國弘 直
くにひろ ただし
昭和・平成期の出版人(大洋社)
山口県出身。父の國弘満治は美豊洋社社長の実業家。早稲田大学商学部卒業。 太平洋戦争で復員し、戦後1946(S22)8月、銀座二丁目に蔵書を売却した資金を元手にして大洋社を創業し、雑誌中心に卸販売を手掛けた。 出版関係者がほとんどだった取次業には異色の参入だった。'53(S28)8月、株式会社に改組、株式会社大洋社の社長に就任。 「堅実経営」をモットーにして事業を伸ばし、各地に支店を設け、'73文京区水道橋に本社ビルを完成、取次界に確固たる地位を築いた。 日本出版取次協会常務理事、九州雑誌センター社長、出版文化産業振興財団常務理事、図書館流通センター監査役、日本出版クラブ評議員など多くの業界要職を務めた。 現在の大洋社の社長は國弘晴睦。藤野邦夫著『大海原 さらなる発展に向けて 創業者 國弘直と太洋社50年のあゆみ』がある。
＜出版人物事典＞
＊墓所は正面左側が丸い墓石に「國弘」と刻むデザイン墓。右側は先祖供養等が建ち、その真後ろに和型の「國弘家之墓」が建つ。墓所内の墓誌には簡略歴も刻む。