鍵山秀三郎に学ぶ             掃除の大切さ、毎日続けること

 

今井淳氏の修正追試です。

《論文全体》

    イエローハットの看板の写真を黒板に貼る。

説明1 この看板をみたことはありますか?おうちのひとが車に乗る人は道路を走っているときにみたことがあるかもしれません。

※鍵山秀三郎さんの写真を黒板に貼り板書する。

【板書】今日の主役・・・鍵山秀三郎さん

    このひとは、鍵山秀三郎(ひでさぶろう)さんと言い、自動車用品の卸、販売会社「イエローハット」の社長をしていた人です。

「イエローハット」は年商億800億円以上。店舗数も全国に300店以上もある大会社です。最近ではCMでもやっていますね。  

鍵山さんは一代で「イエローハット」を作り上げましたが、実は高校卒業後は、普通の  

サラリーマンだったそうです。

 

発問1 高校を卒業後、最初に入社した会社で、鍵山さんがびっくりしたことはなんでしょうか。

 

   予想して、道徳ノートに記入させる。列指名して答えさせる。(以下発問ごとに同じ)

    正解は、休みがないということです。その様子が書かれた資料を読みますので、聞い   て下さい。

 

    資料1を教師が読む。

岐阜県の疎開先から、東京駅に出てきたわたしは、東京駅付近で求人欄を見て、職を探しました。周りを見ると、当時東京駅周辺はエリートばかりで、みな自信がありそうにみえました。自分には学力はないし、交友関係もない。一人ぼっちでした。広告の中から、自動車用品をあつかう「デトロイト商会」という会社を決めました。採用されるかどうかが問題で、条件は聞ける状態ではありませんでした。文房具屋で履歴書を書き、社長と面接しました。そのとき言われた条件は、
「三年間、一日も休むな。文句があるな
ら出て行け。」というものでした。
何も知識がなく、ねじの種類も知らないで「能無し」とよく叱られました。いじめられ、食事を
とれないこともありました。本当に大変な生活でした。

発問2 この困難の連続に、鍵山さんはどうしたでしょうか。

   涙定量、汗無限。人生の間に流す涙の量は決まっているので、若く体力のあり、がんば   れるうちにつらく苦しい涙をながしておきなさい。汗は、一生命ある限り書き続けな   さい。という教えを信じて、鍵山さんはがんばって、専務にまで昇進しました。給料   も多くなりました。しかし、社長のお金の使い方だけは納得できずに、会社をやめ、   自分で会社をおこしました。

 

   資料2を読む。

会社をやめて、自分で会社を作りましたが、想像以上の苦労がまっていました。車がありませんので、自転車に商品を積んで売り歩きました。しかし、行く先々で、中にいれてもらえなかったり、名刺を受け取ってもらえなかったり、渡した名刺をその場で破り捨てられたこともありました。それでも何とか売れ残りの商品を譲り受け、売り歩いた結果、「車のハンドルカバー」が爆発的に売れるようになりました。そして、会社を大きくすることができました。しかし、会社設立から12年、10億円(現在の100億円)という借金を背負うことになりました。鍵山さんは一生懸命に働いて、その借金を返すことができました。

 

発問3 ところで、鍵山社長が会社設立当初から一番大切だと思って毎日続けていることがあります。それはいったいなんでしょうか。

   正解はなんと「トイレ掃除です」鍵山社長のトイレ掃除の仕方は普通とはかなり違った   方法なのです。

発問4 それでは、鍵山社長のトイレ掃除の方法とはすばりどんな方法でしょうか。

 

    正解は、素手でトイレの便器を磨くということです。実際に磨いた後の便器はそれで   ビールがのめるくらいにきれいだそうです。とにかく、毎日徹底的に磨き上げるので   す。

 

発問5 鍵山社長が、毎日「トイレ掃除」をしているのには、理由があります。その理由は なんでしょうか。

    正解が書いてある資料を読みますので、一緒に読んでください。

    資料Bを配布し、教師が読む。

自分の人生の中で、大きく掲げて取り組んできたことは、掃除です。やり始めたきっ   かけは会社の人たちの心を癒したいということでした。しかし、なかなか効果が上が   らず、最初は会社の人たちもおざなり程度の掃除しかしようとしませんでした。それ   でも、社員に強制することはせず、毎朝6時に出社後、トイレや玄関の掃除をし、営   業車をきれいにするようにしていました。願いはなかなか通じませんでしたが、5年、10年後にはよい結果が現れてきました。10年後、数人がやるようになり20年後、大半が自発的にやるようになり、30年後、外部から掃除の仕方を教わりにきたり、地域の掃除運動に広がっていきました。そして今では、ブラジルに住む4000人以上の現地の人たちが、ブラジルの公園をきれいにしようというところまできました。

○ 平凡なことでも、それを続けることはやがては大きな力になるのですね。

 

指示1 今日の授業の感想を書いて下さい。

 

※ 感想を道徳ノートに記入させる。