、日本語版も掲載されているので一読をお薦めする。
No.16 9.3.2.1 マネジメントレビュ ーインプット -補足:l) 製品及びプロセスの設計開発中の規定された段階における測定の結果の要約(該当する場合)
No.17 6.1.2.3 緊急事態対応計画:サイバーセキュリティテストの実施には,サイバーアタックのシミュレーション,特定の脅威に対する定期的監視,依存性の特定,及び脆弱性の優先順位付けを含むであろう 。テストの実施は関連する顧客操業中断リスクに見合うものとする。
No.08 7.1.3.1 工場,施設,及び設備 の計画策定:c) 製造を支援する装置及びシステムのサイバー防御の実施。


自動車セクター [AIAG-VDA FMEA Handbook Ver.1] 概要 (2019.07.22)(2019.10.14追記)
7ステップFMEA開発プロセス:7つのステップ(下記掲載)で、FMEAを進めるようになった。特に、2)構造解析、3)機能解析、が強化され、いずれも「3D構造」となっている
  1)計画と準備:プロジェクト計画、ベースラインFMEAの初期範囲と使用
  2)構造解析:視覚的描写、インタフェースの識別および 顧客 - サプライヤ間のコミュニケーション
  3)機能解析:機能および機能を満たすための関連要件/特性
  4)故障解析:「故障連鎖」の確立 - 故障モード、影響および原因
  5)リスク解析:予防および検出管理策の割り当て、S-O-D評価の割り当て、および行動の優先順位(AP)付け
  6)最適化:リスク軽減活動
  7)結果の文書化:実施された行動とその有効性、残存リスクおよび管理の要約
その他のトップレベルの変更:
 ・データ列数の大幅な追加を含む、より規範的なリスク解析フォーム:
3D構造となった結果、フォームがスプレッドシートには収まりにくくなって、FMEAフォームの再構築が必要であろう。
 ・設計およびプロセスFMEA解析のための重大度、発生および検出指数の新しい定義
 ・相対リスクを分類するための「行動優先度(AP)」と呼ばれる新しい複合指標の使用:
今までのRPNやS×O方式はもはや掲載されておらず、新たに「行動優先(AP)」が紹介されている。所謂「マトリクス方式」(下記参考掲載)である。
 ・「モニタリングとシステムの対応」のリスク解析のための新しい補足設計FMEAの導入。(FMEA-MSR)が第4章に追加された。

尚、故障モードの定義は変わっていませんので、「JIS Z 8115の定義(故障状態の形式による分類。例えば,断線,短絡,折損,摩耗,特性の劣化など。)ではなく、「DFMEAの定義)故障モードは、アイテムが意図した機能を満たすことまたは提供することに故障する可能性がある方法として定義されます(第1版)」、「(PFMEAの定義)故障モードは、プロセスが製品に意図した機能を提供または提供させない原因となる可能性がある方法」の使用が望まれます。
7 Steps (池上生産技術研究所編集)    AP Matrix(池上生産技術研究所編集 2019.10.14部分修正)

当社では、AIAG-VDA FMEA Handbook第1版の企業内講習(出張/リモート)を開始いたしました。 メール、お電話等でお問い合わせください。

自動車セクター [AIAG-VDA FMEA Handbook Ver.1]発行されました。(2019.06.11)
 かねてから予告されていた、AIAG-VDA 統合版の、FMEAハンドブック 第1版が、6月3日に発行されました。ドラフト段階から案内されていたように、第4版からの大きな変更となりました。AIAGのインターネットサイトから、英語版が入手できます。日本語版の出版時期は未定ですので、当面、英語版、ドイツ語版で理解を進めることになります。当社では、英語版を入手し、私訳を進めておりますが、S,O,Dの評価基準や、新AP(行動優先)が大きく変わっています。第4版の、RPN評価や、S×O評価は、推奨できないとされています。移行に当たっては、評価基準が変わることから、慎重に移行計画を立てて、進めることが推奨されています。ハンドブックですので強制はありませんが、ある程度の期間をおいて、大勢は、このAIAG-VDA 統合版の、FMEAハンドブック 第1版へ多くの組織が移行するものと思われます。当社では、今年8月頃より準備ができ次第、「AIAG-VDA 統合版、FMEAハンドブック 第1版」講習会を開始したいと考えております。(2019.06.11)


   

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