藤波紫雪

　埼玉県草加市出身。本名は藤波重雄。前名を藤波順三郎。1915(T4)観世左近に師事して、のち師の勧めにより地謡方に専念。'45(S20)より東京音楽学校（東京芸術大学）邦楽部能楽教授を務めた。'57より日本能楽会会員。 また、「観世流大成版謡本」の編纂にも参加。'75宗家観世元正より東京の職分としては初めて雪号を許され、紫雪を名乗った。著書に『うたひ六十年　紫雪おぼえ書』がある。享年84歳。
　三男の藤波重満(1932-)は、父の後を継ぎ能楽師として活躍し、重要文化財総合指定保持者、東京芸術大学名誉教授、（社）観世会常務理事を務めている。

＜物故者事典など＞
＜森光俊様より情報提供＞

＊墓石は洋型「藤波家」。裏面は「昭和五十八年一月建之」。左側に墓誌があり、藤波重男（紫雪）、生没年月日が刻む。