神田盾夫

　東京出身。養祖父の神田孝平は元老院議官を務めた政治家。父は英語学者の神田乃武（同墓）で、四男として生まれる。政治学者で政治家の高木八尺は兄。
　幼少の頃から父の手ほどきを受け英語力を身につける。1919(T8)東京帝国大学英文科に入学したが、翌年、西洋古典学者の田中秀央を追って京都帝国大学言語学科に転じて卒業。 その後、オックスフォード大学やハイデルベルグ大学に留学し西洋古典を学び、'30(S5)帰国。同志社大学講師を経て、'32(S7)東京大学講師となり、'35助教授、'53.1教授となるが、3月に退官し、国際基督教大学教授に就任した。
　'63国際基督教大学の「キリスト教と文化」研究所初代所長となる。'70からは静岡英和女学院短大教授をつとめた。 教え子には木村彰一、河野六郎、関根正雄、野上素一らがいる。新約聖書の研究も行い翻訳本を多数出している。 主な著書に『パピルスの話』、『新約聖書ギリシャ語入門』、『神田盾夫著作集』（全5巻）などがある。享年89歳。

＜現代日本人名録 物故者編など＞
＜森光俊様より情報提供＞

＊墓石には「神田氏之墓」。右面に乃武の刻み、左面に盾夫夫妻や十拳の刻み。なお神田孝平の墓は谷中霊園（甲12-左1）にある。

神田乃武