和歌山県出身。大阪の呉服店で働き、その後、1925(T14)藤本真次商店に入る。
藤本真次商店は、'28(S3)合資会社藤本商店、戦後、'46大阪藤本商事株式会社、'50藤本医療器株式会社、'64 藤本株式会社に社名変更。医療用品の卸販売から始まり、医薬品・衛生用品の製造販売を行う製薬会社となっていった。
'69(S44)大阪本社社長に就任。社長を務めている時、'72 家庭用磁気絆創膏「ピップエレキバン」を発売。最初の約5年間はなかなか売れなかったという。社員が薬局を回り店頭に置いてもらっていたが、売れ残り返品と納品を繰り返す日々で相当苦労した。
'73から会長に就任。ピップエレキバンのCMに会長であった横矢が自ら出演。「会長、どうぞ」と俳優の藤村俊二が声を掛け、横矢会長が「ピップエレキバン」と答える。そんなテレビCMが視聴者の目を引きつけ、「会長、どうぞ」のセリフは小学生の間で流行った。続く樹木希林と横矢会長の掛け合いも流行し話題となる。CM中で樹木希林が横矢会長の横で喋ったセリフ「この、しぶとさが、会社を繁栄させるワケですね」が当時の流行語となった。エレキバンCMで見せる横矢会長のコミカルな動きが人気に拍車をかけ知名度が上がり、ピップエレキバンの売れ行きが爆発的に伸びた。'81その年にユーモアを振りまき、楽しい明るい話題を提供してくれた人に贈られる「ゆうもあ大賞」を受賞。
'84 ピップエレキバンの爆発的な売り上げで会社も急成長し、藤本株式会社からピップフジモト㈱に社名を変更した。横矢はその後もTV番組などにも出演し、ピップエレキバンと伴に人気を博していたが急逝。享年82歳。告別式では樹木希林が弔辞を読み上げた。
なお、その後、2010(H22)ピップフジモトとピップトウキョウを合併して事業会社ピップを設立。2022(R4)ピップエレキバンは発売50周年を迎えた。