金子増燿

　江戸出身。1879(M12)砲兵工廠においてフランス人から洋式鋳造法を修得、陸軍鋳鋼所、東京砲兵廠鋳造工場長、八幡製鉄所嘱託、日本鋳鋼所顧問等を歴任し、1918(T7)大阪に金子鋳鋼所を創立し代表者となる。 また宝光鉱業、笏洞鉱業各会社の社長を兼ねた。 わが国製鉄製鋼界の先覚功労者である一方、銅像鋳造にも勝れ、靖国神社広場の大村益次郎銅像も若き頃の制作(鋳造)である。

＜日本人名大事典＞
＜MATSU様より情報提供＞

＊大村益次郎像の原型は彫刻師・大熊氏廣が制作したものだが、鋳造の責任者が金子増燿である。




＊正面和型「金子家累代墓」。墓石左面に戒名が刻む。戒名は諦覚院良温増長居士。裏面は「昭和十三年九月 金子辰雄 建之」と刻む。墓石の右隣りに並んで五輪塔、左隣に墓誌が建つ。墓誌には「十四代 兼弘 明治二十二年九月一日歿」、「十五代 増燿 昭和十三年二月三日歿」、「十六代 辰雄 平成七年三月七日歿」と刻む。また、墓所右手前に「金子増燿君碑」が建つ。冒頭に「枢密顧問官 正二位 勲一等 伯爵 金子堅太郎篆額」と刻み、金子増燿の略歴功績が刻む。「昭和十五年春第三周忌日　従五位 子爵 井上正義建之」と最後に刻む。

＊金子堅太郎の墓所は青山霊園1ロ7-5である。井上正義の墓所は染井霊園1イ8-6である。