東京・杉並出身。木村德蔵、章子(共に同墓)の子。
1953 東京大学文学部西洋史学科卒業。中世史の堀米庸三に師事。'58 日本女子大学文学部助教授、'59 東京都立大学法学部助教授を経て、'76 東京大学教養学部教授になる。専門はヨーロッパ史、現代文明論。13世紀フランス中世の荘園史や法社会史の研究から始まった。
この間、'75 『ヨーロッパとの対話』 で、第23回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。'90(H2)東京大学を停年退官し、東京大学名誉教授。同年、運輸大臣より第37回交通文化賞受賞。'96 第45回横浜文化賞(文化分野)受賞。
'97 首相官邸直属の諮問機関、食料・農業・農村基本問題調査会会長に就任し、「くらしといのち」を基本政策とした食料・農業・農村基本法の立ち上げに尽力した。同年、第48回NHK放送文化賞受賞。'98 財団法人トヨタ財団理事長。
2000 静岡文化芸術大学学長に就任。2003 観光立国懇談会座長、2004 国連・国際コメ年日本委員会会長。国民生活審議会会長、国土緑化推進機構理事長などの多くの公職を歴任し、朝日新聞フォーラム「21世紀の日本」委員会委員等も務めた。
西洋史研究の第一人者として活動する一方で、アジアのなかでもとくに中国に注目した。「バカロレアの試験は科挙と同じ暗記第一主義」「フランス料理屋と中華料理屋は世界のどこでもある。普遍性がある」。このほか中国には共存の知恵がある。ヨーロッパ人自身が科学技術信仰から感性の大切さを見直した。欧米がアジア、中国の深い知恵に学ぶ時代だとし、フランスと中国の共通点を挙げ「中国は異質な国ではない」と論じた。このように歴史学者の目で見た現代文明論や、その他、音楽・映画批評、料理や生活文化に関する著作を幅広く手がけた。また、日欧の比較文明論や文明史に係わるエッセイを新聞雑誌に多数執筆。NHK教育テレビのN響アワーの司会を、なかにし礼、芥川也寸志と三人で務め、洒脱なヨーロッパ的教養人として活躍。NHKアニメ「アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル」にて、時代考証を担当。集英社の『学習漫画 世界の歴史』シリーズの監修者としても活躍した。
2005 平城遷都1300年記念事業総合プロデューサー(愛知万博総合プロデューサー)と理事長に就任したが、イベント開催前に肝細胞癌のために逝去。享年76歳。没後、2007 日本醤油協会より、醤油文化賞が贈呈された。また、2010.10 静岡文化芸術大学より名誉教授の称号が贈られた。