松井義男

　広島県呉市出身。1923(T12)山陽中学校卒業。広島でカメラ店を経営するが上京し、'53(S28)カメラの距離計の製造を主とする「松井製作所」を創業。
　'55からは釣り具のリールの製造を開始、釣り用品の需要増大に伴い、リールを本格的に生産するため、'58東京都中野区に資本金200万円で「大和精工」を設立した。 さらにスポーツ用品の製造も開始。'60リール生産工場を東京都東久留米市前沢に新設、'62本社もここへ移転した。 '64グラスロッド（ガラス繊維強化プラスチック製の釣り竿）の生産工場を新設、'65オリジナル仕様のダイワブランド・リールを開発、販売を開始した。 リール市場では後発であったが、アメリカ市場を中心とした輸出が伸びたため、次いでヨーロッパ・カナダ・オーストラリアなど、国内に先駆け海外市場の開拓に注力。 '66アメリカに現地法人「ダイワ・コーポレーション」設立に続きカナダ・イギリスに合弁会社を、台湾に伊藤忠商事との共同出資で会社を設立するなど事業の国際化を推進した。 ダイワブランドはアメリカで特に高い評価を受け、品評会での評価は群を抜くものだった。'69名前を分かり易く「ダイワ精工」に変更。 その後スキー、テニス、ウェア部門にも進出し総合スポーツ・レジャー用品メーカーに転化させた。'70東京証券取引所2部上場、'76(S51)1部に指定替えを果たした。'77釣り用品の売上高を世界第1位にした。
　'70藍綬褒章、'77勲五等双光旭日章受章。急性肺炎にて逝去。享年76歳。

＜ジャパンＷＨＯ WAS ＷＨＯ 83/87　など＞

＊広大な墓所に「松井家之墓」。左側に墓誌がある。戒名は光徳院釈義尊。妻はミエ。

＊ダイワ精工株式会社は、2009年10月1日より「グローブライド株式会社」に社名を変更。 「Daiwa」は、フィッシング単独のグローバルブランドネームとした。他に、ゴルフ「ONOFF」・テニス「Prince」・サイクル「corratec」等のブランドがある。 新しい商号は、「地球を舞台にスポーツの新しい楽しみを創造し、自然と触れ合う歓びを世界中に広めたい」という想い込め“グローブライド”とした。