第8章    第40回宝塚記念(99/7/12)

 5月の天皇賞と違って往復の交通手段も、宿も準備万端の宝塚記念ツアーのはずが、大阪に向かう新幹線が名古屋駅に到着した頃いとうのPHSが鳴る。関西空港に着いたやなせから、「待ち合わせに間に合わないかもしれない」との連絡。待ち合わせ場所は新神戸駅、そして今日の最初の目的地は有馬温泉。一体どうなる?。早くも先行きが怪しくなる。新幹線の時刻を調べ、折り返し電話するもPHSの電波が届かない。仕方ないので留守電に吹き込むことにし、結局連絡が取れないまま新神戸駅に到着。改札の中でやなせを待つわかちゃんといとう。到着後5分くらいしてやなせから電話が。「今どこにいる?」との問いに、「今着いたところだけど…」といとう。何とやなせは先に着いて待っていたらしい、人騒がせな。でも無事に会えてよかった。

 新神戸からバスに乗り、無事に有馬温泉に到着。昼食を取り、その後公衆浴場(温泉)に入ることにした3人。脱衣所で財布がないことに気づいたいとう、顔色が変わる。と同時に館内放送が入りいとうがフロントに呼び出された。カウンターに財布を忘れたらしい。昔にも釣り銭もらい忘れで店内放送で呼び出された前科があるそう。これまた人騒がせな。でもあってよかった全財産。
 わかちゃんはひとり女子風呂に入っていたのだが、オバチャン二人(裸)の取っ組み合いの大喧嘩が始まってしまい、のんびりする余裕もなく、早々に退散。

 今日の宿泊地宝塚温泉でも宿の温泉を堪能する。ひと風呂浴びて夕食を待つまでの間、いとうが買い出しに出ることになった。わかちゃん、やなせはすっかり腰が重くなっている。「何かいるものある?」と聞くいとうに、出るわ出るわ「エイト、ブック、ジュース、お酒」。すっかりパシリ状態。コンビニで競馬新聞をチェックするがいとう御用達の日刊競馬はなく、仕方なくエイトを買う。
 いとうが帰るとすでに夕食の準備ができている。フロントに「710号室のいとうですけど食事お願いします〜」と電話をするやなせに、「いとうは俺だ〜」とつっこむいとう。だがそんないとうもラフィアン東京事務所にやなせの名前で電話をかけている。いい勝負。食事はとても豪勢で、3人とも大満足だった。
 夕食後、馬券検討会に入る。今回は好調の安勝とグラスワンダー騎乗の的場の両騎手を中心に買ってみることにした。昼間の疲れからわかちゃんはすでに半寝モード、馬柱が読めない。23:00就寝。

 翌11日は晴天に恵まれた。しかし暑くなりそうだ。
 朝7時に電車に乗って阪神競馬場に向かう。と同時にあきらめの悪い3人は指定席の当日予約にチャレンジ。電波状態が悪い中、わかちゃんが指定席をゲット。でかした。でも2名分までしか取れない。
 阪神競馬場に到着するとすでにたくさんの人が並んでいる。すごい人出。地理に不案内な3人はどこらへんが先頭なのかすら分からない。7:30開門。混乱を避けるためいつものように小分けにして入場させているようだ。一般席の席取り、横断幕張りは無理なようにも思われたが、入場してみると何とどちらも大丈夫だった。整理本部に行ってみると並んでいたのは2人だけ。張るスペースもちゃんと残っていた。席もスタンドのゴール板近い場所が確保でき、いい1日のスタートになった。

 メインの予想、やなせはスペシャルウィーク、いとうはグラスワンダー、わかちゃんはグラスワンダー&ステイゴールド。
 やなせは「スペシャルウィークが来なかったら年内は競馬をやらない」と言って単勝に×万円。いとうはグラスワンダーで堅いと思いながらも単勝5000円の小勝負。わかちゃん、グラスワンダーとステイゴールドで勝負馬券。スペシャルウィーク&グラスワンダーで保険馬券。
 馬体重が発表になる。いい感じなのはステイゴールド。好走する時の体重だ。これを受けいとうはグラスワンダー&ステイゴールドを混雑の中買い足しに行く。
 いよいよ本場場入場。スペシャルウィークとグラスワンダー共に落ち着いている。返し馬に入る前にゆっくりと歩かせている。有馬記念や天皇賞(春)を思い出す光景。
 グラスワンダーはコースをゆっくり1周して初コースを見ている。2頭の一騎打ちか、いい勝負が期待できそうだ。負けるなステイゴールド。
 新ファンファーレが鳴り、レースがスタートした。レースを引っ張ったのはニシノダイオー。その後にステイゴールド、スペシャルウィーク、グラスワンダーの順。グラスワンダー良い位置取りだ。瞬発力勝負ならその位置で大丈夫。向こう正面でグラスワンダーを探しているのか、武豊が後ろを見る。グラスワンダーはすぐ後ろだ。3・4コーナー中間点辺りからスペシャルウィークが動き出す。グラスワンダーは離される。スペシャルウィーク直線前で早くも先頭。やっぱり強いのか。追うグラスワンダー。直線に入って追い始めると手応え十分。スペシャルウィークを捉えると、あとは突き放すだけ。終わってみればグラスワンダーの完勝だった。われらがステイゴールドは10馬身差の3着、よく走ったけど力負けか。でもこの2頭以外には負けていないし、よく走った。いつか勝てる時が来るからがんばってほしい。

 今回はやなせの飛行機などの関係もあり、3人での打ち上げは中止。わかちゃんといとうは帰りの新幹線の中でささやかな打ち上げをすることにした。
 梅田駅からラフィアンテレフォンサービスに電話すると、ベルが函館に移動するらしいという情報が。いよいよデビュー間近らしい。デビュー戦観戦ツアーの計画を話し合いながら帰路についた。 
ないのは指定席くらいか。













「千葉県からお越しの・・・」というアナウンスに、自分たちのほかにも関東から来ている人がいるんだなあと思っていたら、「いとう様」と思いっきり自分たちのことだった。

ケンカの理由は、お湯が熱い、ぬるいの諍いだったらしい。関西の温泉はどこもこんなにバイオレンスなのか?。







「お名前は」と聞かれ、とっさに「やなせと申します〜」と答えてしまった。さすがに会員番号はあやふやだったが。

関西の馬は相変わらずよくわからない。

本人は覚えていないが、寝ぼけていたらしい。








関西の人はあまり横断幕を張らないのか?。





その自信はどこからくる?。























できれば横断幕を張った日に勝ってくれ。


いとうのおごり。こうやって儲けは食いつぶされる。

マイネルファラオ。

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99/08/28 (土) 23:57:47 W