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りゅうてい えんじ

柳亭燕路

りゅうてい えんじ

1934.10.20(昭和9)〜 1991.2.10(平成3)

昭和期の落語家【6代目】

埋葬場所: 20区 1種 33側(黒田家)

 東京都大森出身。本名は黒田健之助。明治学院高等学校卒業。1954(S29)5代目柳家小さんに入門して前座名を小助。'57小団治とあらためて二つ目。'68(S43)9月真打昇進にさいして六代目燕路を襲名した。
 正統の古典落語を演ずるかたわら、落語史の研究と落語に関する著述に力をそそぎ、その著『子ども寄席』中の古典落語「子ほめ」が国語教科書の教材にもなった。他に『落語家の歴史』の著書もあり、翻案落語にも挑戦してニコライ・ゴーゴリの「外套」を落語化した。また落語の文献の研究、史料の収集に力を注ぎ、初代談洲楼燕枝の研究に没頭した。
 中央大学落語研究会顧問、諸芸懇話会会員。晩年は肝硬変を患ったが、独演会を開き、「竹取物語」を題材にした創作落語を発表した。弟子には、柳亭燕福、柳亭燕丸がいる。享年56歳。

<日本芸能人名事典>
<墓誌碑など>


墓所 石碑

*墓石は和型「黒田家之墓」。右面に柳亭燕路・没年月日・行年・本名が刻む。裏面は一九七六年一〇月吉日 柳亭燕路 瀬名恵子 建之」と刻む。墓所左側に、友人有志による「六代目 柳亭燕路之碑」が建つ。右面に略歴が刻む。

*妻は絵本作家のせなけいこ(瀬名恵子)。長男はスラブ語・言語学者の黒田龍之助。龍之助の妻はチェコ語学者の金指久美子。


せな けいこ
1931.12.3(昭和6)〜存命
昭和・平成期の絵本作家
 東京出身。本名は黒田恵子。旧名は瀬名恵子。1歳の時に武井武雄の「おもちゃ箱」の絵本を買ってもらい気に入り、17歳の頃に絵本作家を志すことを決める。
 お茶の水女子大学附属高等学校卒業。美大の受験をしようと思ったが母に反対され、反発する形で、武井武雄に弟子入りを志願。銀行員やコピーライターとして働きながら絵の勉強をした。武井氏から「サインなしでもその人だとわかる絵を描きなさい」と厳しい指導を受け、独創性を養っていった。
 落語家の6代目柳亭燕路と結婚。1969(S44)5歳の息子(黒田龍之助)のために描いた作品『にんじん』がデビュー作となる。1970『いやだいやだの絵本』(全4冊・福音館書店)でサンケイ児童出版文化賞受賞。子育ての経験は、絵本づくりのヒントとなり、自分の子どもが興味を持たないものを描いても仕方がないという理由から、まず自作の作品の読者は息子として創作活動を行った。
 主な作品に『あーん あんの絵本』(全4冊・福音館書店)、『おおきくなりたい』(全4冊・偕成社)、『めがねうさぎ』シリーズ(ポプラ社)、『となりのたぬき』(すずき出版)、『ねないこ だれだ』などのロングセラー作品がある。特に息子が「ゲゲゲの鬼太郎」のテレビを熱中して観ていたことから、おばけを描いてみようとなり、民俗学の勉強をして創ったのが『おばけえほん』シリーズ(童心社)である。『ルルちゃん』は、娘をモデルに描き、その娘が母になり、その親子のエピソードで誕生したのが『おおかみでんわ』。絵本のアイデアは日常生活の中から湧いてくると回想している。
 絵本のほかに紙芝居、装丁、挿絵など、幅広い分野で活躍。2017(H29)『ねないこはわたし』で、第5回ブクログ大賞のフリー投票部門大賞を受賞した。日本児童出版美術家連盟会員。

<ミーテ絵本作家インタビューなど>


黒田龍之助 くろだ りゅうのすけ
1964〜ご存命
平成期のスラブ語学者、言語学者
 東京出身。父は落語家の6代目柳亭燕路。母は絵本作家のせなけいこ。妻はチェコ語学者の金指久美子。
 1988(S63)上智大学外国語学部ロシア語科卒業。1994(H6)東京大学大学院露文科博士課程単位取得満期退学。東京工業大学助教授(ロシア語)、明治大学理工学部助教授(英語)、2007.3 退職。2012神田外語大学非常勤講師(言語学)、のち特任教授。日本放送協会教育テレビジョンのロシア語会話に出演。2008.4NHKラジオ第二放送「まいにちロシア語」講師を務める。ロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語などスラブ諸語のほか、英語にも通ず。
 主な作品に『ウクライナ語基礎1500語』(1995)、『ベラルーシ語基礎1500語』(1998)、『羊皮紙に眠る文字たち スラヴ言語文化入門』(1998)、『外国語の水曜日 学習法としての言語学入門』(2000)、『ロシア語のかたち』(2002)、『はじめての言語学』(2004)、『ぼくたちの英語』(2009)、『外国語を学ぶための言語学の考え方』(2016)、『物語を忘れた外国語』(2018)など著書多数。


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