第1部 フランスパンから始めた
定年退職後の趣味の一つにパン作りを加えた。戦後学校給食が米飯からパン食に変わった時期があった。アメリカの援助物資の小麦粉で作ったパンと脱脂粉乳を溶いたミルクだけであったがお腹をへらした子どもたちには大変なご馳走であった(筈である)。と言うのは脱脂粉乳製ミルクが思いの外不味いものであったからである。援助物資の脱脂粉乳は(想像するに)アメリカでバターやチーズを製産した、いわばカスである。このカスを調味もせずに湯に溶かしただけのミルクがうまいはずはない。おまけにでかい鍋で粉乳を溶かすものだから沈殿物が焦げ付いて、もうどうにもならぬ味となってしまったのだ。
一方、脱脂粉乳ミルクとは対照的に、味噌コッペパンの美味かったこと、忘れられない。昼直前に木箱に入れられて運ばれてくる焼きたての味噌こっぺ、教室に流れる味噌の香り、皮がぱりぱり、中がしっとり、今思い出しても涎が出そうである。
前置きが長くなったが、この幻の味を再現すべく、私のパン作りは始まった。
第3章 趣味のパン作り−01
1998年6月6日 フランスパン(記念すべき処女作)
「ル・コルドン・ブルーのフランスパン基礎ノート」を教科書として買ってきて、先ずは第1作の参考とした。
   強力粉    500g
   ドライイースト   5g
   塩         9g
   水       320cc
グリル付き電子レンジ使用
外観も味も自己満足できるものであった。こんなに簡単に出来るものかと次なる挑戦に意欲がました。
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